(1995/11/12 撮影 at タイ・プーケット島)
打ち上げられたこういう漂着物は、カニにとってはご馳走なのだろう、 わらわらと群がって忙しく突ついている。
やはり人が近付くとすぐ穴に逃げ込んでしまうので、
写真が撮れる位置にしゃがみこんで、じっと待つ。
見慣れない大きな人影を警戒しつつも、食欲に導かれて、小さいカニから
順番に、そろそろとした足取りでまた近寄って来る。
2 分、5 分、まだまだ…… 10 分くらいでやっと写真の状況になる。
15 匹ほどが見える。左上、右上の大きな穴では、手の平サイズの
カニが半身を乗り出し、ぴょんと突きでた眼でこちらを伺っている。
これだけ待ってもこいつらは穴から出てこない。
カニを観ているのは面白い。飽きない。いとをかし。
それはなんでかと考えてみると、「カニという生物を動かしているルール」
が想像されるから。
僕は「生物は機械だ」
と考えていて、そのルールを知りたいと思う。
カニくらいになると、観察していると、なんとなくそれを動かしている
ルールが、読み取れる。
[ルール]動く影が見えたら穴に戻れ
[ルール]見慣れない影があって、それが 3 分以上動かないなら
穴から出て様子をみろ
[ルール]動かない異物は、近付いてかじってみろ
[ルール]食べられそうだったら、食え
って感じにね。
「単純な生物を見ることは、単純な機械を見ることだ。」
けっこう単純なルールでも、生物は生き続けることができるように できてる。単純だから、そこに起こる「食欲←→警戒」の間の葛藤 (心の動き?) も良く見える。
午前中は南側のビーチで、カニと戯れて過ごした。
1 時くらいから雨がパラパラと降り出す。腹も減ったので
一旦ホテルに戻る。
T.Minewaki / minew@post.email.ne.jp