北京からウランバートルへ


(1996/08/13 at 中国→モンゴル、中国奥地の森林帯)

中華民航では、またまた窓際の席だった。超ラッキー。
ずっと窓から外を見ている。昼間で比較的天気もいいので、とても景色が 美しい。雲は低い雲と高い雲の2層に分かれていて、その下に緑濃い山々が 見える。茶色の川が谷間を縫って流れている。万里の長城が見えるかと 探していたが、見当たらなかった。(見えた人もいたらしい。)

北京から北西に飛んでいるわけだが、緑濃い中国奥地の景色は、次第に 人気が無く、水気の無い砂漠へと眺めを変えていく。まず、草木が 減っていく。緑色が次第に陰影を無くして、そのうち地面は土色のみとなる。 それと対応して、雲が減っていく。緑の草地の上には雲がぽこぽこと 湧いているが、草の生えない地面の上には、雲さえも湧いてこない。 茶色い地面の上には、車の走った線や濁った水たまりがあるが、 それも次第に少なくなり、地層そのままの色がむき出し、という 感じになっていく。


(1996/08/13 at 中国→モンゴル、緑が切れて雲もまばらに)


(1996/08/13 at 中国→モンゴル、もう雲も湧かないゴビ砂漠)

まったく生きものの活動の気配が感じられない。これがゴビ砂漠なのだろう。
ゆっくりとしたその地表の変化を眺めていて、あぁ、俺たちはなんだか とんでもないところに向かっているんだなぁ、という実感をやっと身近に感じ、 決意を強いられていく。大陸は広いなぁ。

スチュワーデスに「飲物は?」と訊かれて「Tea」と答えたら、紅茶ではなく ジャスミンティーが出て来た。中華民航ならではか。ジャスミンティーも 好きだからいいけど。

飛んでいる時間は2時間ほど。砂漠の先に背の低い草地が見えてくる。 緩やかな丘、やわらかい色の緑の草原のなかに、道の跡や白くぽつぽつと 遊牧民のゲル(モンゴルの移動式住居)が見える。 飛行機が降下を始め、河の流れに沿って広がる街が見える。 あれがウランバートルだろうか。


1996/09/29 T.Minewaki
1997/05/19 last modified T.Minewaki

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