吉田茂邸
2014年9月21日(日)、グリーンウッド夫妻は大磯の吉田邸訪問のためにでかけた。
大磯駅下車、観光案内所でパンフレット類をいただく。観光協会の目の前にある旧木下家別館にゆく。貿易商木下建平氏の別荘。現存する日本最古のツーバイフォー建築という。
旧木下家別館
旧木下家別館右手の路地を歩いてゆくと右手の石垣の上の鬱蒼とした森は旧岩崎弥之助邸跡で、戦後エリザベス・サンダーホームがあったところと分かる。いまでも中に広い庭や木造の施設が残っている。
国道1号にでたところに「新杵」という老舗の和菓子屋があった。ここで「おはぎ」や「まんじゅう」を購入。国道に沿って西に向かうと「鴫立庵」があった。「鴫立庵」には2005年12月19日に坂東巡礼の予備調査の時、立ち寄った。白洲正子の祖父樺山資紀は晩年、鴫立庵の東隣の二松庵にすんでいたというが、観光地図には該当するものがない。
鴫立庵 2005/12/19撮影
国道1号を更に西に向かって歩いてゆくと北側に島崎藤村旧宅という案内板がある。狭い路地を入ると、昭和初期のままそこに残っていた。8畳
の居間は広縁でL型に囲まれ心地よい。老舗の和菓子屋「新杵」が経営していた貸し別荘を買い取って終の住処としたという。前の小公園で「おはぎ」を腹に収
める。

島崎藤村旧宅
島崎藤村旧宅から北に向かい東海道線をくぐって更に北にのぼりつき当たりを左折して樺山資紀が晩年住んでいたという旧樺山邸に向かう。多分二松庵はあここにあったのだろう。鴫立沢の上流なのか小川が流れている。無論今は別人が住んでいる。この界隈の鎮守である白岩神社に参拝。

白岩神社
そのまま真っ直ぐ大磯駅ー大磯城山公園散策コースを西に大磯城山公園に向かう。住宅地は終わり、周りはのどかな田園地帯となる。グリーンハウスを使った果樹園が多い。
大磯城山公園は旧三井財閥の別荘跡地を公園として整備したものという。広場に国宝茶室「如庵」跡の説明版を見つけた。織田信長の弟・織田有楽斎によって、
京都・建仁寺の塔頭・正伝院が再興された際に建造された茶室である。明治41年(1908年)に東京の三井本邸に移築された。この際、解体せず原型のまま
車両に積んで東海道を東京まで運搬した写真が残っている。昭和11年(1936年)に重要文化財(当時の国宝)に指定された。その後昭和13年(1938
年)に、三井高棟によって神奈川県中郡大磯の別荘に移築された。現在は愛知県犬山市の有楽苑にあるという。
国道1号を渡って吉田邸にはいる。兜門は火災で焼失せず、健在である。母屋は焼失したが、隣接したグリーンハウスは焼け残っていた。母屋は小高い山を背にして建っていた。それでも二階に登らないと庭にある砂丘で遮られて海は見えないだろう。

吉田邸のグリーンハウス
庭は回遊式に作られ、この砂丘の尾根線にそって遊歩道がつけられている。吉田はよくこの遊歩道を散策したという。砂丘の頂上付近に町民が寄贈した吉田の銅像がサンフランシスコの方角をにらんで立っている。
庭の砂丘の遊歩道からみた相模湾
歩いた距離は約5km。帰りは城山公園からバスに乗る。
バスの車窓から大正期につくられた政界、実業界の大物の別荘跡を見て回る。旧伊達邸、旧清水邸、旧西園寺邸、旧池田邸、伊藤公滄浪閣、旧鍋島邸、旧大隅邸、旧陸奥邸、旧沖部邸などである。
September 22, 2014