松談会では引退したN響ヴィオラ奏者の梯孝則(かけはしたかのり)氏の講演を3年前に聞いている。今回はそのご子息の梯剛之氏のピアノと彼を囲む父とN響メンバーによる室内楽がセットになっていた。番外は一昨年に続き、今回が2回目である。
梯剛之氏は生後一ヶ月で小児癌で失明。1990年ウィーン国立音楽大準備科に入学、いくつかの国際コンクールで入賞。沖縄サミットで演奏。ウィーン在住。
シューベルトのピアノ五重奏曲イ長調「ます」を演奏したが、姿勢を崩さず、音だけで勝負という姿は強いインパクトがあった。兎に角、音が澄んでいて美しい。感動した。10日後のいまでもその響きが耳に焼き付いている。
アンコールはシューベルトの夢想曲だった。
December 18, 2007