![]() |
ノースウエスト・アース・フォーラム小笠原書簡シルクロードで唯一取材出来なかった国 |
![]() |
川上さん
アフガニスタン! アフガニスタン!
このエキゾチックで、あこがれをそそる名前!
そこはシルクロードで唯一「取材出来なかった国」でした。
1982年当時、ソ連による突然の侵攻とその後のゲリラ戦の激化で国中が危険地帯になっていましたが、アフガン政府は取材を認めてくれました。しかし、その条件は「取材の前にゲリラ掃討作戦を実施し、安全を確保した上で取材させる。」というものでした。
いくら厚顔無恥?の取材者でも、人の命を奪うことを前提に仕事をすることはできません。結局、最もシルクロードの「色」と「匂い」を漂わせるこの素晴らしい国を紹介することはできませんでした。
以来アフガニスタンは当時の仕事仲間の「憧れの地」になっています。
川上さんの続報を期待します。
「テレックス」についてひと言。
シリアの田舎の郵便局でローマ字の電文を渡したら「自分で打て」と言われ、自らテレックスのキーを叩いたことがあります。
80年代まではヨーロッパでさえ通信のインフラが遅れていて、ポーランドに進出しようとしたスズキ(ニッサンだったかも?)自動車が、あまりのインフラのひどさに、契約を破棄したことがあったと記憶しています。
メールが普及した今となっては考えられないことでしたね。
小笠原
川上様
「学業、人格、識見」ばかりでなく、今や「スキー」、「カラオケ」までも、私のはるか先を行く川上さんであるが、どうやら、「カレー」の腕前では太刀打ち可能と見ました。
マハラーシュトラ、カルナータカ州からケララ州にかけての東海岸仕込みの「いわゆるスープカレー」は、「一度食べたらくせになる」と巷の評判を集め、そろそろ「ダンチュウ」あたりから取材が来るのでは、と心配しています。
そーっと、秘密の一部を明かすと、レシピのポイントは「カルダモン」にあり。出来れば、乾燥物でなく生がほしいのですが、日本では入手困難です。
インドの神秘を表現する必須のスパイスです。粒コリアンダーを挽いたときの甘い香りは、どんな高級香水も敵わない「夢の香り」ですね。一度お試しください。
グリーンウッド様
「小さなカップで振舞われたアラビアコーヒーの独特の香りがわすれられません。」で思い出しました。飲み残したカップをソーサーに伏せ、カップに残る濃厚なコーヒーが描き出す「模様」から運勢を占う慣わし…。まさにアラビアンナイトの世界ですね。
辻邦生に「時の扉」という、シリアを舞台にした小説があります。その中で、コーヒー占いをするリディアという女性が描かれますが、そのモデルは、国際協力のためシリアに派遣された日本人獣医師の奥さん(シリア人)で、小説ではほぼ本名に近い名前で登場しています。わたし同様、辻邦生氏もシリア取材時に、このご夫婦に世話になったようです。
その日本人・折田魏朗(おりたぎろう)氏は、1964年に日本獣医師会(その後JICA)から上級専門家としてアレッポの研究所に派遣され、以後44年間シリアに留まって「羊の病気」の神様と言われるまでになりましたが、一昨年11月、84歳で帰天され望み通りシリアに骨を埋められました。
われわれに限らず、シリアを訪れる日本人の多くが、折田氏のお世話になっています。それは氏が長年の貢献によってシリア政府に強い発言力を持っていたからです。現在シリアでは東大などによる複数の考古発掘調査が行われていますが、ほぼ例外なく折田氏の恩恵を受けているはずです。
アラビアコーヒーから話題が逸れましたが、もし、どなたか折田氏と関わりを持った方が居れば、思い出を分かち合いたいものです。
小笠原
小笠原さん、
カレーのレシピのポイントは「カルダモン」にあり。インドの神秘を表現する必須のスパイスです。粒コリアンダーを挽いたときの甘い香りは、どんな高級香水も敵わない「夢の香り」ですね。一度お試しください。
とありました。
「カルダモン」は自宅でアラビアコーヒーをいれるためにすでに入手していましたので早速カレーに加えてみましたが、小笠原効果がでません。
女房がプランターで育てたシャンツァイはよくタイ料理やベトナム料理に使っていたのですが、粒を実らせる前に全部食べていました関係で粒コリアンダーはいままで試したことがありませんでした。そこで小瓶に入っている粉コリアンダーを買ってきてカレー粉に添加してみましたが、他のスパイスに負けて小笠原効果がでません。
かねてより調べておいたカレー・スパイス・ブレンド比をヒントに、「フェンネル」の手持ちがありましたので、これをカレーに振りかけたところ、抜群の効果がでました。
つらつら考えてみるに、好みには個人差があるのではということです。私は実はアブサンが大好きで銀座の明治屋でいつも1本買うことにしているくらいです。このアブサンには「フェンネル」が入っているのですよね。ヨーロッパでは「フェンネル」入りのヌガーを売っていますが残念ながら日本では販売していないようです。これは多少習慣性がある物質を含むのかもしれません。これからは女房が作ってくれるカレーには私の魔法の粉を振り掛けて楽しもうと思っています。
今日、近くのご夫人方と近くの鎌倉広町緑地を歩いて春の喜びを感じました。ジョン・エヴァレット・ミレイの絵画「オフィーリア」程ではありませんが、そんな感じの自然が残っておりました。
さて御一緒した方の御主人はシャンツァイを全く受け付けることが出来ないそうです。これでは東南アジアの料理の喜びが半減するのではないでしょうか?
粒コリアンダーは冬まだシャンツァイが無いとき、ベトナム料理のフォーなど作ったとき振りかけて使うことを覚えました。これ絶品です。
もうじき土屋さんのお話を聞くことができます。
楽しみにしています。
グリーンウッド
グリーンウッドさん、
スパイス「応用編」有難うございます。
フェンネルにそのような力があることは知りませんでした。原料の「ういきょう」が群生する場所に行くと、この世離れした香りに包まれて(またまた、ですが)夢見心地になります。
中東、地中海沿岸の遺跡でしばしば群生に出会いました。(シリアのウガリト遺跡、チュニジアのカルタゴ遺跡など。)
コリアンダーも、カルダモンも、粒(ホール)から挽かないと効果が半減するようです。パウダーで保存してもパワーを維持するのはクローブくらいでしょうか。
それと、「辛みスパイス」(トウガラシ、コショウ、チリなど)は早い段階で加熱しながら投入しますが、コリアンダーやカルダモンのような「香りスパイス」は、仕上げに近い段階で加えます。
「好みには個人差があるのでは」とはほんとうにその通りですね。自分の好みに合うカレーをつくって、食いたいだけ食うのが最高の幸せではないでしょうか。
暑い夏は特に!
小笠原
March 8, 2010
April 30, 2010