グローバル情報システム

2003年

グリーンウッド氏は化工屋である。長年化学プラントの設計システムを情報の格納と情報処理を全て有機的に結合した一大情報システムを構築したいと願って働いてきた。エンジニアリング企業は化学プラントを設計・建設するために彼がスプレッドシート27枚を相互にリンクさせて構築したマキガス化エンジン設計ソフト体系と 同じ内容のものを巨大情報システムとして構築しなければならない。その活動範囲がグローバルになってまいるため、欧米巨大化学会社⇔エンジ企業⇔世界の主 要電気・制御・機械メーカー⇔世界の主要素材メーカー⇔世界の主要工事業者をグローバルに連結して設計情報を連結しなければならない。そのためには何らか の標準が必要となる。これを察知したエンジニアリング企業へ情報システムを提供する主として欧米の情報処理システムベンダー(主力はCADベンダー)が独 自のコミュニケーション標準を推奨している。残念ながらエンジニアリング産業などはマイナーな存在で、自動車や航空機産業が独自に閉鎖的に構築したシステ ムと同等な体系を打ち立てる体力もない。というわけでいまだにエンジ各社はタコツボのなかで他所とつながらないまま、伝令を走らせているというのが、グ リーンウッド氏がエンジニアリング企業を去った4年前の状態であった。

グリーンウッド氏は当時インターネットで接続の方向にあると感じ、HTMLを拡張したXMLがもしかしたら情報交換の世界標準になるのではないかと ひそかな期待を持ち、XMLもすこし勉強した。その後の流れも変わってはいないと思っている。なぜXMLかというと化工屋の驕慢というものに気がついてい たからだ。化工屋が神なら当然終始一貫した閉鎖的システムを構築できる。しかし人間は神ではないので不可能だ。仮にそのような閉鎖的で中央集権的システム が構築できたとしても、多様性をもたないので、環境変化には脆弱なシステムとなろう。彼はやはり人は分権的なシステムしか構築できないと思っている。コン ピュータ内部のファイルシステムですら、実装レベルでは兎も角、人間とのインターフェースは階層構造として見せているのではないか。そしてそれは決して弱 いものではなく、柔軟に環境に適応して行くシステムになりうると思うからである。

ラウンドテーブル21の メンバーの椿さんはこの人間に優しい階層構造をいかにすべきかということに一生をささげたと理解している。グリーンウッド氏はベターな構造はあっても唯一 の階層構造などないとおもっている。サダムフセインやキムジョンイルは唯一の階層構造を信じるかもしれないが。いろいろな構造を許容して互いにつながるシ ステムが自由と分権を人々に与え、人間は感情をもっているので活力もおのずからでてくるのではないかとグリーンウッド氏は考えている。

2017年

14年が経過してAIが実用化され、人と人がインターネットでつながるだけではなく、物と物がネットて情報を直接通信しあうことが可能となり、第4次産業革命が 期待されると言う。これに伴い、物を含めた世界中の通信ノードを統一的に規定するアドレスは従来のIPv4規格では不足することになり、IPv6 に切り替えることになった。こちらからお願いすることでもないので放っておいたら、2017/7/21に一斉に切り替えることになったとプロバイダーより 通知が きた。従来の光ケーブルやルーター、PCは対応済みなので追加費用無しに勝手に切り替えるとのこと。21日はまだ古いIPv4で接続していたが、22日ス マホ(Wiki経由)とPCを立ち上げるとIPv6で接続されていた。U-tube, G-mail, Google Map, Facebookが早く接続できるそうですが、特に何も変わったことはない。

April 13, 2003

Rev. July 22, 2017


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