総合知学会

2010

根源への進化(Progress to Origin) 

−生存持続のための倫理学−

技術環境研究所 上草貞雄先生

 

本稿を考えた発端は、表題が示すように、人間や人間社会の進歩とは何かの根本的問いにある。現代文明社会に生息する我々は、物質的、経済的拡大が進歩であることを疑わない。しかし現在、その進歩した結果の末来に暗澹たる苦難が予想されている。

それを生じた原因に対し、我々の日常を支える生(生命、生物、人生、生活、生涯、寿命、いのち−広義の生存)の本質と、近代以降の我々が最も信頼を寄せる人類の理性の営みにかんする倫理性を考える必要がある。その目的は、従来の生命哲学や医療技術や遺伝子工学など現代のBio Ethicsを包含し、より広い意味性を持たせた「生命の生存」そのものを基底とする生存の持続のための倫理概念構成の試みにあり、その現実的応用として具体的なラフスケッチも示した。

July 26, 2010


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