北ラス・フォーラム-5
医者の願い
出浦照国
腎
臓病の食事療法を指導して全国を回っている。ネフローゼ症候群とは多量のタンパク質(アルブミン)が尿中に失われる結果、低タンパク血症、浮腫が出現する
疾患だ。出浦照国氏が大学で教わった療法は失わ
れたタンパクをおぎなうためにタンパク質を多く摂取するべしというものだった。ところがタンパク質をとれとるほど、アルブミンが尿中に失われるということ
になる。こうして人工透析に頼る生活になってしまう。これを防止するには、食事療法が有効だ。しかし食事療法の指導は個人差が大きく、医者と患者の対話と
観察と思考が必要で、医者にとっては負担が大きく、医者
の実入りは少ない。だから大部分の医者は安易に収入の多い人工透析に走りがちになるという矛盾をはらんだ医療になる。これは医療制度に死されるようなもの
だ。
氏の独自の活動はほかの医者に煙たがられているという。普通の病院ではアルブミン7g/ccが人工透析の目安だが、出浦氏の平均値は15g/ccという。
May 10, 2013