国立佐倉病院について


国立佐倉病院の統廃合問題について                             2002年4月1日 藤崎

1、経緯
1)1986年に国は、国立施設71施設の整理を打ち出した。現在、その内34施設の整理がついている。その他は未整理状態である。

2)1999年3月18日、国は、国立佐倉病院について国立千葉東病院に統合するとの事(合計12施設の追加整理)を厚生省より発表し、廃止については平成12年度中に実施(又は計画)をし、2004年に国立病院が独立法人化されるまでに決着したい意向。

3)1999年6月佐倉市議会にて廃止反対の請願及び陳情可決。

4)佐倉市議会から廃止反対の意見書を国に提出(平成11年6月25日付け)。

5)1999年8月議会にて近隣市町村への協力を求める陳情可決

6)佐倉市議会正副議長が近隣5市2町村議会に協力を要請した。

    (成田市、八千代市、四街道市、八街市、印西市、酒々井町、印旛村)

7)佐倉市は、厚生省対策室、佐倉国立病院、県会議員(桜井、黒野、密本)、国会議員(井上、実川、水野)に 廃止反対を要請した。

8)2000年3月議会に、19、594名の佐倉病院存続を要望する陳情書(八幡台、大橋さん他:佐倉市臼井地区連絡長協議会代表)が提出された。(佐倉市議会として、日本政府、厚生省、佐倉病院へ要望を提出してください。)

2、国立佐倉病院の概要

1)ベッド数他: 200床 外来300人/日

2)赤字額: 年間10億円程度。
 
 


3、2002年3月市議会において後医療として、聖隷福祉事業団の進出として最大20億円の援助をする支出予定が可決された。
  その際の、藤崎の賛成討論を以下に掲載します。
 

  2002年3月議会 最終日討論(2002年3月27日:水)  藤崎良次

:議案第51号(佐倉市一般会計補正予算第7号)賛成討論 

国立佐倉病院の統廃合に伴う後医療対策事業に対する債務負担行為 20億円に対する賛成の討論をいたします。

@  ご存知のように、国は、平成11年3月に国立佐倉病院について、国立病院再編成計画の中で国立千葉東病院との統廃合を決め、平成12年12月1日の閣議にて平成13年度末を目途に施設の廃止を含む対処法を決定し、着実に実施すると決定しました。
 これに対し佐倉市及び議会、市民は国立病院の存続拡充の方針で、近隣市町村や国などに働きかけをしてきました。そして、国の再編成計画が進む中で平成13年3月に市長及び議長が国に後医療を引き受ける医療機関の紹介を働きかけました。その後、聖隷事業団が同年7月頃に浮上してきました。

A  一方、千葉県医療審議会は国に対して病院ベッド数の増床を働きかけていました。
千葉県の医療環境は全国の中では遅れており、10万人あたりベッド数は全国平均995床に対し、千葉県は717床と下から3番目で、人口増を考えると下から2番目になりそうであり、10万人当たりの医療費は全国で最下位である。この事は良く知られています。

B 結局、千葉県内のベッド数増加は印旛山武医療圏では948床、東葛南部で1039床、香取海匝で9床、の合計1996の増ベッドが国により認められ、その後、平成13年12月25日に増ベッド数を含めた千葉県の医療計画が国の了承を受けました。
 そして、平成14年1月30日、千葉県医療審議会病院部会で各病院に増ベッドの配分が最終決定されました。
 残念ながら、国立佐倉病院後医療については医療審議会の考えに合っていないとの事で増ベッドが認められませんでした。(それは、2001年1月26日の病院部会考え方に沿っていないとの判断です)。そして、佐倉市の医師会の後医療に対する増ベッド支持も得られませんでした。

C この1月30日の千葉県医療審議会病院部会において、佐倉病院の事が論議されており、千葉県健康福祉部瀬上理事は、「仮に佐倉病院の後医療に増ベッドが認められなかった場合に、医療機関が(聖隷福祉事業団)撤退した場合に、国立佐倉病院は廃止に追い込まれます。その際、200ベッドを佐倉病院の跡地以外の場所に優先的に配分することを了承願いたい。」と述べ、療養型病院に付いても言及しています。
また、千葉県医療審議会会長で病院部会会長の木村康議長は、「今すぐの問題とはなっていませんが、遠からず佐倉病院に付いては問題になる。われわれがもう一度検討する。」と述べています。このように、病院部会で今後、検討する必要があるとなっていますので、現在、配分ベッド数の残は無い状態ですが、佐倉市は増ベッド等について努力して行く余地があり、国にも働きかければ改善の可能性があると考えられます。

D 以上、国のやり方に乱暴な点はあります。国はもっと地域医療について責任を持ってほしいと思います。今回の後医療に付いては十分に情報公開をして進めるべきでしたが、後医療についての増ベッドが決定せずに、聖隷事業団についての助成金についての話し合いの時間が少なかったのは事実です。しかし、医療の継続のためには病院建設を早急に進めざるを得ないために賛成をいたします。
 聖隷福祉事業団の山本理事長に全員協議会で直接質問した際に、「レベルの高い病院とする方策、脳神経外科に対する具体的取り組み、又、実績のある心臓外科に対する佐倉市への進出予定などに付いてはこれから決めて行くところである」と述べています。それゆえ、先進医療、高度医療を求めるならば、佐倉市及び市民が十分に聖隷福祉事業団とコミュニケーションをとって行く必要があり、今後に双方の努力が求められています。

以上、議案51号への賛成討論を行いました。よろしくご賛同をお願いいたします。