パパってなに?

監督 パーヴェル・チュフライ
製作 1997年 露
出演ウラジミール・ラシコフ、エカテリーナ・レドニコワ、ミーシャ・フィリプチュク
受賞 アカデミー賞・グラミー賞外国語映画賞ノミネート
ヴェネチア映画祭若手審査員賞・ユニセフ賞
NIKA賞(ロシア・アカデミー賞)作品・監督・主演男優・主演女優・作曲賞
紹介 父親ってなんだろう。実の父とは?厳しく躾てくれる他人の小父さんと、血の繋がった父とは、どっちが大事?子供に必要なのはどっち?
 見知らぬ父の幻影を追い続けた幼少時代。生きる術を教えてくれたならず者の男を父と慕いつづけた少年時代。思春期に至り、その思慕が幻想であったことを思い知り、自らの手でそれに終止符を打った今や天涯孤独の彼は、これから先、何に拠り所を求めて生きて行けばいいのか。
 男の子にとって真に求められる父親とは、愛情の注ぎ手ではなく、男としての大先輩なのではないか。人生の道標としての。こりゃ反則!と叫びたいぐらいにかわいいミーシャ・フィリプチュクの多感で雄弁なまんまるの瞳をスクリーン上にやきもきと追いながら、漠然とそんな思いが脳裏を巡る。
 この作品を支えるもう一つの柱は、サーシャの母カーチャと仮初めの父トーニャを演じた両俳優のキャスティングの妙と素晴らしい演技力。カーチャ役のレドニコワは、母の強さ、たくましさ、生身の女のむせ返るような艶と弱さを、浅いキャリアにも関わらず見事に表現。エリート女優ぶりを遺憾無く発揮している。対する「父」トーニャを演じたベテラン俳優マシコフも、香り立つ男の色気、「将校」の威厳、「稼業」をはたらく時に見せる人間の弱さ、情けなさ、「理想の父親像」にも重なる厳しくも頼りがいのある父性、そして何より、サーシャと再会した時に失望を与えるのに十分な、社会のゴミに成り下がった堕落感といった実に多面性のある役柄を、持ち前の美貌を最大限に生かして演じ上げている。この仕事と受賞をきっかけに世界へと活躍の舞台を広げているのも頷ける。
評価 ★★★★
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