群ようこが特に好きという訳ではないのだけど、亜細亜という名前につられて、つい買ってしまった。
しかし、ダメ、つまらん。まあ、短いお手軽なエッセイとしてはいいのかもしれないけど、文庫本一冊にまとまって読まされるには、あまりに情報的価値が無くて、臨場感が出てない。旅行のエッセイとは、現地の臨場感が命だと思う。
香港編でも、どこで何を食べて、どこで何を買っているのか、どこの市場が面白かったのか、なんかさっぱり判らない。よく判らないけど、歩いていて、買い物して値切って、食べてじゃ、小学校の作文と一緒。
面白かったのは、同行している関川夏央の無骨な姿がかいま見られる所。彼も、こんな団体と旅行しているとは大変ですなあ。
後輩から借りて読んだ。
この手の本、エヴァ解説本(^^;)は山の様に出ていて、あんまり読む気もしないのだけど、とりあえず一冊という事で。
まあ、内容的には大した事ないながら、ファースト・インパクトの仮説、ロンギヌスの槍、旧約聖書の偽典に出てくるリリス、リリンの話などは知らなかったので、参考になった。
しかし、それ止まりの本でしょう。というか、この手の本はすべてそうだと思う。
117回直木賞受賞の表題作を含める、短編集。
実は直木賞の「鉄道員」はそれほどは面白く感じなかった。「うらぼんえ」が一番よかった。次が「きゃ羅」。
偶然かもしれないけど、面白いと感じたのは、すべてちょっと幽霊っぽさが入った話。映画「異人たちの夏」みたいな現代的な感覚が入った幽霊ファンタジィが感覚的に合った。
全体として、体系だってないし、まとまりに欠け、症例も少ない。狙っている所は面白いだけに、内容の乏しさは残念。副題にあるように、これは邪悪を体系だってまとめようという意図から作られた本だけど、それは成功してない。
最近のEQ、アダルト・チルドレンなどの心理学的な話題に近いが、この本の狙いとしては実に面白いので、内容は残念。
p215に出てくる、アンダーアチーバー(知能水準から期待されるものより、はるかに低い成績しか達成できない人間)など、EQとの関連を考えさせられる。
美術雑誌「みづゑ」に連載していたいたエッセイをまとめたもの。美術専門誌ながら、タイトル通りに素人の視点で書いている所が新鮮で面白かったのでしょう。読んでいる時は、結構面白いんだけど、あまり印象に残らない話が多い(^^;)。
お気楽美術書としては気に入っているけど。
もう何年ぶりかの再読。いつ読んだかも忘れてしまった。
'80年から'82年に発表された村上春樹の短編が7つ。いかにも村上春樹的世界が展開されていて、この頃の作品を読むとほっとする。売れてからは、書く方も読む方も力が入ってしまうからかもしれない。
また、読む日が来ても、きっと面白く読めると思う。
と学会第3弾。トンデモはやはり読み逃せない。もう随分と前に買ってあったのに、やっと読み終わる。やはり面白い(^^)。
まえがきから、「一九九六年のベストセラーは、『神々の指紋』『脳内革命』『猿岩石日記』の三大インチキ本であった」と飛ばしてくれる。いや、痛快(^^)。自分の回りにオカルティスト達がいるなら、渡り合うには必読でしょう。うまくまとまっているし。
「神々の指紋」の巻頭の南極の地図の話も解説されている。唯一不思議な話だったのだけど、やっと、謎が解けた(^^)。
あと、映画「スリーマン&ベイビー」に少年の霊が映っている話、実際自分でも見ていて不思議だったんだけど、この謎の解説もされてました。納得。今度、ちゃんと見てみよう。
最近、ベトナムが気になる。とりあえず、ベトナム関係の本があったら手を伸ばして、面白そうだったら買ってみる。
色々な人達のベトナムへの旅の記録をまとめたもの。それぞれの視点が違っていて、それがベトナム戦争だったり、リゾートライフだったり、食の旅だったり、建築だったり様々。
個人的興味としては、「フエ、ホーチミン爆食紀行」が一番面白かった。かなりマイナーな食の所まで突っ込んでいる。田鼠は結構美味しそう。アルマジロみたいな穿山甲はあんまり食べる気がしないなあ。犬は珍しいだけで、美味くないみたいだし。なかなか参考になりました。
建築とリゾートの話も面白かった。
折原一の処女作、「五つの棺」に二作を加えた文庫版。「五つの棺」も読んだこと無いので、すべての作品はこれが初めて。
関東平野の片隅にある町で起こる、7つの密室殺人事件。密室マニアの警部。書き尽されたといわれる密室モノを、どちらかというとパロディ的に捉えていて、小説としてはミステリ・マニアには面白く読める。まあ、マニアじゃないと、こういう小説は読まないかな。
「五つの棺」では「ディクスン・カーに捧げる」とした所、熱烈なカー・マニアから批判を受けたそうで、「七つの棺」では取り下げた…という後書きが泣かせる(^^;)。
香港返還ブームの時に新たに改訂版として出版されたもの。やっと読み終わる。
著者の藤木弘子はかなりの香港マニア。全体にエッセイ風に書かれているかと思ったら、全体の構成はちゃんとガイドブックとして成り立っている。地域別歩き方、離島や郊外、食、映画とちゃんとまとまっている。特に、香港の中国料理と映画は趣味が一致する所で参考になった。
巻末の香港映画俳優のリストも参考になる。第二のガイドブックとして読んで行くと面白いかも。