ミナミツヤハダクワガタ採集記

by tsuu3@田中


2001年5月1日 四国に採集に行ってきました。
本来2泊3日の採集予定だったが、前後が雨となったため1日だけの採集になりました。
最大の目的はずばりミナミツヤハダクワガタ(Ceruchus lignarius nodai)。ミナミツヤハダクワガタは四国と九州に住むツヤハダクワガタの亜種だが、オオ顎の形は原名亜種に近いように思う。しかし、身体全体の太り加減など原名ともミヤマツヤハダとも異なる独特の味が有るように思う。まあ、簡単に言えばスマートじゃないと言うことかな(笑い)
今回は、採れるまで他の小型種には手を出さない決心で望んだ(爆)

早朝5時に家を出発。8時30分に目的地着。四国は近くなりました。明石海峡さまさまと言った所でしょうか。しかし、価格は・・・安くありません。今までの苦労を考えると、しょうがない価格かとも思うのですが・・・?

さて、昨年ニセコルリクワガタを採集した場所にて採集開始。実は、今回最初からツヤハダならここと決めていました。昨年のk-suganoさん、エリーさんと一緒に採集に来た時に、数匹の幼虫を採集していたし、先日採集に行ったしゃあげんさんも、同じポイントで幼虫を採ったと言っていたからです。そして何よりも、昨年の採集時に気になった立ち枯れを見つけていたのです。採集終了間際に見つけたため、どうも心残りがあったのでした。

ニセコルリの入っていそうな材を見つけても、見て見ぬ振りをしながら、山をずんずん登り、立ち枯れを探すこと30分。見つけました、あの時の立ち枯れです。でも昨年の心残りの立ち枯れそのものかどうかはどうも記憶が怪しい(^^;;;
ま、いずれにしても、ツヤハダの入っていそうな立ち枯れで、削ってみないではいられない材ではあります。だいたい一周の内の1/3程が割れてえぐれており、2/3が硬い樹皮に覆われている。えぐれた部分は赤く朽ちている。早速割れてえぐれた部分を削り出す。

赤材の立ち枯れ

立ち枯れの上の方の朽ち方がなかなか良い感じ。しばし削ると白い幼虫が出てきた。よく見ると案の定ツヤハダである。お尻の細い感じと、ベンツマークのお尻で直ぐにそれとわかる(^^)

立ち枯れから出てきた2,3齢幼虫

このような部分には幼虫しかいないことはわかっている。成虫は材の硬い部分(材の芯や表面の樹皮)との間に蛹室を作るからである。立ち枯れの左側の樹皮の一部を一気にはがす・・・♀の成虫が出た(^^)
しかし、それだけ。蛹室のような部分は沢山あるが、中には黒く死んだ蛹のようなのや、寄生蜂がいる。立ち枯れは寄生蜂に襲われ易いようである(^^;;;
赤枯れの状態も倒木よりも明らかに悪い。これは雨水が流れ込んで来やすいためではないかと考えている。さらに、ルリもそうだが、立ち枯れは寄生バチに幼虫が狙われる場合が多いと思う。やはり雨水が直接当たらない倒木の方がツヤハダの環境としてはベターであろう。結局この立ち枯れからは1ペアの成虫と幼虫だけであった。

♀ 

まだいるはずだが・・・
倒れているであろう立ち枯れの上の部分を探す。これだな!こけむしている。こけを剥がすと硬い樹皮が出てくる。これは入っているなと直感する。そしてこのような材の狙いは倒木の両サイドと材の下の部分である。同じ赤枯れでもこのような部分は朽ち方の進行が早くツヤハダ好みになっている場合が多いのである。このような部分が徐々に進行し材全部がツヤハダ好みになっていると、それはもう凄い、コロニー状態になる。私は、このような材の下か、材の両サイドからツヤハダは脱出&進入していると考えている。
まずは材の端を大きく割る。続いて、下の樹皮を削っていくと成虫が出てきた。

ここにも、そこにも成虫(^^)

この材は最高だ。と言うことで、何とか材を真っ二つにするといきなりでかい♂が出た。思わず長さ計ってしまった。20mmジャスト。ミナミツヤハダの20mmは貴重だ!ラッキー(^^)

20mm♂

さほど太くない材であったため、一気に食べ尽くしてしまった(^^;
こうなってくると、隣に落ちているぐちょぐちょな赤材にも入っていることが有る。一応チェックを入れた。いました、いました。そこそこのサイズの♂です。こんな材でも結構大きいのが入っているじゃん。

結局この倒木とその隣の材などから、トータルで15♂6♀採集することが出来た。
最大20mm。4時間程度の採集結果としては、結構満足(^^)
その後他のポイントに移動し、材を探したが結局見つけることは出来なかった。
 

暢気に飯を食べたら2時を越えていた。今日はもう一カ所。今度はニセコルリを狙って隣の山に行く。林道は結構荒れている(^^;;;
登山道をずっと行った南斜面にブナが数本あったので見るがダメ。今度は登山道を登るが、、材が無い、産卵マークはあるけど幼虫もいない。途中まで登山したが、材も少なく、全然採れない。

ツノクロツヤムシはいる。親子のようだ(笑い)

ツノクロツヤムシ親子?

結局時間切れ。幼虫2匹で下山(トホホ)。今回は時間切れのため山頂まで登らなかったが、もっと登れば良いポイントが有るのだろうか?

その後、次の日のポイント近くに移動し、車中泊。明日は早朝からニセコ、ミナミコを頑張るぞ・・・夜中の3時過ぎに激しい音で目を覚ます。いきなり雨と風が激しく襲って来た。うぉ〜〜山の天気は変わりやすいと言うが、これほど凄いとは・・・しばらく粘ったが結局諦めた。非常に残念だが、天候には勝てない(^^;;;

闇の山の中、車を走らせ家路に向かう。うっすらと明るくなった明石海峡大橋を通る。

明石海峡大橋

それにしても残念だ。四国のプラティをタコ採れする予定だったのに〜〜〜
でもミナミツヤハダタコ採れで、殆どおなかいっぱいな私であった。
え、もしかして私が雨男なの(核爆)

本日の結果
ミナミツヤハダクワガタ 15♂6♀

 


Goto tsuu3's web page !
e-mail : tsuu3@mb.infoweb.ne.jp


GOTO index