作者近況(ストックその4)
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1998.8.19(第31回)〜1999.5.23(第40回)
All Written by Kei Nakahara
機械の直し方 ['99. 5.23]
なんとノートパソコンが起動しない!!メモリチェック後にハードディスクが
ブートせず、そこでうんともすんとも言わなくなってしまった。
何度、電源を入れたり、リセットしてもエラーメッセージが出るばかり。
大切なメールデータがこのノートパソコンに入っているのに・・・。ある程度
はバックアップがあるが、1台まるごとのデータが失われるとなると、気が遠
くなる。くらくら。
パソコンの故障で何が恐ろしいかといって、ハードディスクのトラブルほど恐
ろしいものはない。なぜなら、他の部品は部品交換の手間さえ惜しまなければ
すぐに原状復帰できる。プログラムなら再インストールすれば済む。
しかし、失われたデータだけはバックアップがない限りかえってこない。どれ
だけ時間をかけたデータでも、どんなに貴重なデータでも一瞬の内に失われて
しまう。ハードディスクが認識されないというのはパソコンの故障の中で最悪
のものだ。
起動ドライブFDでもc:\をDOS上で認識しない。メーカー添付FDのハードチ
ェックプログラムでもハードディスクの検査項目が表示されない。うーん。こ
れは重症。
ハードディスクの機械的な故障、あるいはマザーボードの障害のどちらかだと
思うが、原因を考えてみると、ほとんど毎日のように電源をいれて使っていた
のに、ここ4〜5日は電源を入れなかったことが怪しい。以前会社にある24
時間稼動のサーバーで、連休期間中に過熱防止のため停止させたところ、連休
明けにハードディスクが起動しなかったことがある。サービス員の方に聞くと、
ハードディスクは使わないで停止させておくと回転軸が固まってしまうことが
あるという。
という訳で、パソコンの中を開けてハードディスクを直に観察する。耳を澄ま
せて、指を当ててハードディスクの回転を確かめると、どうやら回転している
はずのものが回転していない。
うーん。どうしたものか。
ハードウェアのトラブルの大半は、電源の再投入をすることによって解決する
(私は昔、ハードのプログラム屋さん)。それが強力なイニシャライズになる
からだ。しかし、すでに何十回も電源を再投入している。
・・・・やはり物理的なショックしかないな。
電源投入と同時にドライバーの柄でハードディスクの回転軸付近をコツコツコ
ツコツと慎重にしかし、ちょっと強めに何度も叩く(最終的な荒療治なので、
真似をして壊れても責任を持ちませんからね)。
微かな音が始まった!!起動音だ!!
そのままFDのハードウェアチェックプログラムを走らせる。今度はさっきま
でなかったハードディスクのチェック項目が復活している!!
チェックプログラムを凝視していたが、問題なしと出た!ふー。一安心。また
回転軸が固まらないようにそのまま数時間シークテストを繰り返し、ハードデ
ィスクを動かし続ける。その後、Windows95を起動させ、スキャンディスクを
かける。エラー無し!
という顛末で、無事にノートパソコンは復活しました。万歳!!胸をなでおろ
しました。(^^)
経験から言っても、機械は叩くと直るケースことが多い。これはある種の笑い
話に近いものがあるけど、れっきとした修理方法のひとつだと思う。どこに対
してどういう理由でどのくらいの物理的衝撃を与えるかを考えて叩くことが肝
心ですけどね。
そういえば、先日駅の自動精算機を怒って蹴飛ばしているおじさんがいたっけ。
あれはお互いに不幸な結果しか生まないと思うな。
きっと足が痛いよ。
[補足1]
パソコンの筐体(きょうたい)は無闇に開けると危険です。高電圧部分が
あり感電の危険があります。また、逆に人体の静電気で電子部品を破壊す
ることもあります。
ハードディスクも耐ショック性の低い非常にデリケートな部品なので、本
来は絶対に衝撃を与えてはいけません。取り出せるデータも取り出せなく
なることがあります。
[補足2]
その後、一ヶ月ほどしてノートパソコンがついに起動しなくなりました。
System Board Failureと表示され起動しません。ごくたまに起動しても、
突然に不正割り込みがかかって固まってしまい、とてもデータが拾い出せ
ません。
100回は電源をいれ直してみたと思います。これだけ試行錯誤しても復
旧しないなら、もうデータは復旧できないかとあきらめかけましたが、最
後に可能な限りバラバラに分解してみました。ハードディスクまで外しま
した(メーカーにマザーボードだけ注文して自分で修理できるか調べてみ
たのです)。
また組み立て直したところ、これは夢か奇跡か、正常に起動しました。焦
る思いと高鳴る胸を抑えつつ、バックアップを取りました。不思議なこと
にバックアップが終わったらまた起動しなくなりました。なんてラッキー
なんだろう。
川辺の生活 ['99. 4.11]
私のオフィスは川沿いにあります。
(オフィスといっても、単なる個人的に借りているワンルームマンションなのですが)
すぐ窓の下に川が広がっています。この川は運河として造られたものらしいのですが、
船は、一日一隻程度しか通らず、静かなところです。
潮の満ち干に応じて水位の変動はあるのですが、流れはまったくありません。淡水の
ようです。沼のような深い緑色をしています。この辺の日当たりはかなり良く、人が
護岸によってまったく水面に近づけないという条件もあいまって、水辺の生き物にと
っては、かなり棲み心地の良い場所のようです。
冬の間以外は、いつも魚が10〜20匹程度群れて泳いでいるのが、私の部屋の窓か
らよく見えます。魚がたくさんいるのです。
先日は、たまたま水が透明で、春の陽に照らされていたのですが、長さ2〜3センチ
の稚魚が無数に群れているのが見えました!数千、数万という数でしょう。きっと、
川まで降りてバケツで水をすくったら、20〜30匹は一度に掬えることでしょう。
* * *
よく窓を開けて、川面を気分転換にボーッと眺めていると、ときおり魚が水中から飛
び上がって、ボチャン!!と大きな音と波紋を残すことがあります。中には何が楽し
いのか、連続5回ジャンプを決める魚もいます。
果たして、どのような考えのもと、魚が水中から跳ねるのか不明なのですが、きっと
水中以外の世界に対する好奇心があるのではないかなあ、と思っています。
魚にとっては、水面以外の世界は、息もできず、身動きもできず、光の当たり方も、
音の伝わり方も違う、でも常に頭上に広がる未知の不思議な世界に映ることでしょう。
跳ねたときに見える世界は、ちょうど、人間が瞑想をして何か見えたというのと同じ
なのではないかなあ、と思います。
まあ、荘子ではないですけど、魚の気持ちは分かりませんけどね。
* * *
川辺に住んでいると、水辺の生き物たちが身近に感じられ、心和むことも多いです。
たくさんの野鳥も飛び交います。
このマンションを借りてよかったなー、と心底思います。
いつまでも、この川の水がきれいで、ここを寄り辺とする魚や野鳥たちが平和に暮ら
せるよう願っています。
夢の中の魔法 ['99. 1.18]
休日のうたた寝などで眠りが浅くなったときに、ああ、いま夢を見ているな、と
眠りながらもうすうす気付くときがたまにある。
そんなときは「魔法」を使えるから楽しい。
夢の中でめんどくさいシチュエーションが起きても、心の中で「魔法」とつぶやいて
自分に都合の良いシチュエーションに描き変えてしまうのだ。
大切なものを失くして困っていても、いつの間にか手元に現れている。
めんどくさい手続きも、いつの間にか終わっている。
どういう訳か、ささやかな改変しか加えられないのだけど、うまく行くとなんか
楽しいですよ。
心潤すランプ ['98.12.31]
横浜の東急ハンズで、気に入ったランプを見つけた。
買い求めてオフィスに置いたところ、本当に輝いている姿が美しい。
優美な形のガラスシェードを通した緑色の光が周囲の空間を満たす。
ぼうっと眺めると本当に気持ちが清浄化されるようなリラックス効果がある。
たまらなく気持ち良い。
飾ってある絵は、ミュシャの「春」です
ミニ洗濯機 ['98.12.20]
私のオフィスに届いたミニ洗濯機用を設置して運転してみたが、故障している。
展示品を買ったのが良くなかったらしい。修理の人に来てもらうか、はたまた
自分で直すか。以前、食器洗い機が故障して、自分でバラバラに分解してちゃ
んと直したときはずいぶん充実感があったけな。ちょっと分解してみるか。
嬉しくてワインを飲む日 ['98.12.16]
本日('98.12.16)無事に、「文通希望コーナー」がエーアイ出版社
「WWWイエローページ Vol.6」(\1,240)に掲載されました。
この雑誌は、私がインターネットを始めた頃に使っていたことがあるので、
とても感慨深いものがあります。
発売予定日である今日、本屋に行き、昨日までは全然置いてなかったその雑誌
がたくさん平積みしてあるのを見つけました!!
どきどきしながら、自分のページを見つけ出しました。あった!!わーい!!
嬉し、恥ずかしで、そそくさと買って帰りました。
自分のオフィスに帰り、どきどきしながら、掲載されたURLを確認します。
ああっ!!つながらないっ!!と思ったらチルダの打ち間違いでした。無事
につながりました。ふーっ。
またまたどきどきしながら、メールがどっさり届いていたらどうしようと心配
しつつメールボックスを開いてみたのですが、案外いつもどおりの数でした。
は−っ、ちょっと拍子抜けだが、ゆっくりとした立ち上がりでちょっと安心。
実は、今日は、別なもっと嬉しいことがありました。
音信がなくて心配していた方から何ヶ月かぶりにメールがあったのです。とて
も心配していたので、長い安堵のため息が何度も出て、思わず涙がこぼれてし
まいました。良かった、良かった。
こういう日は、ワインを飲むべき日です。
ちょっと大目に飲もう。
[補足]
と書いた翌日にワインの宣伝メールが送付されてきた。どうやら機械的に「ワ
イン」という単語を検索して送付しているらしい。すごいですねえ。
新しいオフィス ['98.11.14]
※このエッセイは長文なので、ジャンプして読むようになっています。
私がワンルームマンションを借りて、そこをオフィスとして、このホームページ
の作成やメールの返事、作家の仕事、発明家の仕事などをするようになったお話
が書いてあります。
毎日、会社の帰りにここに寄って怠けずに仕事をするためです。
オフィスの窓からの眺め(川に浮かんで休むカモメ)
ミステリー風ショートショート ['98.10.3]
ミステリー風のショートショートを書いてみました。
タイトルは、「不思議な部屋」です。
少し怖いです。ちょっとおどろおどろしいので、あまり他のページにはなじまないかも。
もし、読んで悲しい思いをした人がいたらごめんなさい。
そういう面があるものなのだという考えを書きたかったのです。フォローだけではなく、
予防をしたいのです。
紙を立てる方法 ['98.10.1]
どーでもいいことですけど、最近ものを持つと、指先に立ててバランスをとりたくなります。
A4の紙を入れた封筒などは、指二本の上に立てたまま普通の速度で歩けます。えへん。
これは、実は、軽いものほど難しいのです。
最近、A4の紙1枚を指二本の上に立てるにはどうしたらよいのだろうと試行錯誤した結果、
底辺を二つ折りにする要領で一度指でつまんで、1センチほど折り目をつけてから広げると
(ちょっと見には分からない)、1〜2分はバランスを保っていられることを発見しました。
集中して、大きく指を動かさないようにすれば、結構、紙が静止させられて気持ち良いです。
手前に倒れてきたときには、口でふーふー吹くと良いでしょう。(<−−ばか)
ああ、こんなことを書いていないで、早く美学概論を書かなくては。
身につけているもの ['98.8.19]
手を洗ったときに水に濡れたので、左手の腕時計を右手にはめかえてみた。
すごく違和感を感じる。妙な感触。
元の左手に戻したくて仕方ない。
何か体のバランスがとれず、落ち着かない。
はて、この違和感は心に起因するものなのか、体に起因するものなのか。
いずれにしろ、この世の中で身につけた世俗の垢みたいなものだな。
あと半日このままはめてみようかな。
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