暗黒の帝国マイクロソフト
(The Dark Side of the Microsoft)

Last update 2001/03/04



業界の暴れん坊、マイクロソフト

(1998/05/16, Last update 2001/03/04)

 マイクロソフトは、非合法すれすれの手段を使い、なりふりかまわず商売をするので、業界の暴れん坊として常に批判の的になってきました。すでにアメリカの司法省が、何年にもわたって独禁法違反で提訴するための調査をやってきています。1995年に一度は同意審決によって和解しましたが、マイクロソフトは懲りることなくますます暴れるようになり、市場を独占し、他社や消費者に弊害を与える存在になってしまいました。そこで、1997年末に司法省は新たな闘いを開始しました。EU(欧州連合)や日本でもマイクロソフト商法は調査の対象になり、実際に調査され、マイクロソフトが契約内容を改めたりもしています。これを書いている1998/05/16現在では、Windows 98のOEM出荷を目前に控え、司法省や全米20弱の州が、マイクロソフトを提訴するのが確実といわれる状況になっています。

 ぼくも、自分のウェブページ(みなさんがいま読んでいるこのページや、MS Watchのページ)でマイクロソフトの危険性、マイクロソフトに追従してチョウチン記事を流し続け、情報操作に荷担する日本のパソコン雑誌のおかしさ、それに気づかずいいようにだまされて金を巻き上げられるユーザの愚かさなどを、書いてきました。

 以前は、マイクロソフトのシンパから、「マイクロソフトは悪いことはしていない。マイクロソフトはいい会社。お前の書いていることは嘘ばかり。マイクロソフトの悪口をいう奴は頭がおかしい」といったニュアンスのメールももらいました。しかし、1997年末に司法省が提訴したことが、日本でも新聞やテレビといったマスコミに大きく報じられてからは、この手のメールがぴたりと来なくなりました。世間に広く、マイクロソフトという会社の危険な体質が知られるようになったため、以前、私に馬鹿なメールを送ってきていたシンパの連中も、インテリヤクザのようなマイクロソフトを擁護することの愚かさに気づいたからでしょう。

 私としても、馬鹿なメールを読まずにすむわけで、ようやくながらマイクロソフトの危険性を報道した日本のメディアには感謝しなければいけません。しかし、話題になったから報道したような日本の新聞やテレビより何より、私が感謝しなければらないのは、マイクロソフトの危険性をずっと報道してきたアメリカのパソコン業界のメディアと、それを翻訳掲載してきた日本のパソコン業界のメディアです。そしてそれを可能にした、インターネットにも。

 その中から、ありがたいことに、マイクロソフトを巡る訴訟の動きをまとめたページを用意してくれているところを紹介します。

 その他の訴訟の話題については、マイクロソフトの言論弾圧とやりすぎの事例MS Watchにも散在していますので、そちらも探してみてください。

追記:1998/05/17

 上記に加えて、英語のサイトのリストも記しておきます。やはり日本のサイトより網羅性も高く、徹底しています。

追記:1998/05/19

 本日のMS Watchにも書きましたが、ついに司法省や20の州とワシントンD.C.(コロンビア特別区)が、MSを反トラスト法(アメリカの独禁法)違反の疑いで提訴しました。報道記事へのリンクはこちらにも残しておきます。

追記:1998/05/23

 1998/05/16のリストにも追加しましたが、ZDNet Japanの司法省対Microsoft特集は続編が出ています。1998/05/20以降の記事は、司法省対Microsoft特集その2で読めます。それから、ZDNet Japanの司法省対Microsoft特集を改めて読んでみると、これ、ものすごい量のリストですね。以前は、こんなに記事を網羅してなかったような気がするんです。「これまでの経緯」なんてのありました? ひょっとして、1998/05/17に、「英語のサイトの方が、日本のサイトより網羅性も高く、徹底しています」などと書いたもんだから、ZDNet Japanの人が、「正三郎、きさーん、なめとるんか!!」と発憤して一気呵成にまとめたのだとしたら、とってもうれしいです。ほんと、ZDNet Japanのこのリストには、感謝してます。

追記:1998/09/29

 いくつもの訴訟を抱えるMSですが、最近の動きをまとめた記事について、ASAHIネットのjouwa/salonから。

標題: MS訴訟関連
---
 違法の疑いやヤクザまがいの商慣行が災いしているMSですが、同社が抱えて
いる訴訟の現状のまとめ記事が出ていたので、紹介しておきます。
 現状の動きは、
http://www.zdnet.co.jp/news/9809/28/mstrials.html
「Microsoftをめぐる3つの訴訟の動き」
をどうぞ。
 関連記事も以下に挙げておきます。

司法省対MS
http://www.zdnet.co.jp/news/9809/18/msdoj.html
「「訴訟範囲は限定しても新証拠は受け入れる」とMS訴訟の裁判官」

http://www.zdnet.co.jp/news/special006.html
「U.S. vs. Microsoft」
司法省対MSの一連の流れがわかる特集ページです。

http://www.zdnet.co.jp/news/special004.html
「DEPT. OF JUSTICE vs. Microsoft」
これも、司法省対MSの一連の流れがわかる特集ページです。

Caldera対MS
http://www.zdnet.co.jp/news/9809/28/caldera.html
「Caldera vs. MS:公判スケジュールと証言公開についての審問」

Sun対MS
http://www.zdnet.co.jp/news/9809/28/sun.html
「Sun vs. MS:さらに裁判記録が公開へ」
http://www.zdnet.co.jp/news/special003.html
「Sun vs. MS」
Sun対MSの一連の流れがわかる特集ページです。

http://www.zdnet.co.jp/news/9809/28/bristol.html
「Bristol vs. MS:NTソースコード提示要求に対する回答」

追記:1998/10/21

現地時間の10/19にいよいよ公判が始まりました。海外のメディアは、今後のコンピュータ業界やインターネットの世界、そして我々の生活を左右する歴史的な訴訟として大きく採り上げています。日本語で読めるまとまったものとしては、上でもすでに紹介しましたが、ZDNet Japanの「U.S. vs. Microsoft」があります。このページの10/19や10/20の記事を読むと公判開始の様子がわかります。ASAHIネットのjouwa/salonに書いたものも追加しておきます。

標題: 司法省対MS, 初公判
---
 まずは、司法省が一撃を加えました。日本語で読める記事は、ZDNetがよく
揃えていますね。詳しくは、
http://www.zdnet.co.jp/news/9810/20/trial1.html
「MS訴訟の初公判:司法省側が最初の一撃」
http://www.zdnet.co.jp/news/9810/20/trial2.html
「AppleやNetscapeへのMSの「違法な提案」を追及した司法省」
http://www.zdnet.co.jp/news/9810/20/cooper.html
「法廷ではけっして語られない「証言」」
http://www.zdnet.co.jp/news/9810/20/berst1.html
「Microsoftがわざと負けてみせるだろうと思う理由」
http://www.zdnet.co.jp/news/9810/20/score.html
「まず司法省が1点先取」
をどうぞ。

2週間ほど前の記事ですが、「Bristol vs. MS」としてCNetの「NTのソースコードをめぐる争い」を追加します。

追記:1998/12/12

 1998/05/17の資料リストにも追加しましたが、ABC NewsのMicrosoft vs. DOJ: An Index To Microsoft Trial Coverageもお薦めですね。

追記:1999/05/11

 USのZDNetがこの裁判の宣誓証言をまとめて公開しています。 「MS vs. DOJ: The Depositions」をどうぞ。

 また、この裁判の特集ページも非常に充実しています。 「ZDNN Special: Microsoft on Trial」をどうぞ。

追記:1999/11/07

 1999/11/05に裁判の事実認定が行なわれ、司法省の主張が全面的に認められ、「Microsoft is Monopoly(マイクロソフトは独占状態)」ということになりました。

 これについて、本日のMS Watchに書いたものをここにも置いておきます。

MS対司法省。司法省全面勝利へ

 昨日(現地ニューヨーク時間では5日)に発表された事実認定では、司法省の主張が全面的に認められました。オリジナルの事実認定文書は、http://www.dcd.uscourts.gov/microsoft-findings.htmlです。西嶋さん、ありがとうございます。 ASAHIネットのjouwa/salonから。

標題: MS対司法省。司法省全面勝利へ
---
>標題: Judge: Microsoft Is Monopoly
>---
>というのが、LAタイムスのトップニュースに出てました。

 さすが早い。でも、昨日は朝日新聞の夕刊でも一面の大トップでした。
 ZDNet Japanにも出てました。
http://www.zdnet.co.jp/news/9911/06/msdoj.html
Microsoftは独占――米連邦地裁が事実と認定,司法省の訴えを強く支持
をどうぞ。
 これでMSの全面敗訴は確定的ですね。いやあ、長かったけど、実に画期的な
出来事だと思います。日本の裁判だともっと時間がかかって、もっとあやふな
判断になるのかなあ。
 どうせ、MSは控訴するんでしょうけど、この時点でここまで全面的大勝利が
得られそうなのは、MSにとってかなりの打撃でしょう。彼らが違法ビジネスに
狂奔する犯罪者集団であるというイメージは、もはやぬぐいがたいものですが、
これで法的にも事実として認定されたわけですから。

 この前、社会問題化している商工ローン最大手日栄の社長が、テレビに出て
いましたけど、いってることがMSと一緒。
「我が社は、そんなひどいことやってませんよ」「こんなにみなさんのお役に
立ってるのに」「上場企業がそんなひどいことをするわけがありません」
 成毛は、日本の公取委から抱き合わせ販売を指摘されたとき、「我が社はそ
んな違法なことはやってない」といいましたが、実際はやっていました。でも、
その事実認定については争わないなどといって逃げました。横山ノック大阪府
知事と一緒だなあ。

>次は、分割ですね。いよいよ。

 ぼくは分割は、あんまりメリットがないように思うんですけどね。かえって、
機動力が増してMS流のやばい会社が増えるんじゃないかなと。
 でも、ここまで全面勝利だと、一気に分割・解体までいったりしてね。
 オウム新法みたいなMS新法みたいなものまで作ったりしてね。オウムがおと
なしくしますと会見したときも、MSと一緒だなと思ったけど、そうなると、日
本のオウムとアメリカのMSって、社会的な認知のされ方がますます似てきます
ね。

 「成毛は、日本の公取委から」の件については、「マイクロソフトが独禁法違反を認める」をご覧ください。

 繰り返し指摘しておかなければならないのは、アスキー、ソフトバンク、インプレス、日経BP社、朝日新聞社、技術評論社、翔泳社をはじめ、日本のパソコン雑誌出版を手がける出版社の多くは、こういうMicrosoftに対して、その体質を問題視するどころか、仕事と金をMSKK(マイクロソフト日本法人)からもらうことで共犯者となり、自社の雑誌や書籍の中には、無知なユーザを欺き、食い物にしてきたものがあったということです。

 先日、社会問題化している商工ローン最大手日栄の社長をテレビ朝日がサンデーモーニングに引っぱり出して批判していましたが、雑誌「噂の真相」で指摘されていたように、日栄は批判を封じるマスコミ対策として報道番組の番組スポンサーになっていたため、お笑いなことに、そんな番組では報道番組であるにもかかわらず批判がずっとできなかったのです。世論の批判の高まりの中で焦ったテレ朝は、別のスポンサーをみつけて日栄を切り、ようやく批判ができるようになって田原総一朗が正義面してやったわけです。テレビの腐りようがよくわかる事例のひとつです。いまごろ正義面して何がジャーナリストだとも思いますが、でもまあ、スポンサーを切って批判報道ができただけ偉いともいえます。日本のパソコン雑誌は、果たしてどうするでしょうか。

追記:1999/11/10

MS対司法省。司法省全面勝利へ(その2)

ASAHIネットのjouwa/salonから。

標題: MS対司法省。司法省全面勝利へ(その2)
---
 ZDNetには続報がいっぱい出てますね。
http://www.zdnet.co.jp/news/9911/08/msdoj1.html
何も変わらないがすべてが変わる――米連邦地裁の「MS独占」事実認定
http://www.zdnet.co.jp/news/9911/08/msdoj2.html
事実認定ハイライト:Linux,Sun,Netscape,Apple,IBM……
http://www.zdnet.co.jp/news/9911/08/msdoj3.html
予想外のMS全面敗北,だがそれでも「和解はないだろう」と司法専門家
http://www.zdnet.co.jp/news/9911/08/msdoj4.html
MS訴訟,論争の舞台は法廷からマスコミへ
http://www.zdnet.co.jp/news/9911/08/msdoj5.html
Microsoft敗北の事実認定,消費者に与える影響は?
http://www.zdnet.co.jp/news/9911/08/berst.html
Microsoftが衰退したら――次に来るものと,それが与える影響は?
http://www.zdnet.co.jp/news/9911/08/reiter.html
Microsoftは生き延びる――無傷で
http://www.zdnet.co.jp/news/9911/08/threlkeld.html

 一番いいのは、特集ページでしょうかね。
http://www.zdnet.co.jp/news/special006.html
司法省 vs. Microsoft特集ページ

 PC Weekにも続報が出ていました。
http://www.zdnet.co.jp/pcweek/news/9911/08/99110802.html
判決はMicrosoftに対する「広範囲におよぶ改善策」を保証するとする各州の
検事総長
http://www.zdnet.co.jp/pcweek/news/9911/08/99110803.html
Microsoftの判決に業界の多くは驚かず
http://www.zdnet.co.jp/pcweek/news/9911/08/99110804.html
重大な誤解を反映するJackson判事の判決

追記:2001/03/04

MSがBristolに和解金

 ASAHIネットのjouwa/salonから。ここに追記するのは2001/03/04ですが、jouwa/salonに書いたのは2001/02/23です。

標題: MSがBristolに和解金
---
 UNIXにNT互換環境を提供してきたBristolが、MSを独禁法違反などで訴えて
いた訴訟で、MSが和解金を支払って突然終了させました。詳しくは、
http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010222-3.html
マイクロソフトがブリストルに和解金
http://www.zdnet.co.jp/news/0102/22/b_0221_01.html
Microsoft,Bristolとの独禁法訴訟で和解
をどうぞ。
 嫌がらせのようなやり方だったから、Bristolの勝ちということでしょうね。
 MSは他にも訴訟抱えまくりですから、少しは整理しないとね。まあ、少々整
理しても次から次へと訴訟されてますから、焼け石に水でしょうけれどね。

MS控訴審

 ASAHIネットのjouwa/salonから。ここに追記するのは2001/03/04ですが、jouwa/salonに書いたのは2001/02/28です。

 文中の、共和党になってMSに有利な風がうんぬんは、共和党は民主党より大企業よりといわれているので、共和党政権ができればMSに有利だといわれていたことを指します。

標題: MS控訴審
---
 MSの控訴審ですが、予想通り共和党ブッシュ政権になって、MSに有利な風が
吹き始めたようです。詳しくは、
http://www.zdnet.co.jp/news/0102/27/e_msdoj.html
「事実認定」も覆る? MS独禁法訴訟の控訴審
http://www.zdnet.co.jp/news/0102/27/e_cooper.html
MS訴訟,一審との違い歴然
http://www.zdnet.co.jp/news/0102/27/e_coursey.html
控訴裁の判事の皆様,Microsoft分割は見直しを
をどうぞ。

 分割してもあまり意味はないと思っているし、以前にもMS有利な判定を出し
た控訴審ですから、分割自体は覆ってもあまり驚きませんが、事実認定から根
こそぎ覆るとなると影響が大きいですね。

暗黒戦隊ビルゲイジャーの歌

 別ファイルに分けました。暗黒戦隊ビルゲイジャーの歌をご覧ください。(1998/02/01)


電脳曼陀羅事件

 だんだんと形を整えていきますが、まず、マイクロソフトが圧力をかけて、私の連載をつぶした電脳曼陀羅事件の資料をおいておきます。拙著「電脳曼陀羅」(ビレッジセンター)については、こちらをご覧ください。

追記:(1997/05/23)
 おかげさまで、「電脳曼陀羅」の改訂新版が出ました。これは「電脳曼陀羅」に中村正三郎対談集として、 を追加したものです。正誤表などはサポートページにあります。出版元のページはこちらです。

 この事件は、私がWindows 3.1日本語版の出来の悪さを指摘したことに起因しています。そして、犯人はマイクロソフト社長の成毛です。さらにいえば、その暴走を許した、会長の古川をはじめとした当時の幹部社員も責任を免れません。マイクロソフトは言論弾圧を当り前のことと思っているのです。

 この事件では、同社広報部がお粗末なことも世間のもの笑いになりました。問題を引き起こした当時の女性幹部が、また広報部に舞い戻ってきています。

問題とされた2つの連載記事

ミカンせいじんのしんりゃく

 この事件をモデルにした小説、「ミカンせいじんのしんりゃく」です。

MSKKのでっち上げ体質

 電脳曼陀羅事件では圧力をかけた理由がころころ変わりました。その右往左往ぶりは、みていてこっちが笑い出したくなるような喜劇的なものでした。

 最初はマイクロソフトのイメージに誤解を招く可能性がある、といった具体性の欠けたいい加減な理由でした。MSKK(マイクロソフト日本法人)社内からの情報では、売り出しの矢先にWindows 3.1の問題点を指摘したのが、成毛社長の逆鱗に触れたとのことでした。

 実際に成毛社長と会ったときの話では、問題点の指摘は大いにけっこう、実は文中、屋台でミカンせいじんに襲われるシーンが怖かったのだという理由になりました。

 ところが新聞報道などで事件が明るみになると、また理由を変えます。社長がミカンせいじんが怖かったという理由ではないのです(恥ずかしくて全国紙に載せられないからでしょう)。

 ぼくとぼくの勤めるソフトヴィジョンが守秘契約を破って情報をもらした可能性があるという話を新聞に対して行いました。それが具体的に何かは彼らは明らかにしません(できないのですから)。MS-IMEは、エーアイソフトのWX2シリーズをMS用に作り替えたものという指摘が守秘契約違反になるという話をでっち上げようと、成毛社長はあれこれやっていたといいます(古川会長から教わった話です)。しかしMS-IMEがWX2のOEM版であることはだれの目にも明らかですし、なによりすでに複数のパソコン雑誌の記事になっていて公知の事実だったのです。

 ちなみにWindows 95のMS-IMEは「100%マイクロソフトが開発したもの」と成毛社長は雑誌で発言していましたが、到底信じられません。ユーザインターフェースはマイクロソフトが開発したかもしれません。しかし変換エンジンは、エーアイソフトのものがベースになっているとしか思えません。マイクロソフトにはあの変換エンジンを作れる日本語処理の技術力は備わっていないとみなすが過去の実績から判断しても妥当ですし、これも成毛社長お得意の営業上の大風呂敷、でっち上げだとみなすのが妥当でしょう。

 電脳曼陀羅事件のときは、MSKKの行った度重なるでっち上げ、中でもぼくとソフトヴィジョンが契約違反をしているといった広報をMSKKが会社としてやったために、MSKKと成毛社長個人を名誉毀損その他で訴える準備も始めたくらいです。これ以上、ああいうデタラメなでっち上げを会社として流すようなら、告訴も覚悟しておいてくれと仲介に立っていた古川会長に伝えました。以後、MSKKは少なくともぼくやソフトヴィジョンに対しては、静かになりました。

 何か事件を引き起こすと、MSKKはあれこれ理由を述べますが、いずれも後づけで考えた理由だとすぐばれるような稚拙なものばかりです。真相は、「瞬間湯沸かし器の成毛社長が激怒して、圧力を指示する。社内に止められるやつがいない。世間で話題になり問題が大きくなる。大慌てて理由をでっち上げる」。ほとんどがこのパターンと思って間違いありません。説得力ある理由なんか出てきた試しがありません。実に行動が子供じみています。しかも問題なのは、これがMSKKの体質であり、いまだに改まっていないことです。

 社会的な影響力が大きな会社が、これでは社会が迷惑します。MSKKは、もっと体質を改める必要があります。その後もあれこれと事件を引き起こしていることを考慮するなら、成毛社長がやめない限り体質は改まらないのかもしれません。実に残念といわざるをえません。

記録を必ずとること

 電脳曼陀羅事件でぼくが得た教訓は、記録を取ることの重要さです。いつ、どこで、だれと、何を、どう話したか、メモでもいいから記録をとっておきましょう。あとで必ず役に立ちます。裁判のときには証拠にも採用されるかもしれません。

 マイクロソフトからの電話は、録音しておきましょう。彼らは記録に残すのをいやがります。何かをやめてくれといった依頼(の形をとった圧力もしばしば)を、彼らは口頭、それも電話ですませようとしますが、書面で提出するように要求しましょう。なぜなら彼らは、ぼくらに対してちょっとしたことでも書面で依頼を提出させているんですから。ファックスでもまあいいでしょう。

 インターネットやパソコン通信を使ったり、さまざまなルートで情報を集めておきましょう。呼びかけてもいいし、自分で探してもいいです。これらの大半はクズでしょうけれど、中にはあとで非常に重要な意味をもつ情報があるかもしれません。それらの証拠能力については、裁判所が決めることなので、気にせず集めておくといいと思います。

 もうひとつの教訓は、決してマイクロソフトの圧力に妥協してはいけません。すでに述べたように、彼らは大して考えていないのですから、叩けばぼろぼろにほこりが出てきます。そんな輩の理不尽な要求を飲んでいては、彼らは思い上がり、つけ上がるだけです。


Microsoft Hate Pages

 マイクロソフトの脅迫的、強圧的なビジネス手法、独占的に儲ける割には社会貢献や社会還元をしない体質は、インターネットでは嫌われています。

 実際のイメージと広告上のイメージが違うので、ぼくは、

「インターネットでもっとも嫌われているワープロは、ワードです」

というパロディを作りました(日本のマイクロソフトは、インターネットでもっとも使われているワープロはワードだ主張する広告を出しています)。

 社会貢献や還元をしない端的な例として、Appleなど他社の技術をまねたり、技術や人を金で買い漁って類似品をでっちあげ、宣伝で売りまくって儲けるけれど、それを生み出したコンピュータサイエンスへの貢献や還元はほとんどないことを指摘することができます。マイクロソフトの欧米での嫌われ方、叩かれ方は、まさに日本の嫌われ方、叩かれ方にそっくりなのです。

 インターネットでは、いろんなことがオープンであり、いろんな人や企業がボランティアの協力も得ながら、オープンにさまざまな試みを行っています。それらの無数の試みが、インターネットをここまで豊かにしているのです。

 WWWを発明したTim Berners-Leeが、さまざまな権利を主張して金をとっていれば、ビル・ゲイツ以上の大金持ちになれたかもしれません。しかし彼が自由に使えるようにしてくれたおかげで、いまわれわれはWWWの恩恵を存分に受けることができるのです。世界中を覆い尽くそうとするシステムの基礎を発明した人とは思えないほど、一般にも知名度もありません。しかし知っている人は知っています。彼の出したアイデアや仕様、その業績を評価しています。これが、インターネットの世界なのです。

 さて、インターネットでマイクロソフトがどれほど嫌われているかが、よくわかるページたちを紹介しましょう。

 まず、そのものずばりのページを紹介します。なにしろドメイン名が microsoft.is.lame.orgですからね。ここからは実に多くのリンクがたどれます。ヨーロッパはアメリカよりもマイクロソフトを嫌う、あるいはありがたがらない傾向があります。ヨーロッパの歴史がそうさせるのでしょうか。ビル・ゲイツをヒトラー、マイクロソフトをナチスになぞらえていることもわかります。マイクロソフトと結託したアスキー/ソフトバンクをはじめ、業界の雑誌挙げてのマインドコントロールが効いている日本では考えられないことです。

補足(1996/11/22)

 以前書いたhttp://microsoft.is.lame.org:8001/~chris/HATE/は現在はなくなり、別のところに引っ越しています。これは新潟の戸田さんが教えてくださいました。今度のドメイン名もすごいです。なにしろwww.enemy.orgですから。ということで新しいURLを載せておきます。

補足(1999/08/14)

 現在、www.enemy.orgにIEでアクセスすると、ExploderというOCXを送りつけられてしまいます。これはMSが推奨するActiveXという技術が、どれほど危険でセキュリティを考えてないデタラメなものかをデモンストーレションするためのソフトです。当然、ActiveXを利用するIEも非常に危険なわけです。ページソースをみるとコメントに「To piss off M$ Internet Exploder Guys」なんて書いてあります。技術知識のない人、気の弱い人はNetscape CommunicatorなどIE以外のブラウザでアクセスしたほうが無難です。さらにいえば、一般にアンチMSサイトをアクセスしたり、メールを出すなら、MS製品は使わないほうが無難です。

■Micro$oft Hate Page

http://www.enemy.org/

 さすがすごいですよ、ここは。「Powred by HATE」とか「Microshaft Internet Exploder」とかいろんなパロディが満載です。

■Society Against Internet Explorer

http://www.wirehub.nl/~wizzie/SAIE.html

 Internet Explorerに反対するページ。上のURLからもすぐたどれます。いきなりタイトルに「How do you want to crash today?」だもんな。笑うわ、これ。ところで、これ、何のパロディかおわかりでしょうか? ヒントは、最近のMicrosoftの広告にあります。日本でも同じキャッチフレーズが使われています。

■がんばれ!! ゲイツ君

http://www.asahi-net.or.jp/~FV6N-TNSK/gates/

 技術知識とユーモアに支えられた、すごく読ませるコラム集です。読むと、Win95/NTなどのOS、IEなどのインターネット製品、Office97などのオフィス製品を、出来がいいものであるかのように思い込まされていたのが、自分だけじゃないことがわかります。これらは実はトラブルの元でありバグが多くて出来が悪いんですけど、あれだけパソコンへプリインストールして、大量の広告と雑誌記事で煽ってるんだから、普通の人はいい商品だと思い込むわけです。ともかくこのコラムは、とてもお薦めですね。

■ビル・ゲイツの秘密の日記

http://www.page.sannet.ne.jp/manatee/secretdiary/main/index.htm

 ビル・ゲイツになりきって書かれた?秘密の日記。けっこう鋭いんです。

■マイクロソフトに関するジョーク集

http://www.page.sannet.ne.jp/mnagai/msj/index.html

 日本語で読める、マイクロソフトに関するジョーク集。本なら、B.Gutman著/藤本裕之訳「ザ・ビル・ゲイツ・ジョーク・ブック」(ビレッジセンター)があります。書店にはもう置いてないかもしれないので、ビレッジセンターに直接注文のほうがいいかも。

■ビル・ゲイツの顔をぐちゃぐちゃにいじろう

http://www.tiac.net/users/axlrosen/

 ビル・ゲイツの顔を好きに変形させて遊べるページです。けっこう爆笑です。Javaが動く必要があります。


マイクロソフトの言論弾圧とやりすぎの事例

 別ファイルに分けました。マイクロソフトの言論弾圧とやりすぎの事例をご覧ください。(1998/02/01)


ホットコーナーのトップページへ