SHOH's LIVE REPORTS

Thunder (May 2,1999, Hibiya Yagai Ongakudo, Tokyo)


待ちかねの THUNDER だ。会場は9割くらいの入りだろうか。当日券も出ていたので心配だったが、最終的にはほぼ埋った感があった。入場開始と同時にマーチャンダイズ売り場には長蛇の列。今回は持ってきた数も少なかったらしく、売り切れてしまったものもいくつかあったようだ。

ダニーが晴れ男だというのは以前からの定説だったので、お天気に関してはまったく心配していなかったが、予想通りの上天気。夜になって少し涼しくなったのがかえって踊ったりジャンプしたりするのに都合がよくて、最高の野外コンサート日和だった。

ハリーが燕尾服姿で登場して "Tokyo, Tokyo" ("Newyork, Newyork" の替え歌)を歌うというライヴ・ビデオと同じ演出でショウは始まった。曲が終わるとダニー以外のメンバーが飛び出してきて燕尾服をはがすという部分も同じ。各自がそれぞれの位置につき、楽器を持ち、あとはダニーが登場して歌が始まるのを待つばかりというところでルークがすーっと中央のマイクに。どうしたのかと思っていたら、ハリーが使って位置が下がっていたマイクの位置をダニーに合うように調節しなおしたのだった。さすがバンマス(^^)。

前奏が始まり、ステージ左からダニーが走り出してきて "Welcome To The Party" が始まった。ほんとにパーティが始まるって感じで一気にテンションが上がる。あとはもうステージの勢いに押されるように突っ走った。

やっぱり野外は雰囲気が違う。特にここ何年か THUNDER を見るのはクラブ規模の会場が多かったので、ライティングなどもそれなりのことが多く、あまりステージ全体のビジュアル面には期待しないようになっていた。

が、今回はライティングも野外を想定してかなり派手でダイナミックなものになっており、それが素晴らしく効果的だった。"Empty City" で白一色のライトがあらゆる方向から交差するように当てられて、曲の雰囲気をさらに高めているように見えたときには、「これぞライヴ・ステージ!」とうなってしまった。今までに見た中で最高にかっこいい"Empty City"だったと思う。

メンバーも広いステージで動きやすいせいか、いつにもまして動きまわっていた。ルークなんてすごいスピードで端から端まで走ってたし。彼らが名前を知られるようになったのってイギリスの MONSTERS OF ROCK のオープニングアクトからで、あの大きな会場で初めて見る観客をあっという間にとりこにしてしまった彼らの実力は、やはり広い会場で思い切り発揮されるんだ、と再認識した次第。やっぱり、次のときにも、最低1回はホール公演を入れてほしいなあ。

ダニーの声もきのうの大阪では後半ちょっと高音がキツそうな個所もあったが、きょうは絶好調。どこまでも伸びていく。ルークも珍しく(^^;)ギターソロを間違えず、ここぞというところでは大いに酔わせてくれた。

そのルーク、きょうは白の透けるような素材の長袖Tシャツ(サマーセーターかも)に白のジーンズ、それに白のレスポールという絵に描いたような美しさ。考えてなのかどうか、赤いひものついたツアーパスを首から下げているのがアクセントになっていた。

ベンもクリスも白の半袖Tシャツで、野外のライティングに映えるように計算していたみたい。ダニーだけは暗い赤紫色の半袖シャツ(襟付き)に黒のスリムジーンズという地味な服装だったが、でも、これは意外に今の髪型の彼には似合っていたと思う。ただ、あの白髪はなんとかしてほしいなあ。自然でいるのはいいことだけれど、フロントマンにはもう少し身なりをかまう義務もあるのではないかと思うのだけれど・・・(^^;)。

セットリストは大阪とはかなり変わっていた。"Lazy Snday Afternoon"、"Dance To The Music"、"All I Ever Wanted" がなくなって、代わりに"With A Little Help From My Friend"、"Giving The Game Away"、"Gimme Some Lovin'"、"Stay With Me" が入った。

"Giving The Game Away" の声が変わる部分、どうするのかと思ってたら、なんとダニーが拡声器を持って登場。これで見事に再現していた。びっくり〜。アルバムでもああして録音したのだろうか?

席があってある程度自由に動けるスペースがあったため、思う存分踊ることができ、ほんとうに楽しいライヴだった。最後のほうにはダニーが「ジャンプ!」と叫んでも足も上がらないような状態だったが、それでも最終日だと思うと、もう翌日どうなってもいいからと思ってがんばってしまう。

実は野外で THUNDER を見るのは2度目で、昨年の夏にベルギーで見ているのだが、会場の規模も設備も今回のほうがよかったせいか、軍配は今回のショウにあがった。なによりも観客の反応が素晴らしかった。日本のファンってほんとに忠実だと思う。

きのうの大阪で "River Of Pain" の最初の部分、ダニーが歌わずにファンが全部歌ってしまったときには、ほんとに驚いた。あれ、前にもダニーがやらせようとしたが、そのときはさすがにイギリスのファンでも歌えなくてシーンとしちゃったのよね。でも、日本のファンはライヴビデオでそれを見てて、ちゃんと練習していたんだ。母国語でない歌詞でここまでやるって、すごいことだと思う。

THUNDER のライヴを見たあとはいつもそうだが、終わってしまった脱力感より楽しかった時を過ごせた満足感でいっぱいになって家路についた。でもきっと少したつと、また見たくてたまらなくなるんだろうなあ(^^)。

  1. New York, New York
  2. Welcome To The Party
  3. Pilot Of My Dreams
  4. River Of Pain
  5. Numb
  6. Rolling The Dice
  7. Gimme Some Lovin'
  8. I'll Be Waiting
  9. Higher Ground
  10. Does It Feel Like Love?
  11. Giving The Game Away
  12. Time To Get Tough
  13. Empty City
  14. Just Another Suicide
  15. She's So Fine
    ENCORE
  16. It's Another Day
  17. Play That Funky Music
  18. With A Little Help From My Friends (THE BEATLES)
  19. Stay With Me (FACES)
  20. Dirty Love

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