Thunder (Aug 26,1995, Bottom Line, Nagoya)
地下鉄の今池駅の階段を上がって行くと、すでにそこにはメタルTシャツを着たファンがたまって異様な雰囲気。通りすがりのおばさんが「これ、何の列ですか?」と聞いていくところはさすが名古屋と感心(意味不明)。ボトムラインは、スタンディングの1階と椅子席のある2階とがあって、全体にクラシックな雰囲気がイギリスのクラブっぽくて感じがいい。東京にはこういう風なクラブはないのが残念です。
さて、初日ということで全体を見たいと思い、2階に陣取ってビールなど飲みながら開演を待ちます。やがて場内が暗くなり、流れてきたのはAC/DC の「THUNDERSTRUCK」!
やっぱりTHUNDER のオープニングはこれでなくっちゃ!
聴衆も、曲に合わせて手拍子を打ち、「THUNDERSTRUCK!」と叫びます。曲がフェイドアウトすると、ステージにメンバーがばらばらと現われました。
ダニーは、グレーのタンクトップに赤いタータンチェックのパンツ。でも、あのぅ、これってウエストがゴムなんですけどぉ。
ルークは袖なしのジージャンを素肌の上に着て、黒に白と赤の細いストライプが入ったテラテラした生地のぴったりした細身のパンツ。
ベンは黒のジーンズの上に後ろが長い(膝くらいまである)グレーの長袖シャツ。今までのどのステージを見ても、いつもベンがいちばんお洒落な気がします。
ミッキーはツアーTシャツにブルージーンズ。今回、マーチャンダイズはけっこう豊富で、Tシャツが4種類(アルバムジャケット柄、目玉、ダニーの顔、ワンポイントのチビT)、バッジ、ペンダント、帽子、パンフとあったんですが、ミッキーが着てたのはチビTみたいだった。ただ、このちびTはほんとに小さくて、私が着てもぴっちぴち。とてもミッキーの体が入るとは思えないので、別物かもしれません。
ハリーは、黒いスエットの半パンに黒のTシャツ。髪型は微妙に違ってるかも。後ろの下のほうを固めて剃り残したような感じで、後ろ姿で笑いをとっていました。
セットリストは多分日替わりになるとは思うけど、イギリス公演とはかなり違います。
ダニーは相変わらずよく動きます。狭いクラブのステージなのが気の毒なくらいで、すぐに端っこまで行っちゃうから、動き足りなかったじゃないかなあ。
2曲目くらいからすでに顔は紅潮。汗びっしょりで、グレーのタンクトップがだんだんと黒に見えてくるのでそのすさみじさが目に見えてわかりました。
ルークはステージに向かって左側、ベンは右側で、時々位置は変わるものの、前にホールでやったときのように激しくは動いていませんでした。まあ、あの狭さでみんなが動き回ったらぶつかっちゃうものね。
そう言えば、歌いながらマイクスタンドからマイクを外したダニーが、自分の手の平の中を「あれ?」という顔で覗き込んで、次に客席にその手の中のものを見せたのですが、そこにはなにやら黒いプラスチック状のものが。
おいおい、それってマイクを留める部分じゃないの?
自分の歌が終わると、スタンドを抱えたダニーはギターソロを弾くルークの後ろをこそこそと通り過ぎ、ステージ袖に引っ込んで行きました。
今回ベンはギターソロもあったし(そこからあの曲に入っていくところがかっこよくてゾクゾク)、キーボードを弾くところでダニーに紹介されて違う曲を何小節か披露したりして、かなり目立ってました。彼のギターって、ここぞというときにフューチャーされていて、実にいい音なんですよねえ。
ルークのギターソロがなかったのはちょっと不思議。まあ、曲の中に長く弾く部分があるとはいえ、初日だったからかしら? まあ、元々ひとりで延々とソロを弾くタイプの人じゃないんですけど。そうそう、彼のハーモニカはすてきです。
ミッキーはベンの斜め後ろ、ハリーのドラム台のあたりで黙々と弾いています。前のスネイクとは正反対のタイプ。でも、いかにも誠実そうな人柄そのままの、安定したリズムで、ハリーのドラムとともにTHUNDER の音楽を裏側から支えてるといった感じ。客席から投げ込まれたフラッグが、スウェーデンの国旗を使ったものだったのがとてもうれしそうでした。
ハリーは相変わらず、とぼけてます。曲の中でタンバリンを叩くときなど、わざと横を向いて、すました顔で儀式のように叩いて見せるのが笑いを誘っていました。
なによりも一番心配だったダニーの声が絶好調で、今まで聴いた中で最高の出来だったと思いました。声って生ものだから、実際に聴くまでは心配でたまらないんですよね。あとは、またこの前みたいにステージで転んだりしないように気をつけてくれさえすれば。
個人的には1stからのあの曲をやってくれただけで、今回名古屋まで出かけた甲斐があると思いました。感激して涙出そうになっちゃった。
1.DIRTY LOVE
2.STAND UP
3.HIGHER GROUND
4.CASTLES IN THE SAND
5.GIMME SOME LOVIN'
6.UNTIL MY DYING DAY
7.'TILL THE RIVER RUNS DRY
8.BACK STREET SYMPHONY
9.MOTH TO THE FLAME
10.LOW LIFE IN HIGH PLACES
11.RIVER OF PAIN
12.BALL AND CHAIN
-ENCORE-
13.BROWN SUGAR