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スタンド席がまだ埋まらないうちにTERRORVISIONのライブが始まった。さすがにスタンド席の客は座ったままだ。でも、ノリが悪いというのでもなく、みんな盛大な拍手と歓声を送っている。LEPPS とはちょっと毛色が違うバンドだけど、好意的に受け入れられているみたい。
ドラムがカンカンカンカンと叩かれて、いきなり1曲目が始まる。曲名はわかんないからパスね。ちょっとラップっぽい歌い方の曲。オープニングアクトにしては音のバランスがいいと思った。
ヴォーカルは、歌いながらぴょんぴょん跳ねたり、足を振り上げたり、蛸のように手をくねくねと動かしたりと、一瞬たりともじっとしていない。若いだけあってほんとに元気。でも、そのせいで音程が不安定になっちゃってるのはちょっとね。バックの演奏はけっこうしっかりしてる。アルバムで聴いて上手なバンドだなとは思っていたけど、ライブでここまでできるとは正直言って思っていなかった。
客席からは曲に合わせて手拍子が上がったりして、すごく協力的。スタンディングのスペースでは若い子たちがステージと一緒になってぴょんぴょん跳ねている。あのへん、TERRORVISION目当てのファンも多いのかも。
1曲終わるとMC。新譜からの曲だと紹介して"ENTERALTEREGO"が始まった。この曲は私もお気に入りの曲なので、体が一緒に動いてしまう。客席の反応もいい。
次はわりとおとなしめの曲。2ndアルバムからって言ってたかな。こういう曲を聴くと、このヴォーカルがけっこういい声していることに気がつく。あんまり喚かないでしっとり歌ったほうが彼の声が映えると思うんだけど、まあ若いうちは無理か。
アルバムの聴きこみが足りなくて気がつかなかったが、こうして実際に聴いてみると、ここのギターってすごくユニークで魅力的なリフを作るのね。あれっと思わせるような意外な展開で、しかも面白い。最初の頃、ギター1本というのが信じられなくて、ベースがもしかしてギターを弾いてるのかしらとか、後ろにキーボードでもあるのか、なんて思ってしまったくらい複雑な音が出ている。
このバンド、派手に動くのはヴォーカルだけで、ギターもベースもあんまり動かずじっと下を見て黙々と演奏している。右側がギターは黒いパンツに白いシャツ、左側のベースは黒いシャツに黒のパンツ、どちらも細身で、(遠目には)なかなかかっこいい。ヴォーカル君は胸にプリントが入った白い半袖ぶかぶかTシャツにこれまたぶかぶかなパンツをはいている。渋谷あたりにぞろぞろいそうなタイプ。
5曲目は「最新シングル」という紹介で"BAD ACTRESS"。 この曲、売れているのか客席の反応が妙にいい。わりとノリにくいバラードだと思うんだけど、アリーナにはライターの光が目立った。曲間なしでつながった次の曲が今回のハイライトになってるようで、"TICK TACK" という部分を客席にふって歌わせる。ヴォーカルの絶叫に応えるかのように、みんながんばって「ティ〜ック! ト〜ック!」と叫ぶ叫ぶ。
若者らしく余韻も残さず次の"EASY"に。この曲、繰り返しの部分がちょっとだけ"ALL THE YOUNG DUDE"に似てる。しかし、このあたりから首が重くなってきた。ファンの人にはほんとに申し訳ないのだけれど、ちょうどこの頃、日本時間では明け方の4時頃。いちばん眠い時間帯なのよねえ。TERRORVISIONのライブが退屈だとかいうんじゃなくて、とにかくもう睡魔が襲ってきて我慢できない。なんとか目を開けていようとするんだけど、はっと気がつくと首がガクンと落ちている。人間、眠いとなったらどんなにうるさい場所でも眠れるんだってことを再確認した。
というわけで、このあと2〜3曲は2日間とも夢の中。聴き覚えのあるフレーズが流れていたような気がするので「REGULAR URBAN SURVIVORS」 からの曲をけっこうやったんだと思う。
最後は「う〜わーうわっわ、う〜わーうわっわ」というコーラスが入る軽快な曲で、にぎやかにしめた。このときのヴォーカル君の動きは特筆もので、足をすべらせるように前後に振り上げる。これだけはちょっとやそっとじゃ真似できないかも。二日酔いかなにかで調子の悪いときだと、すべって転ぶんじゃないかしら。
大歓声のうちにTERRORVISIONはあっさりと引っ込んでいった。アンコールはなし。