Supergrass (Sep 16,1997, Akasaka Blitz, Tokyo)
始まった瞬間は「おおっ!」と思った。赤坂ブリッツの2階は客席の音がすごくよく上がってくるので、盛り上がりは最高だったし、ステージの音のバランスもものすごくよくて、前に見たときの音は悪いけど勢いで突っ走るライブとは別物になっていたから。
しかし、ステージが進むにつれ、どうものりきれないものを感じるようになっていった。新譜の曲を知らないからかもしれないが、どうも何かがちがう。フロアの若い子たちも、勢いのある曲ではピョンピョンしてるが、ちょっとミドルテンポになると動きが鈍くなる。彼らが期待してきたのは1stの彼らなんじゃないかなあ。
ひさしぶりに見たギャズはすっかり男らしくなって、もう少年の面影はない。ベースの子も、この間は太った少年だったが、今回は太った青年になっていた。
ドラマーの躍動感は相変わらずいいし、ギャズのギターもいい音出してたし、助っ人のキーボード(今回もメンバーの兄弟だったんだろうか?)もほどよい入りかただったしで、文句のつけようがない内容だったのだけれど、なぜか私は途中で寝てしまった。
自分自身の体調のせいだったかもしれないが、2階席の客が最初から最後までずっと座っていたというのも、やはり何かを現しているのかもしれない。たとえ2階でもWiLDHEARTSのときは、始まるなり総立ちだったものなあ。
この手のギターポップバンドというのは難しいと思う。まだ演奏も未熟で若さだけで突っ走る時代に人気が出てしまうと、そのあと音楽的に成熟して次のステップに行こうとしても、ファンのほうが昔の音を期待してしまい、ついていけないという現実が立ちふさがるのかも。