Southern All Stars (Sep 7,1996 at Nagoya Kyujo, Aichi)
チケットを譲ってもらえたので、名古屋球場まで行ってしまったのですが、なんとアリーナ正面4列目というすごい席で、わざわざ行った甲斐がありました。
サザンのコンサートは昨年夏の横浜に続いて2回目。新譜も聴いてない不届きな聴衆だったんですが、彼らのライブは曲を知らなくても充分楽しめます。
ノリのいい曲ばかりだし、仕掛けがいろいろあってあきさせないし、桑田さんの喋りもおもしろいし。
そうそう、桑田さんはつい最近染めたという茶髪にしてましたが、これがもう全然似合ってませんでした。最初にステージに登場したときなんて、ずんぐりして、顔の大きなおばさんみたい、なんて思ってしまった。本人は「アン・ルイスみたいになるって言われて染めたのに、かまやつひろしになっちゃった」と言ってましたが。
でも、不思議なもので、ステージが進むにつれて、どんどんかっこよく見えてくるんですよねえ、これが。やっぱりミュージシャンはライブで見せて聴かせて評価される存在なんだと再認識。
彼らの曲って、どの曲もみんなどこかで聴いたことがあるような感じなんだけど、それが決してパクリとかコピーといったふうになっていないのは、インスパイアされたものをきちんとサザン風に解釈して作り直しているからですね。ソウルあり、ラテンあり、ラップあり、さらに今回はオルタナまでも登場していましたが、メンバー+ゲストミュージシャンの確実な演奏力、それと桑田さんの圧倒的な声が、素晴らしいものに仕上げていました。
ほんとに彼の声はすごいです。あれだけ激しく動きながら歌いまくって、それでいて最後の最後に聴かせるバラードを持ってくるあたり、よほど強い声帯を持っていないと無理でしょう。おまけけに、その歌で涙が出るほど感動させてくれるんだから。
間近で上がったパイロの迫力にはビビりました。BON JOVIのときにも使われていたけれど、あのときはステージの奥のほうで上げられたせいか、前のほうで見ていてもそれほど大きいとは思わなかったんですが、名古屋では爆風が髪の毛を吹き上げるような感じで、一瞬耳が遠くなったように思いました。
ステージセットは、去年の横浜に比べたらシンプルでしたが、それでも機械仕掛けのすてきな見世物がたくさんあったし、ライティングもきれいで、スタンド席から見てもすてきだっただろうなあ、という感じ。最後の挨拶のとき、桑田さんがステージの端まで走っていって、「スタンドの端っこのほうで見にくいのに、最後まで立って見ていてくれてありがとう!」って言ってたけれど、彼の頭には、会場に来ているファン全員のことがいつでもあるんでしょうね。