Pretty Maids (June 11,1999, Shibuya On Air east, Tokyo)
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PRETTY MAIDSのライヴでは(ロニーの声の調子にムラはあるものの)裏切られたことはないのだが、今回も本当に気持ちよく頭を振り、楽しむことができた。
最終日とあって、上に書いたロニーの声の調子はいまひとつだったが、それほど出ないというわけでもなく、聴かせどころはちゃんと歌ってくれたので満足。相変わらずのハマさんとのほのぼの仲良しぶりも堪能(?)できたし。
それにしてもお客さん、入ってたなあ。やはり最終日でしかも金曜だったせいか。ON AIR EAST は会場が平坦で、後ろに行っちゃうと何も見えなくなるので個人的にはすいててくれたほうが見やすくていいのだが、でも、やっぱり満員の聴衆がみんなで拳を振り上げ、大声で歌っている様子を見るのはいいものだ。ステージのみんなもうれしそうだった。
ロニーはなんと4回も着替えていた。まるで結婚式のお色直しかアイドルのコンサートのようだが、彼の場合、単に汗をかいたから着替えたというだけのことで、衣装の選択に特に洒落っけは感じられなかった(^^)。最初はそれでもステージ衣装らしく紺のサテンのブラウス、次はマーチャンとおぼしき絞り染めのTシャツ、その次は赤と白のサッカーシャツで、最後はメンバー全員おそろいでマーチャンのホッケー シャツだった。
しかし、メンバー全員がおそろいのマーチャンで登場するというステージは初めて見たかも。体のでかい連中が5人そろって赤・青・白のホッケーシャツで演奏している姿は、かなり変だった。おまけにロニーは本人いわく「デンマークの国旗の色だ」という赤と白の道化師がかぶるような帽子をかぶってるし・・・相変わらず笑わせてくれる連中ではあった。でも、このプロモの甲斐あって、終演後8000円のホッケーシャツが飛ぶように売れていた。
実は会場に入るまで知らなかったのだが、前座がついていた。バンド名を忘れてしまったのだが、MTVのVJをやっている鮎貝ケン氏がヴォーカルのバンド。CDを出したばかりみたいで、「自分たちにとって非常に意味のあるステージだ」と言っていたが、意地悪なブーイングなども受けて、新人ならではの試練を受けたようだ。でも、みんなそういうのをくぐり抜けてビッグになるんだものね。音は、インダストリアルっぽいのがあるかと思うとメロディアスなバラードもあり、ハードコアっぽくもありと、かなりとっちらかった印象を受けた。
この前座の演奏中、ふと後ろの2階(スタッフ専用のバルコニーみたいな所)を見上げたら、ロニーとハマさんが普段着(Tシャツに半パン)のきらくなスタイルで鑑賞していた。
新譜を聴いたときには「ちょっと平坦でインパクトに欠けるな。でもきっとライヴで聴いたらもっとダイナミックでかっこいいに違いない」 と思ったのだが、その通りだった。ところで、"Back Off" のコーラス部分が「ばっか!」に聞こえてしまったのは私だけだろうか(^^;)?
"Savage Heart" でロニーがスタンドマイクによりかかるように歌う姿がめちゃめちゃかっこよくて、いつもと同様ぼーっとしてしまう。髪が汗で濡れてぺちゃっとしてもあれだけ素敵に見える人はあまりいないと思う・・・あ、いけない、だんだんミーハーモードに入ってきた。
あえて不満をあげるならセットリストの流れがいまひとつという感があったことかな。彼らのライヴはいつでも怒涛のように最初から最後まで流れていって、終わって「はあ、気持ちよかった〜」って一息つくのが当然のように思っていたが、今回は途中で何度か分断されたような気がした。
それと、これはもう何度も書いていて、ひょっとして私のほうが間違っているのかも、と最近では思い始めているのだが、アンコールの "Please Don't Leave Me" にはいまだに納得できない。ライヴ中いちばん大声でオーディエンスの合唱が聴けるのが彼らのオリジナルではなくてカヴァーである、というところにファンとしては憮然とせざるをえない。バンドも今ではかなりアレンジを変えてきて、きのうはレゲエヴァージョンなどもやっていたが、そのアレンジもふざけた、というか、なげやりなものを感じて、元曲に対するリスペクトが薄れて きているんじゃないかと、その点でもやりきれないものを感じた。
どんなバンドにもああしてみんなが大合唱できる曲は必要だと思う。が、それはやはりそのバンドのオリジナルであるべきではないだろうか。私としては"Walk Away" を最初にライヴでやったときが、"Please Don't Leave Me" を引っ込めるタイミングだったと思うのだが、今ではもう遅すぎる。次にもっと素晴らしい曲を彼らが書くまで、このパターンは続くのだろう。