SHOH's LIVE REPORTS

Paul Rodgers (July 12,1996, Club Citta Kawasaki, Kanagawa)


すがの最終日。初日はまだまだ声の調子もバンドとしてのまとまりもいまいち、って感じがしてしたまったんだけど、小さなクラブでほどほどに混み合った客(意外なほど入ってた)というシチュエーションに気をよくしたのか、ポールは絶好調。さすがにステージが狭いため、あまり派手なマイクスタンドアクションはなかったけど、その分、本人が動き回っていた。

なんといっても驚いたのは、新曲がまったくなくなってしまったことと、"BAD COMPANY"をやってくれたこと。これを聴けただけでも行った甲斐があるというものよねえ。演奏時間も長くなっていて、新宿のときは確か8時半くらいには終了していたと思うのだけれど、この日は9時になっていた。

2番目のアンコールのあと、会場が明るくなったのに拍手が鳴りやまなかった。終了のアナウンスがないので「ひょっとしたら」の期待をこめて、拍手と歓声はどんどん大きくなっていく。新宿でもけっこう長く引っ張ってから客電がついて終了してしまったので、「多分だめだろうなあ」なんて私はあきらめ気味だったけど、なんと! 出てきてしまったのよねえ。

まあ曲数としては"BAD COMPANY" の分1曲増えただけで、結果としては曲順が変わっただけなんだけど、"ALL RIGHT NOW" が最後にくるのと"GOOD MORNING LITTLE SCHOOL GIRL" がくるのとではまったく雰囲気が違う。

初日ではチャーが入ったせいか、お互いの遠慮が働いて妙におとなしげにまとまってしまっていたブルーズが、この日は引っ張って引っ張ってもうたまらんぞ状態。 ギターとポールの歌と客席との掛け合いもひと晩じゅう続くんじゃないかと思うほどの加熱ぶり。途中でギターが入り損ねて笑いが入ったり、客をとまどわせうようと無理っぽいフレーズを歌ってみせたポール自身が吹いてしまったりと、まさにもうフリースタイルの醍醐味満開。ああいう部分で完璧に自分も周囲もコントロールしてしまえる、そして楽しませてくれる彼の実力というのは凄いものがある。

初日には肩すかしをくらってしまったような気分で帰った私だけれど、この夜はクラブでのスタンディングという環境とポールのエネルギーと客の熱気がぴったり一致していたせいか、何も考えずに素直に楽しむことができました。

SET LIST
1. LOUISIANA BLUES
2. LITTLE BIT OF LOVE
3. BE MY FRIEND
4. FEEL LIKE MAKIN' LOVE
5. THE STEALER
6. MUDDY WATER BLUES
7. HOOCHIE COOCHIE MAN
8. ROLLING STONE
9. I'M READY
10.WISHING WELL
11.MR.BIG
12.FIRE AND WATER
13.THE HUNTER
-ENCORE 1-
14.BAD COMPANY
-ENCORE 2-
15.CAN'T GET ENOUGH
16.ALL RIGHT NOW
-ENCORE 3-
17.STANDING AROUND CRYING
18.GOOD MORNING LITTLE SCHOOL GIRL


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