SHOH's LIVE REPORTS

Page/Plant (Feb 9,1996, Budokan, Tokyo)


くて死にそうな状態で行ったので、帰るなり爆睡してしまいました。ご報告が遅れてすみません。

しかし、そんなコンディションで行ったもので、ひょっとしたら寝てしまうかも、と危惧していたのですが、と〜んでもない!

1曲目は、6日にある人が「きょういちばん美しかった曲」と言ってた「THANK YOU」だったんですが、これがもう涙が出るほど素晴らしくて、「ああ、きょう来てよかったぁ」と思わせてくれました。

これだけではなくて、きのうは東京最終日とあってふたりとも大張り切り。特にジミーは、重いダブルネックギターをぶんぶん振り回すわ、ステージの上を跳ね回るわ、ギターソロ弾きまくるわの大活躍。汗びっしょりになりながらも、めっちゃ、調子よかったです。

きょうは、2階ではあったものの、ステージのすぐ上だったので、ギターを交換するときに、ギターテクにおどけた顔をして見せているのも目撃しました。

ロバートのきょうの衣装は、首回りと袖を切り落とした黒のTシャツ(ギターを弾いている眼鏡の白人男性がプリントされている)に黒の革パンツ。ステージの進行に従って、Tシャツがずれて肩がむきだしになってしまうのが、なんともセクシー。

そう、告白してしまいましょう。実はきのう私は、スクリーンで大写しになった姿にすらうっとりしてしまったのだ。慣れっておそろしいのね。でも、彼には、日本だったら「大年増」とでも呼ぶような凄みのある色気があるんですよねえ。

ジミーの衣装はまったく同じでした。

マイケルの髪、ほんとに驚いた。メンバー紹介のときロバートが「ジョージ・クリントンの父親」って言ってたのは、あの髪型のせいでしょうか? でも、彼のドラミングはほんとうにかっこいいです。今回のPAGE/PLANT来日公演成功の20%くらいは彼がになっていると言っても過言ではないかも。あんな細い体のどこにあのパワーがあるんでしょうね。

きのうの武道館は超満員でした。ダフ屋がすごいのは行くたびに感じていましたが、きのうは九段下の駅で素人の人たちが、通る人に向かって「チケットが余ってたら譲ってくださ〜い!」と呼びかけていました。

そのせいもあって、客のノリもものすごく、特にステージ後方にあたる北西スタンドの客は特にノリがよかったもので、ロバートはすっかり喜んでしまって、何かというと北西のほうに行っては手を振ったりしていました。で、「ウォーッ」という歓声が返ってくると満足して、今度は正面の客を煽り、「ワーッ」と言わせたあと、次は北東に来るかと思いきや、すぐ後ろのオーケストラとモロッ楽団のほうに振ったものだから、あわてた楽団メンバーが1拍遅れてあわててショボショボと叫んだのが笑えました。ロバートも笑ってしまい、「そう、やりたくないのね」なんて言っちゃって。ほんとにお茶目なやつ。

モロッコ・レバノン・エジプト楽団(そういえばきのうはロバートがこの楽団を紹介するときに口が回らなくなり、語尾をブホッブホッとか言ってごまかしていました。それで「今のはジャズさ。ブートレッグのための色づけになったね」とか言って笑ってた)のおじさんの例のバイオリン・ソロも、きょうはひときわかっこよかったです。弓で弾きながら指でもギターのように弾いてしまうあのテクはすごいですね。

バイオリンソロの間、いつもロバートもジミーもステージに残って、ドラムセットのあたりで水を飲んだりしてるんだけど、きのうはジミーがロバートのそばに寄っていっては何かしきりに話しかけていました。とっても楽しそうに。

あのふたりって、いまがまさに蜜月という感じですね。ライブもうまくいってるし、客の反応もいいしで、また一緒にやってほんとによかった、って感じなのでしょう。きのうも例の6日の1曲目のとき、ジミーがギターをかきならしながら、実にやさしい表情で歌うロバートを見守っているのが印象的でした。

きのうもロバートはブルースハープ吹いてました。あれは、ほんとに鳥肌ものでした。ハープ投げてたかどうかはわからなかったなあ。そういえば最初の頃にタンバリンをものすごく高く投げて、それを受け止めようと必死で走ったにも関わらず、結局は落としてしまうというシーンはありました。

きのうの「WHOLE LOTTA LOVE」からのメドレーに入ってたのは「I'M A KING BEE」という曲で、私は元の曲を知りませんでした。でも、歌詞がわかりやすくて、しかもそれを彼がすっかりその気状態で歌うものだから、なんとなく照れてしまった。

結局3回行ってしまいましたが、どの日もそれぞれに違う表情を持っていて、しかも素晴らしかったです。ふだんライブに行くと、完全に没入できるのは1割くらいで、それ以外はけっこうクールに見てしまうんですが、今回のPAGE/PLANTは、ひとりでいても、席が悪くても、回りの客が座っていても、そんなこと全然気にならずに没入できてしまいました。あれは一体なんなんでしょうね。熱狂というのとはまた別の、ある種恍惚(トランス)状態に入ってしまっていたような気がします。

20世紀が終わろうとしているいま、こんなに素晴らしいものが見られてほんとうに幸せでした。

SET LIST
1.THANK YOU
2.CUSTARD PIE
3.BLACK DOG
4.TANGERINE
5.( HURDY GURDY SOLO )
6.GALLOWS POLE
7.TEA FOR ONE
8.SONG REMAINS THE SAME
9.GOING TO CALIFORNIA
10.THAT'S THE WAY
11.BABE I'M GONNA LEAVE YOU
12.WHOLE LOTTA LOVE 〜 I'M A KING BEE 〜 BREAK ON THROUGH 〜 DAZED AND CONFUSED
13.FRIENDS
14.YALLAH
15.FOUR STICKS
16.KASHMIR
-ENCORE-
17.WHAT IS AND WHAT NEVER SHOULD BE
18.ROCK AND ROLL


1996 I INDEX I Pの目次へ