SHOH's LIVE REPORTS

Hothouse Flowers (Jan 15,1994 at Shibuya On Air East,Tokyo)


あ、気持ちよかったっ!

HOTHOUSEのライブはいつもそうだけど、見終わったときの爽快感がたまりません。と言っても、汗みどろになって暴れた後の、というわけではないんですけど。

なんていうのかなあ、メンバー全員がすごく楽しそうで、大好きな仲間と大好きな音楽をやってる幸せみたいなものが、見ているこちらにまでほんわりと伝わってきて、とってもいい気分になっちゃうのです。

リアムは髪をすごく短くしてしまい、ほっそりしたブルース・ウィリスみたいになってました。フィアクナも髪が短くなって、よけいに背 が高く見えます。最初にメンバーが出てきたとき、リアムだけ後から出てくるのだとばかり思ってました。で、曲が始まってもキーボードのところのローディが引っ込まず、歌まで歌い出したので、何事かとよく見たらリアムだったという。目の前に立っていたのに、全然気がつかなかった私って・・。髪の短い男性を見ても起動しなくなっちゃってるのかしら?

ステージは、向かって右からオルガンとサックスのレオ 、ベースのピーター 、ドラムのジェリー、ギターのフィアクナ、キーボードとリード ・ヴォーカルのリアムでした。最初に見た名古屋クアトロでは、オルガンとキーボードのどちらにリアムが座るかわからず、半ば賭けるような気持ちでキーボードの前に陣取ったというのに、そのリアムを識別できなかったんですから、情けないったらありゃしない。

セット・リストは以下の通りです。少しずつ変化はあるものの、アルバムからの曲の基本的な並びは同じみたいです。

1.WATER
2.SPIRIT OF THE LAND
3.MOVIES
4.ONE TONGUE
5.DON'T GO
6.THING OF BEAUTY
7.LOVE DON'T WORK THIS WAY
8.SWEET MARIE
9.I CAN SEE CLEARLY NOW
10.HARDSTONE CITY
11.BE GOOD
12.?
13.HALLELUJAH JORDAN
14.THIS IS IT
- ENCORE -
15.SEOLADH NA NGAMHNA
16.ISN'T IT AMAZING
17.BANISHED MISFORTUNE
18.STAND BESIDE ME
19.GIVE IT UP

"WATER"の、あのハーモニーがきれいなコーラスが始まったとたんに「ああ、HOTHOUSEだわぁ」という気分が一気に高まりました。2曲目は、ライブで聴くとよけいに素晴らしいです。あのリズム感は、なまじのバンドでは出せないぞ。

ここのベースはリフというかメロディをしっかり聴かせてくれるタイプで、聴いていてすごく心地好い音。だから、人数はそんなに多くないのに、音に厚みがあって複雑な調べになるのかなあ。それと、今回のライブで初めて気づいたんだけど、サックスのレオが八面六臂の大活躍なんですよぉ。←きょうは彼のまん前だったのだ!

オルガンを弾きながらコーラスをつけてた(ハイトーンのきれいな声は彼だったのだ)と思うと、サビの部分で首から下げたサックスをやおら吹き出し、終わるとまたサックスを背中のほうに押しやって、オルガンとコーラスにもどるという。しかも、それだけじゃないんです。合間にはビールを飲み、タバコを吸い、飲んでたビールをこぼし、こぼしたところを自分でタオルで拭き)、その上客席に向かって、ああでもない、こうでもないとやたらに話しかける。よく言えばマメ、悪く言うと「落ち着きのないヤツ」だった。

6曲目と7曲目の間に、リアムが片側にだけ皮を張った小太鼓みたいなものを叩いて、ドラムと掛け合いをします。で、その後、ステージ中央で体を奮わせるようなダンスを見せてくれて会場を沸かせたあと、「LOVE DON'T〜」に入っていく展開が、すごくかっこいい。

7曲目と8曲目の間には"ONE WORD REVOLUTION"とかいうレゲエ風の曲がはさまるんだけど、名古屋ではサビの部分を客に歌わせるだけだったのが、きょうはしっかり1曲になってたから、ひょっとして少しずつ完成させているのかしら?

うん、そういえば全体にアドリブが多かったです。リアムがリードして、みんながすかさずそれに合わせていくという雰囲気で、"I CAN SEE CLEARLY NOW"や"GIVE IT UP", "THIS IS IT"が始まる前にも、ゴスペル風やらラブソング風やらの付録がついていました。12曲目は、曲名はわからないけど、どこかで聴いたことがある、わりと有名な曲だと思います。アイルランドの国土を讃えた内容の歌かもしれない。

15曲目は名古屋のみ。アルバムではケルト語でしたが、英語で歌いました。で、代わりにというわけでもないでしょうが、きょうはアンコールの1曲目に、リアムがケルト語の歌を、ひとりで伴奏なしで(かなり長く)歌ってくれました。これがもう、胸にしみるような美しい調べだったです。

17曲目では、リアムがキーボードの上に乗せたディジュリドゥを吹きました。あれってけっこう肺活量がいりそうで、ほっぺをぶわんとふくらませて吹いている姿がけなげだったです。

2時間強という長いライブが、あっという間に終わってしまいました。メンバーも汗はいっぱいかいてたけど、そんなに消耗した感じもなく、にこにこと手を振って去って行きました。いいなぁ。


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