SHOH's LIVE REPORTS

Gotthard (July 30,1996, Shinjuku Riquid Room, Tokyo)


イスの国民的(?)HRバンド GOTTHARD のライブに行ってきました。最初にあやまっちゃいますが、アルバム1枚も持ってません(^^;)ゴメンナサイ。

MTVでかかってた "HUSH"、 "MOUNTAIN MAMA"、それに最近よく耳にするカヴァー曲 "MIGHTY QUEEN" くらいしか曲知らないのに、なぜか 「絶対に楽しめる!」 という確信があってチケットとってしまった。

そして、たったひとつのことを除けば完璧に楽しめるライブでした。

まず最初にメンバーが出てきてのうれしい驚き。「わあ、ツインギターなんだぁ!」 おまけにふたりともレスポールを持ってる(よね? リキッド上段最後列だったもので、いまいちよく見えなかったけど)。

遠目ではベースの大きい人とドラムスの小さい人がラブリーに見えましたが、あとで前のほうにいた人の話を聞くと、そうでもなかったそうで、むしろギターの人(この人 KATMANDU でデイヴ・キングと一緒に来たマンディ・メイヤーだってあとで聞くまで気がつかなかった)のほうが美しかったみたいです。

客入れの音楽は最初から最後までずーっと THUNDER。メンバーのお気に入り? それともこれから出る新譜のプロモーションを兼ねてる?

開演のアナウンスとともに場内が暗くなり、なぜか ZEPPELIN の "KASHMIR" が流れ始めました。どういう意味なんだろう???と思っているうちに、ステージ右寄りにピンクがかった紫色のスポットライトが当たり、そこに揺り椅子に座ってハーモニカを吹く男の姿が……。

きゃあ、これって出来過ぎの演出ではぁ。

静かなブルースハープの音が歓声の上がる会場に響き渡り、すぐに他のメンバーがステージに登場、男もやおら立ち上がるとステージ中央に走り寄り1曲目が始まりました。

曲の最後にはヴォーカルがまた揺り椅子に戻り、ハーモニカを吹いてエンディング。

大歓声を受けて 「どうもありがとう、TOKYO! もどってきたぜっ!」

このオープニングは、クサイと言えば言えるんですが、なかなか新鮮でよかったです。これで下手だったら目も当てられないけど、音が出始めた途端に 「わあ、この人たち巧いわっ」 と実感してしまうくらいだったから、効果抜群でした。

ほんとに巧いです。リキッドってたいてい音が悪くてライブ後にいまいち感が残る会場なんですが、そんな所でも音のよさがきわだってた。特にベースの音がよく聞こえたのが、2本のギターやキーボードの華やかな音の洪水の中に、太い芯を1本通したみたいで、ものすごくかっこよかった。わりとバラードっぽい曲が多くてもポップにならないのは、このへんが作用していたのかも。

そして何よりも歌がめちゃくちゃ巧い! 少ししゃがれたような声だけど高音がどこまでも出てしまうし(ギターと競ってシャウトしたところは中盤の見せ場)、それでいてドスの効いた男らしい響きもあるし、リズム感も最高だし。

曲名を知らないのでセットリストが書けないんですが、前半はわりとロックっぽい曲を続けてスピーディーに展開し、後半、いったんひっこんだあとアコースティック・セットで登場、ギターの人が1曲ブルースを弾いたあとはわりとスローな曲をアコースティックで何曲か。曲の最後に急に 「それでいいのかい?」 なんて日本語で歌ってびっくりさせたりして、意外にお茶目な部分もありました。

最初のアンコールでは "IMMIGRANT SONG"、"WOMAN FROM TOKYO" とカヴァーを続けてやってから自分たちの曲を1曲。

次のアンコールでは、きょうが日本公演のファイナルだからと客席をバックに記念撮影。「すてきな笑顔をありがとう」 の感謝の言葉とともに始まったのは "MIGHTY QUEEN"。この曲、オリジナルはけっこうとぼけた感じのでれでれソングだったけど、この人たちがやるとすごくヘヴィーになりますね。そういえばきょうやった "HUSH" は、昔MTVでかかっていたヴァージョンとも違っていて、すごく面白いアレンジになってました。

で、もうないだろうなと思っていたのに、鳴りやまない拍手に応えてまたまた登場。ヒット曲 "MOUNTAIN MAMA" をにぎやかに演奏して去っていきました。2時間強のライブ。

あの人たち、スイスでは凄い人気なんだそうで、見ながら 「これってX JAPAN が外国の小さなライブハウスで演奏してるようなものなのかしら?」 なんて馬鹿なことを考えてしまいました。でも、全然手を抜いたりせずに、全力投球してくれて、それでいて肩の力がほどよく抜けた感じの、とても気持ちのよい内容だったです。

しかし、最後にひとこと言いたい。

会場後ろのバーカウンターで、ずっとステージに背を向けて声高に喋り続けていた男2人←恥を知りなさい(-_-メ;)

面白くなくて聴きたくないなら、外に出ればいいでしょう。どうせお金払って入った客じゃないんでしょうから。お酒飲んで話したいなら、ほかにいくらでも店はあるのに、6000円も払って前売りチケット買って、ライブを聴きにきたファンの楽しみを奪うようなことをどうしてするんですか?

感動的なバラードの最中に、すぐ後ろで馬鹿笑いされて、血管が2〜3本キレそうになりました。今夜、たったひとつだけ楽しくなかったことがこれです。


1996 I INDEX I Gの目次へ I TOP PAGE