SHOH's LIVE REPORTS

Dream Theater (Oct 28,1995 at NHK Hall, Tokyo)


やあ、びっくりしたぁ。

開演時刻ほぼぴったりに始まったDREAM THEATER のステージ、メンバーがひとりずつ登場して、最後にヴォーカルのラブリエが現われたとき、「え? あれ誰?」と一瞬思ってしまった。彼らの来日を見るのはこれで3回目だけど、前回よりも確実にひと回り大きくなってました。育ち盛りだったのか、彼。

それにしても、この人たちってほんとにロックミュージシャンらしさのかけらもない。なにしろドラマーのマイクを除くメンバー全員、黒いジーンズに無地のTシャツ(ペトルーシがグレイであとはみんな黒)、ラブリエだけは白い長袖ブラウスを裾を出して着ていましたが、プリントTシャツがひとりもいないなんて、メタル系のバンドではあんまり見たことないですよね。(ちなみにマイクは上半身裸で下はMTVでお馴染みのビーバス&バットヘッドのボクサーパンツ)

で、やはりマイクを除く全員、ピアスも刺青もなし。装身具といえば、結婚指輪だけというシンプルさは、一体何? その分マイクがひとりで派手さを誇示していたのが笑えます。アンコールのとき、髪を両耳の横でピンクのゴムで縛ってたのには大笑い。髭面にあの髪型は不気味だぜ。

ラブリエは、前回の初日、雪で飛行機が遅れて、ひとりだけライブの数時間前に日本着だったというハンデでめちゃくちゃ声が出なかったのとは対象的に、実にコンディションのよいヴォーカルを聴かせてくれました。まずはひと安心。

他のメンバーの演奏については、私なんかが言うこともないでしょう。とにかく完璧。ペトルーシは、2回目の来日のときには結構間違いも多いし、見た目も小僧っ子みたいでそんなに凄いギタリストだとは思えなかったんだけど、今回は違った。貫禄がついたというと、どっしりした感じを想像してしまうけど、彼の場合はあのルックスのせいか(口の回りに髭を生やしてた)イエス・キリストみたい。

ここんとこ、聖書についての本を読んでいたせいで、どうもステージで禁欲的にギターを弾く彼がイエス、他のメンバーがイエスの弟子の聖人たち、そして客席をいっぱいに埋めたファン達が信者たち、というふうに見えて仕方なかった。

セットリストは、大阪よりは1曲多かったそう。彼らのルーツを示す様々なバンドのカヴァーも盛りだくさんに織り込んで、たっぷりの2時間30分。開演前のアナウンスでも言ってたし、ラブリエもMCでふれてたけれど、月曜日の渋谷公会堂での追加公演は、今までとまったく違う構成だそう。

私は残念ながら行けないんですが、行った方の感想を聞かせてくださいね。


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