SHOH's LIVE REPORTS

Def Leppard (June 22,1996, Sendai Sun Plaza, Miyagi)


やあ、さすが最終日。おいしかったです、仙台。

会場の仙台サンプラザは新しくてきれいなところで、2000人くらい入るらしいのですが、ステージを半円形に囲むような形に配置された客席は、後ろにいくにしたがってゆるい坂になっているので、うしろのほうの席でもステージがよーく見えます。私は右ブロックの9列目だったんですが、このくらいの場所だとちょうどステージに立つバンドと目線が同じ高さになってGOOD!

ステージと客席の間に空間がないので、最前列の客はメンバーからしょっちゅう手を叩いてもらったりして、うらやましいサービスを受けていました。

最終日とあってバンドも最高にリラックスしていたのと、客のノリがよかった(会場の作りもあって客席からの声がものすごくよく聞こえる)のとで、バンドとファンとのアットホームな交流会という雰囲気でした。

最初の3曲がMCなしでぶっ続けで演奏されたあと、ジョーが「HOW ARE YOU DOING? SENDAI!」と叫んだあとで、アカペラで歌い出し、それにすかさずヴィヴがコーラスをつけて歌う(この歌が聴いたことあるんだけど思い出せない)なんてシーンがあったり、客席から贈られた(?)黒いヘルメットをフィルがかぶって演奏してみせたりとか、ヴィヴがステージから飛び降りてギターを弾いたりとか、今までにないはしゃぎ方。

特においしかったのがアコースティックタイムで、今までは絶対に歌わなかったヴィヴが自分からプレスリー風の歌を歌い始め、それに合わせてジョーが即興で1小節歌ってしまうというオープニング。「今のはプレスリーの<仙台に帰る>(RETURN TO SENDAI)という歌だよ……うそうそ(^^;)」なんてジョーのおふざけのあと、今度はフィルが例の黒のヘルメットをジョーにかぶらせると、今度は"BORN TO BE WILD"を 歌い出した。横浜でのSTONESと違って有名な曲だから、客席からもすかさず歓声と拍手が沸き起こる。ジョーも途中でやめたくなってしまったらしく、1番全部歌ってから客席に振る。「ぼ〜ん とぅ び〜わ〜いるど」の大合唱(^_^)。 次にはフィルが横浜ではちょっとだけでやめてしまった"MISS YOU IN A HEARTBEAT" を最後まで歌ってくれた。さすがに自分で作った曲だけあって、すごく素敵。歌い終わるとジョーが「ロッド・スチュアートでした」と紹介する。ほんと、そう言われるとロッドみたいに魅力的なハスキーボイスなのよね、フィルって。「さあ、次はだれかな?」なんてジョーがサヴのほうを見る。客席から「さぶ〜」という黄色い歓声が飛んだけれど、残念ながらサヴの歌はなしで、お決まりの"TWO STEPS BEHIND"が始まってしまった。

でも、このアコースティック・タイムを聴けただけでも、わざわざ仙台まで来た甲斐があったというものです。なにしろ当日の朝医者に行って「おかしいなあ、どうしてよくならないんだろう」と医者に首をひねられ、「なんにせよ、きょうとあしたはゆっくり休んでくださいね」と言われて「はい、そうします」と答えた直後に東京駅に向かった私としては、十二分に報われた思いでした。

(おまけ)

帰りの新幹線は行きに予定していた通り20:04のに乗りました。が、予定と違ったのはこれがメンバーも乗る電車だったこと。そうです、結果的に追っかけをしてしまったのです、私たち。

グリーン車の隣の自由席車に乗りこみ、とりあえず席を確保したのですが、よく見るとこの車両の中には追っかけらしき女性たちがほとんど。みんな隣のグリーン車のドアが開かないかと凝視していて、異様な雰囲気でした。

郡山を過ぎたあとりで、なんとヴィヴがふらふらっと私たちの車両に入ってきました。どうやら、この先に電話室があるらしいんですが、もどってきた彼は急いでグリーン車に戻るでもなく、通路を歩きながら声をかけたファンときさくに話をしていました。「隣に座らない?」とか言われると、ほんとに座っていろいろお話するんです。緑色のTシャツにウッドビーズでできたネックレスをしただけで、髪をうしろでしばってました。話し方も声もすごく静かで、長髪とピアスがなかったらとてもロックミュージシャンとは思えません。私たちのほうにきたときに、友人が「すごくいいショーで楽しかったです」というと、「うん、今回はとってもカジュアルな形のショーにできたから、僕たち自身もやっててすごく楽しかったんだ」って言ってました。

このあと、同様にフィルの「お通り」もあって、なんだかもうDEF LEPPARD御用達特別お召し列車みたいな感じでした。

ジョーはちょっとだけ顔を覗かせて、ファンに写真を撮らせたりしてたけど入ってはきませんでした。おかしかったのは、このときに通路をいかつい顔をしたサラリーマンのおじさんがファンの女の子たちをかきわけて歩いていったんですが、デッキに立ってるジョーのところまで行くと、いきなり持っていた紙の手提げ袋を出してサインをもらった。車内大爆笑。

サヴも通ったけど、彼は単に電話をかけにいっただけ。それでも帰るときにはせがむ女の子たちにサインをしてあげてました。さっきのおじさんももらってた。リックは現われず。

こうして2時間強があっという間に過ぎてしまい、追っかけ列車は東京駅に着きました。本物の追っかけの方たちはすごい勢いで走っていきましたが、私たちはもう満足していたのでゆっくりホームに降りました。ふと空になったグリーン車の中を見ると、なにやらごそごそしてる客が1人。覗いてみるとサヴが荷物をまとめられなくて必死にがんばってるところでした。近くに車掌さんが立って困ったように待っているの。ようやくまとめた荷物を手にホームに降りると、ヴィヴが大きな花束を持って待っててあげてました。

ほかの人たちがみんな先に行ってしまっているため、あせる通訳さんとツアマネにせかされながらも、ファンの子が話しかけると答えてあげてしまうサヴって優しい。

階段を急いで降りたものの、先頭を行った連中がみつからず、東京駅の構内をうろうろするサヴ、ヴィヴ、リック、通訳、ツアマネの5人。あまりにも面白いので、ついついついていってしまったのですが、途中ではっと我にかえり、「私たち、何をしてるの? 家に帰らなくちゃ」と方向転換したのでした。ちょうどこのとき、携帯を持ったウドーのスタッフが走ってきてたので、きっと無事にピックアップされたことでしょう。

メンバーは今日アメリカに発ったはずです。

長くなってしまいました。これでようやくLEPPS旋風は去りました。しばらくは脱け殻になりそうですが、幸せな思い出にひたりながらボロボロになった体を修復させるつもりです。

1.GIFT OF FLESH
2.ANOTHER HIT AND RUN
3.ROCK! ROCK! TIL YOU DROP
4.FOOLIN'
5.ANIMAL
6.DELIVER ME
7.HYSTERIA
8.WORK IT OUT
9.SLANG
10.BRINGIN' ON THE HEARTBREAK
11.SWITCH 625
-ACCOUSTIC SET-
12.BORN TO BE WILD〜MISS YOU IN AN HEARTBEAT
13.TWO STEPS BEHIND
14.WHEN LOVE AND HATE COLLIDE
-
15.PHOTOGRAPH
16.ROCKET
17.ROCK OF AGES
18.ARMAGGEDON IT
19.POUR SOME SUGAR ON ME
-ENCOLE-
20.LOVE BITES
21.LET'S GET ROCKED
-ENCOLE-
22.ACTION

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