SHOH's LIVE REPORTS

Dark Tranquillity (April 10, 2001, Shibuya On Air East, Tokyo)



回の初来日公演は、私は大満足だったのだが、友人の間では「セットリストがなあ」という評価が多かった。確かにダークでのったりした曲ばかりが続いたため、オーディエンスも暴れどころを得られず、最初から最後まで棒立ちでただただステージをみつめているという雰囲気で、ファン参加型のライヴではまったくなかった。どちらかというとファンを突き放して「ついてこれる奴だけついてくればいい」という感じ。ステージ慣れしていないという面もあったのだろう。

そんなわけで、今回は一体どんなふうに・・・という期待と不安を胸に臨んだ今回の公演だった。人気絶頂の Children Of Bodom とのカップリングということで、会場はほぼ満員に近い入り。開演前から周囲のファンの気合が伝わってくるような熱気だった。

そして始まった Dark Tranquillity。1曲目からガツン!と来た。「これはもうきょうのライヴはいただきだな」とこの瞬間に予測できた。

相変わらず深く魅力的なミカエルのヴォーカル、激しく重いドラムとベースのリズムが物凄いインパクトでこちらの体にぶつかってくる。ギターの音が他と比べて少し弱めだった(というかリズム隊の音が大きすぎた?)ために、時々ギター部分がショボイ印象もあったが、とにかく最初から最後までダレることなく突っ走った1時間だった。

「なるほど、この前友人たちが言ってたのはこのことだったのか」とはっきりわかった。確かにこういうセットこそが彼らの真骨頂という気がする。オーディエンスのノリも当然よく、前のほうはかなりのカオス状態。バンドもこの反応に気をよくして、さらにヒートアップするという理想の循環状態となった。

音楽性とまったくマッチしない(彼だけ見てると Bon Jovi のステージかと思ってしまうほど)ミカエルのステージ・パフォーマンスも今回は少しまとも(^^;)になり、見る者をしっかりと彼らの世界にひきずりこんでいた。英語のMCは多少改良の余地はあるが、このへんの障害はお互いさまだしね。

Children Of Bodom はまったくの初見・初聴だったのだが、残念ながら私の好みではなかった。テクニカルなツインギターにキーボードがからみ、早くてやや軽快なリズム隊という、決して悪くない、というか、とてもいいバンドだったのだが。これは本当に個人的な好みで、私はピロピロとした速いギターと多めのキーボードが生理的に受けつけないもので・・・。

が、同じ北欧のバンドでありながらヴォーカルのMCはとても手慣れており、上手にオーディエンスをのせる才能をうかがわせたし、ファンの熱狂度も Dark Tranquillity のときより圧倒的によかった。いまが旬のバンドなんだなあ、と感じさせた。

最後の最後に両バンドのメンバーがステージにそろって Ozzy Osbourne の "Shot In The Dark" を楽しげに演奏。実になごやかに終了した。


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