SHOH's LIVE REPORTS

Cybernauts ( January 11, 2001, Club Quatro, Nagoya, Aichi )



古屋クアトロのチケットには整理番号がなく、当日早く行って並んだ者順の入場となります。開場の1時間くらい前にパルコに着き、まずは待ち時間に読むためのBURRN!を4階の書店で購入してからエレベーターに乗りました。当然ながら乗り合わせた人たちはみんな他の階で降りてしまい、8階まで行ったのは私といちばん奥に乗っていた中学生くらいの男の子(だと思っていた)だけ。着いて先にエレベーターを降りた私はクアトロのチケット売り場に向かったのですが、ふと後ろを振り向くと、中学生だと思っていたのは今回オープニングの紹介役を務めている Def Leppard のツアーマネージャー、マルヴィン氏でした。

会場の人に言われた階段に行ってみると、まだ10人くらいしか並んでいません。さすがに平日の4時に並んでいるくらいなので、若い人(学生?)ばかりです。もうちょっと年くった人たちは多分、仕事を休んで東京から来た人たち(含自分)でしょう。

たまに会場のドアがあくと、サウンドチェックの大きな音が聞こえてきます。 Def Leppard のときはあまりサウンドチェックで歌わないと読んだことのあるジョーですが、今回は目いっぱい歌っています。渋谷のタワーレコードで行われたプロモイヴェントのときに、今回のメンバーでライヴを行うのは3年ぶりなので、日本に到着してからずっと練習していると言っていましたから、そういう意味ではサウンドチェックも大事なリハーサルなのでしょう。

5時の開場時に並んでいたのは30人くらいでしょうか。私が入場したときには、まだ最前列のトレヴァー側は空いている状態。でも、今回はどうしても全体を見たかったので(横浜、渋谷は欲望に負けて最前列で見てしまったので)、フロアの後方、1段高くなったところのカウンターの椅子を選びました。見まわすと、やはり若い人はフロアに、やや年齢層の高い人たちは後方の椅子席に、という配分になっていたようです。

クアトロは、今回来日の4公演の中ではいちばん小さい会場だったのですが、それでも埋まりきらない状態で、私の隣の席の人が開演30分前くらいに暇つぶしに数えたときには80人くらいだったそうです。まあ、平日の6時開演では、ふつうの勤め人には間に合うのが難しい時間帯ではありますよね。最終的には200人くらいにはなったのでしょうか。フロアも最前と2列目くらいはぎっしりいましたが、その後ろは適当な間隔をとって人が散在している感じで、丸テーブルがいくつか置かれたままでも十分なスペースがありました。

マルヴィンの挨拶では 「きょうはちょっと人が少ないけれど、これは交通渋滞で車が動かなくなっちゃったからで、もう少ししたら増えてくるはずだから」 などと言っていましたが、日本人には奇異な言い訳です。だって車でライヴに来る人なんていないもの。これはむしろ、メンバーを納得させるための言い訳だったんじゃないかと推察しました。

そんな状態にもかかわらず、ライヴそのものはとてもよかったです。横浜、渋谷と見てきたわけですが、今まででいちばんタイトだったかもしれません。見ていた位置がよかったのかもしれませんが、ジョーの声もかなりよく出てました。強気の彼のことですから、客が少ないのを見て 「くそ、負けるものか」 とでも思ったのかもしれません。気合の入り方が違っていたような。

セットリストは東京と一緒。ただし、2度目のアンコールで出てきたときに、ジョーがギターを弾いて1フレーズ歌い 「I'm kidding」 と言ってやめたんですが、これが何の曲だったかわかりません。よく知っているメロディだったんですが、まさか Def Leppard の曲ではないと思います。で、そのときにフロアにいた BOWIE ファンとおぼしき男性が "Lady Stardust!" と叫びました。ジョーはうれしそうに笑って 「え〜? ウッディが20年以上も前にやってた曲だぜ」 とかなんとか言いつつも全員で最初の部分を演奏しました。そのまま最後までいくかと思ったのですが、さすがに出来なかったのか、歌に入る前に終わってしました。そのあとも 「他にリクエストは?」 とは聞いたのですが、結局は "All The Young Dudes" で終了。やはりこの手のプロジェクトですと簡単に曲は増やせませんね。

上記のリクエストや、曲が始まったときの反応を見る限りでは、名古屋がいちばん David Bowie ファンが多かったような気がします。そのせいもあり、また会場が狭くてアットホームな雰囲気だったせいか、ジョーを筆頭にメンバーはとてもリラックスしていて楽しそうでした。横浜、渋谷では「暑いねえ、汗びっしょりだ」と言いながらも最後まで長袖シャツを脱が(げ?)なかったジョーが、この夜はアンコールのときにタンクトップ姿で登場しました。鍛えに鍛えた上半身を見せているフィルの横に立つのは大胆だとも思いましたが、幸い私は遠目だったので左腕の刺青が3つになっているのに気づいた程度ですみました。

隣の席に座った男性 Bowie ファンで、たまたま昨年末にCD店で Cybernauts のアルバムをみつけて購入。そのときにライヴがあることを知ったのだそうです。Def Leppard は名前しか知らないと言っていました。今回、観客がかなり少なかったのは、Def Leppard の5人のうち2人しか参加しておらず、Def Leppard の曲もやらない、というせいもあったでしょうが、もともとがトリビュート・バンドなわけですから、本来だったら Def Leppard ファンではなくて Bowie ファンにアピールすべきだったんじゃないかと思います。それが十分にされていなかった結果が、この集客の貧しさだったんじゃないかと、バンドのためにも見そこなってしまったファンのためにも、とても残念に思います。

話がそれてしまいましたが(^^;)、その Bowie ファンがどんな反応を示すか、内心どきどきしていました。私自身も、好きなバンドのトリビュート・アルバムが出たときなど、その内容があまりよくないととても不愉快になりますので、Def Leppard ファンから見ればよいライヴでも Bowie ファンからはどうとられるか、とても心配だったのです。でも、いざライヴが始まってみたら、その方はとても楽しそうに見ていましたし、フィルのギターは身を乗り出して聴いていたので安心しました。たまにジョーが音をはずしたときなどはちょっと首をかしげていましたが(^^;)。

  1. Watch That Man
  2. Hang On To Yourself
  3. Changes
  4. The Superman
  5. Five Years
  6. Cracked Actor
  7. Moonage Daydream
  8. Lady Grinning Soul
  9. The Jean Genie
  10. Life On Mars
  11. The Man Who Sold The World
  12. Starman
  13. The Width Of A Circle (Include Ds solo)
  14. Ziggy Stardust
  15. Panic In Detroit
  16. White Light White Heat
    - ENCORE 1 -
  17. Rock 'N' Roll Suicide
  18. Suffragette City
    - ENCORE 2 -
  19. All The Young Dudes

2001 I INDEX I Cの目次へ