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追加公演だった横浜アリーナでの2日間は、彼らにとっては異例の小さなハコということで、ふだんの公演とはちょっと毛色の変わった内容だった。特に28日は、日本でのみ発売のベスト・アルバム「Tokyo Road」の発売日に重なったため、開演時間が大幅に遅れたあげくに伊藤政則氏が登場。「きょうは彼らにとって特別な日本のファンのために特別なショウにするそうです」の前振りが。
いきなり "One Wild Night"、"Bad Medicine" と激しい曲がきて、「うわあ、なにこれ?」と思っていると次が "Livin' On A Prayer"。ここで開演前に友達と見ていた「Tokyo Road」の内容を思い出した。「そうか、あのアルバム通りにやるつもりなんだ!」
何曲か続いてからのMCでジョンもはっきりと「アルバムと同じにやるよ」と宣言。しかもその言葉は同じ曲をやるということだけでなく、ヴァージョンもアルバム通りにやるということだったらしく(まだこの時点でアルバムを聴いていないので未確認だが)、いつもよりもずっとオリジナルに忠実な演奏で進行した。MCもほとんどなし。
なにしろバンドにとってもいきなり決まったことだろうし、セットリスト通りに進めるのが精一杯というところだったのだろう。でも、その必死さというか一生懸命さがとても新鮮だった。あれだけのベテランで、しかも文句なしの人気を誇る彼らが、知らんぷりしてたっていいはずのこういう記念日を絶対に見逃さず、なにかしら特別なものにしようとする努力に感動する。
ジョンは歌詞だかセットリストだかを四六時中モニターで確認していたし、リッチーもあちこちでポロポロと間違えたりしたがそれもご愛敬。いちばん傑作だったのは "Something For The Pain"。ジョンは歌詞を間違えるわ、歌もヘロヘロだわで、リッチーが「しょうがないなあもう」という感じに苦笑しながらギターを弾いていた。終わったときに大写しになったジョンが「ぜんぜん駄目だったよ〜」というふうに照れ笑いしていたのも笑えた。これと "Hey God" はいきなり演るには無理があったなあ。ファンのほうも忘れかけてるし。
開演前には「Tokyo Road」を評して、「あえてバラードを封印って、ちょっと無理があるよねえ。こんなにアップテンポの曲ばかりじゃ聞いててあきちゃう。並びもちょっと変じゃない?」などと文句をたれていたのだが、ひょっとしてあれ、ジョンに聞こえてたのか?→ないない(^^;)!
でも、気づいた時点で「よ〜し、そうくるんなら挑戦を受けて立とうじゃないか。どこまで私を納得させられるかやってごら〜ん!」という気持ちになって、妙にエキサイトしてしまった私は単純で幸せな人間かもしれない。友人の中には最初からセッリストがわかってしまい、興ざめだったと言う人もいた。何事も一長一短あるものだ。私の場合は今回横浜リーナ2回、東京ドーム1回のチケットをとっていたので余裕で見られたが、28日1回だけの人がいたとしたら、ちょっと気の毒だったかも。いかにも BON JOVI という王道ライヴが見られなかったわけだからね。
- One Wild Night
- Bad Medicine
- Livin' On A Prayer
- You Give Love A Bad Name
- Keep The Faith
- It's My Life
- Blood On Blood
- Something For The Pain
- Born To Be My Baby
- Tokyo Road
- Hey God
- Just Older
- I'll Sleep When I'm Dead
- Runaway
- Wild In The Streets
- Next 100 Years
Encore 1
- Lay Your Hands On Me
- Wanted Dead Or Alive
- Someday I'll Be Saturday Night