Movies in Guam
(グァムで映画を見る)



日本から3時間半。金曜の夜に発って月曜の朝に帰ってくれば仕事を休まずにすむ距離にあるアメリカ。とは言うもののリゾート地という環境上、すべての映画が本土と同じに上映されるわけではありません。インディペンデント系の映画や、観客を選ぶ映画は外されてしまいます。実際、LAに行く前にグアムの映画館に「ヒストリー・オブ・バイオレンス」について問い合わせたときは、その時点での上映予定はないと言われました。それでLAまで行ってしまったわけです。

「スタンドアップ」は内容があまりリゾート向けではないにしてもシャーリーズ・セロン主演の大作だから可能性はかなり高いと思っていたのですが、10月13日に上記の映画館から10月21日に本土と同時公開されるというメールが来ました。というわけでフライト+ホテル3泊で34,800円というお手頃ツアーで行ってきました。安いツアーでは丸々使えるのは土日の2日間。あちらの映画館は平日は午前の上映がないのでがんばっても1日に3本までしか見られませんが、土日だったら4本までいけます。(そこまで見ようという人がどれほどいるか疑問ですが)

グアムいちばんの町タモンには大きなシネコンが2つあって、どちらも大きなショッピング・モールの中にあります。ホテルが集中している町の中心からは少し離れた位置にあり、初めのうちはマイクロネシア・モールにある映画館にだけ行くつもりだったのでそちらに近いキャピタルかグアム・プラザに泊まるツアーにしようと思っていました。が、泊まった人の口コミ情報を見ると、どちらもすごく評判が悪い。特にグアム・プラザはダニがいたとまで書かれていたのでびびりました。安いツアーだと他の選択肢はホリデイ・プラザかグランド・プラザで、こちらも古くてボロいと書かれていましたが、それ以上悪い評価はなかったのでこちらに。結果的には両方のモールに行くことになったので、ちょうど中心にあるこのホリデイ・プラザ(写真右上)になってよかったです。シャトルバスの乗り場もすぐそこでしたし。(下の地図の右端がマイクロネシア・モール、左端がプレミア・アウトレット、中央の小さな四角が滞在したホリデイ・プラザ・ホテル)



ホテルの前は通称ホテル通り(写真左)だそうですが、ただの閑散とした道路でさびれた温泉街のようにところどころにレストランやマッサージ屋、ショッピングセンター、射撃場などが点在しています。歩いて回れる距離ではないので車がないと動き回るのは無理。

たいていのツアーにはシャトルバスの無料パスがついてきて、1日目はそれで行けましたが、2日目は私のパスでは乗れないバスだったので2ドル払いました。2日間の滞在だったら別にパスがなくてもどうってことないですね。それに夜は9時台までしか走っていないので7時台の映画を観て帰るときにはタクシーを使うしかありません。タクシー代はチップも含めて12〜15ドル。そういえばツアーで無料携帯電話(通話料は払う)を借りたのですがほとんど使う機会がなく、唯一役立ったのはメガプレックスから帰るときにタクシーを呼ぶときだけでした。マイクロネシア・モール内のインフォメーションには夜間のセキュリティがいて、その人に頼むと呼んでくれたのですが、プレミア・アウトレットは夜9時過ぎには閉まってました。映画館の前に公衆電話があったからそれでもよかったけれど。壊れてる可能性もありますからね。

バスは窓がなく、だから冷房も効いていないのですが、走ると入ってくる自然な風が気持ちよくて気に入りました。屋根があるから強い日差しはさえぎられていますし、健康的でいいと思う。景色もガラス越しではなく肉眼で見られますし。マイクロネシア・モールに行くバスはDFSなどショッピング街を主に通るのでそれほど見るものはないのですが、プレミア・アウトレットに行くバスは観光スポットである恋人岬をきれいに眺められる場所を通ったり、いかにも南国の島らしいきれいな場所を通ります。時間があったらこれで島内をぐるっと一回りするのも楽しそう。

シネコンはどちらでもほぼ同じ映画を上映していましたが、公開されてから時間がたっているもののいくつか(「フライトプラン」「コープスブライド」など)はプレミア・アウトレット内にあるメガプレックス(左写真)でしか上映されていませんでした。会場の数に余裕があるかないかなのでしょう。

椅子はそれなりの座り心地でしたが、それ以外はたいしたことありませんでした。特にメガプレックスのほうは壁や天井が倉庫のようだった。設備はどちらもまあまあでした。ハロウィーンが近いということでモール内も映画館もそれ風の飾りつけになっていましたが、歩いている人たちがアロハに短パンなのですご〜く違和感がありました。

暑い土地の例に漏れず、映画館の中は冷房がガンガンに効いていて極寒の地です。長袖のシャツにカーディガンを着て、ナイロン製のジャケットを首までファスナーを上げて着て、ジーンズの下にはパンスト、膝にはストールをかけてもまだ寒くて、スカーフを頭からかぶっていました。観る前に買ったミネラルウォーターが観終わってもまだ冷えていてボトルの周囲に水滴がついているというのでもいかに寒いかがわかります。友人は2日目、ホテルのバスタオルを持参して背中に入れてました。

観客はほとんどが地元の人で観光客はそれほどいません。グアムに行く観光客のほとんどはマリンスポーツやショッピングが目的ですから当然ですね。結果としてどの映画もかなり空いていました。土日であれですから平日はほとんど客がいないケースも多いんじゃないかなあ。

チケット代は昼間が5ドル、夕方以降が7.5ドル。安いです。日本の半分。この値段なら気軽に「時間があるから映画でも行こうか」って気になります。ただし映画館の中で売られている食べ物や飲み物は高かったですけど(ポップコーンの小が4.25ドル)、そのへんで利益を上げないとやっていけないですもんね。

チケットを買う時には間違いがないようにその日に見る映画全部のタイトルと上映開始時間をメモ帳に列記して窓口の人に見せたのですが、「どれ?」と聞かれてしまい「全部」と答えてもまだ「このうちのどれを見るの?」と聞き直されました。「これ全部見るんです」と答えたらこちらの顔をまじまじと見て目をグルグルされてしまった。英語の表現に roll one's eyes というのがありますが、こういうのだったのか!と初めて納得できました。

結局見たのは「スタンドアップ」2回、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「ドミノ」「コープスブライド」「Doom」「エリザベスタウン」が各1回でした。「フライトプラン」はLAで3回見て、もういいやって感じ。どうせ日本に来たらまた見るわけですし。

2日間とも10時頃ホテルを出てバスで映画館まで行き、その日の分のチケットを一度に買って、あとはひたすら映画を観る、という日程。映画と映画の間に1時間以上の開きが出たときにモール内にあるフードコートで食事をとりました。どっちのモールも入ってる店は同じような感じで、中華、和食、ハンバーガー、ピザといったところ。

1日目の朝食は映画館の中で売っていたホットドッグ、昼食兼夕食はフードコート内で Vegitable & Seafood という看板を出していた店で主食(白飯・チャーハン・焼きそばのどれか)+おかず2品というのにしました。友人と別々のものを頼んでシェアしたので、結果的にはチャーハン、焼きそば、茄子の炒め物、海老チリ、イカと野菜炒め、ブロッコリーと牛肉炒めとう豪華メニューになりましたが、お味はイマイチでした。ホテルに帰ってから土産物屋で買ったココナツクッキー(ほんとにココナツだらけの味でした)を夜食に。

2日目の朝はココナツクッキー。昼はポップコーン、夜はほうれんそうとカッテージチーズのスタッフド・ピザ。これはアンテョビ味が利いてておいしかった。1ピースがものすごく大きくて、それだけでお腹いっぱい。

ところで今まで聞いた話やガイドブックでは「グアムはどこでも日本語が通じるので日本にいるみたい」ということでしたが、そんなふうには感じなかったなあ。日本語を話していたのはツアー会社の人と土産物屋やフードコートの人くらい。あとはみんな英語(とてもクセがある)でした。日本人観光客が多いと思われるホテルでも。こっちが日本語で話していけば向こうも日本語で返してくるのかしら?
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