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SHOH'S CD REVIEW LUKE MORLEY EL GRINGO RETRO |
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1. Go With The Flow 2. This World 3. Loving You (Is All I Can Do) 4. Can't Stop The Rain (Part 1+2) 5. This Letter 6. One Drop 7. Quiet Life 8. A Face In The Crowd 9. Road To Paradise (Parts 1&2) 10.Sacred Cow 11.Wasted Time 12.The First Day 13.Love Will Find A Way 14.El Gringo Retro |
| TOSHIBA EMITOCP-65673 JAPAN I Prodced by Luke Morley |
| 元 THUNDER (涙)のギタリスト兼ソングライター LUKE MORLEY のソロ・アルバムが出ました。 アートワークはなかなか素敵です。スペインの原っぱみたいなとこ ろをバックに逆光で撮ったルークの上半身の写真が使われているの ですが、全体にセピアっぽい仕上がりで、ほんとレトロな感じ。THUNDER 時代のアルバムは、最後の 「GIVING THE GAME AWAY」 を除 くとどれもこれも「どうしてこんなデザインに?」と思うようなものばかりだったんですが、ってことは、あれってダニーのセンスだったのか(^^;)? で、中身のほうですが、いい! とてもいいです。もちろん好みもありますし、これをHRの範疇に入れてしまっていいのか、という気もしますが、木枯らし吹く寒い夜でも家の中でこれを聴いていれば気持ちはすっかり南の島です(=^^=)。 1曲目からもうすご〜くリラックスしてて、聴いてるこっちも体がふにゃ〜っと溶けちゃいそうになります。こんなの聴いちゃうと、ひょっとして雷のときは歯をくいしばって演ってたのか、と思っちゃいますね。(いや実際に思いきり顔をゆがめてギター弾いてましたが) これが今の等身大のルークで、雷のライヴでは若い頃に作った曲が多かったから、どうしてもああなっていたんでしょうね。それとダニーのヴォーカルだとどうしても気負った感じになっちゃってたのかも。 なぜか5曲目の This Letter がえらく気に入ってしまいました。身勝手な男の歌だけど、妙に共感できてしまいます。まるで映画を見ているかのような気がしてきます。ただし、ルークはこの役には使えないな。彼がアロハみたいなシャツを着て髪をうしろで縛ってバーテンダーやってる姿を想像しようとすると、ものすごい違和感があります。どうしてだろう。やっぱりイギリス人にキューバン・バーは似合わないのかも。身を持ち崩したアメリカ人、たとえばジェフ・ブリッジスなんかだったらしっくりくるのだけれど。 あと、これまたの〜んびりした Road To Paradise も好きだなあ。新婚旅行で書きそうな曲ですけど。この曲もそうですが、今回、女性コーラスをうまく使っている曲が多くて、そのあたりも THUNDER とはまったく違う音楽性を強調しているように思えます。5月の来日公演には女性コーラスも連れてくるのでしょうか? でも、そんな予算はないでしょうねえ。ハリーが歌うのか(^^;)? Can't Stop The Rain は ANDY TAYLOR と作ったミニ・アルバム 「SPANISH SESSIONS」 からの曲ですが、あのときよりも今こうしてこのアルバムの中で聴くほうがずっといいですね。他の曲とのバランスがいいのかな。 天才ヴォーカリストであるダニーとずっと一緒にやってきて、今回から自分で歌うことになったルークですが、今までも THUNDER の曲でコーラスはとっていたし、たまに1フレーズだけ歌ったりもしていました。でも、そういうのから想像していたのと、このアルバムでのルークの歌い方はまったく違っていました。 もちろんコーラスでの歌い方とソロでの歌い方が違うのは当たり前ですけれど、力任せに歌っていた部分が消えて、とても微妙なニュアンスが出せるようになったんじゃないかと思います。ちょっとした溜め息みたいな声とか「いえ〜」なんてところにドキドキしてしまいます。This World でのちょっとかすれた声など DEF LEPPARD のジョー・エリオットを思い出してしまいました。 聴けば聴くほどよくなっていって、もう当分やめられない感じ。「CYBERNAUTS LIVE」 がそうで、昨年末からきのうまで毎日10回くらい聴いていたんですが、それと交替で今日からはこのアルバムを聴くことになりそうです。 ただ、欲を言えばもうちょっと短くしてもよかったかなあ。別に 「この曲が悪い」 というのはないのだけれど、「EL GRINGO RETRO」 という名前のアルバムには必要ない曲もあるように感じました。ラテンっぽい曲とソウルフルな曲だけに絞って50分くらいにしたほうがピシッと締まるし、ルークのヴォーカルはダニーと違って声そのもので聴かせる力がないから、長いと不利だと思う。 それともうひとつ、これは THUNDER ファンだったからこその思いなのかもしれませんが、いくつかの曲はかなり複雑なキモチにさせるものがあって、そういうのはボーナストラックにするか、あるいいは THUNDER 再結成(^^;) のときのためにとっておいたらいいのではないかと。 特に10曲目の Sacred Cow は曲が素晴らしいだけに 「どうして雷のときにこれを出さなかった!」 と怒りたくなりました。過去の曲と似てるけど、さらに展開が複雑になって完成度が高いと思います。ダニーに歌わせたかった・・・。 12曲目の The First Day はイントロが FREE みたいなわりには雷の曲の出来損ないみたいな気がしないでもない(^^;)。 私だったらトラック・リストは以下のようにします。お暇な方は一度こういうプログラムで聴いてみてください。さらにさらにレイド・バックした気分になれること請け合いです。(01/02/08 22:45記) |
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1.Road To Paradise 2.Go With The Flow 3.This World 4.Loving You (Is All I Can Do) 5.Can't Stop The Rain 6.This Letter 7.Waste Of Time 8.Love Will Find A Way 9.Quiet Life 10.El Gringo Retro - Bonus Track - 11.Sacred Cow |
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ルークのオフィシャル・ホームページは ここ です。