SHOH'S CD REVIEW

THUNDER

BEHIND CLOSED DOORS

1. MOTH TO THE FLAME
2. FLY ON THE WALL
3. I'LL BE WAITING
4. RIVER OF PAIN
5. FUTURE TRAIN
6. 'TIL THE RIVER RUNS DRY
7. STAND UP
8. PREACHING FROM A CHAIR
9. CASTLES IN THE SAND
10.TOO SCARED TO LIVE
11.BALL AND CHAIN
12.IT HAPPENED IN THIS TOWN
13.LOW LIFE IN HIGH PLACES(LIVE)

東芝EMITOCP-8470/1995 JAPAN I PRODUCED by MIKE FRASER and LUKE MORLEY

もう、100回くらい聴いてる!←ちょっと大げさ(^_^;)

いい! すごくいい! 最高にいい! 死ぬほどいい! ああ、もうどんなに言葉を重ねても、この感動、この衝撃は言い表すことができない。

これは彼らの最高傑作であるとともに、他のアーティストのここ最近発表されたどのアルバムと比較しても遜色のない、どころか、今年のベスト1がもう決まっちゃったんじゃないかと思わせるほどの大傑作だ。

まず、曲がすばらしい。

今までの THUNDER の曲は、ファンの私が聴いても「ああ、どこか煮えきらない・・・ううう、痒いところに手が届かない・・・」という部分がなきにしもあらずだった。なんというか、ここでこう来ればキモチよくなれるのに、その肝心のところで半音下げちゃうみたいな・・・わかるかなあ。それが、今度のアルバムの曲は、どれをとってもド真ん中にズバッズバッとぶつけてくる。それも、予想通りのありきたりの展開じゃないのに・・・というところがすごい。

というわけで、各曲の感想など。

MOTH TO THE FLAME
前作の「EMPTY CITY」の来日ライブ・ヴァージョンでも、アラビア風のギターソロがめちゃくちゃかっこよくて、涙してしまった私だが、その傾向がこの曲にも引き継がれていて、それもよりヘヴィーにアグレッシブになっているのが、ルークの自信を表わしてるのかな、なんて感じたりして・・・ダニーがいつもより低い音域を出しているのも魅力的。

FLY ON THE WALL
きもちよくハネる曲。新しいベーシスト、ミカエルのベースがだというのがよ〜くわかる。彼のおかげで、今までよりずっとファンキーになっているのだ。ブラスの入り方もGOOD! ダニーの歌い方は、今までのこの手の曲に比べると、ぐっと黒っぽい。

I'LL BE WAITING
この雰囲気は何かに似てるんだけど・・・なんだったっけかなあ・・・とにかくロマンティックで美しい。ルークのギターソロって泣くんじゃなくて詩うのよね。

RIVER OF PAIN
少女漫画の読みすぎだなんて、言わないでほしいのだが、私、この曲はルークからダニーへのラブ・ソングだったんじゃないかな、って思う。実際はどうだったのかは知らないが、ダニーがルークに裏切られたと思って傷つき、離れていったのは事実。そのせいでバンドはもう少しで分解してしまうところだったわけだけれど、そんな辛い状況で、ルークがダニーに向けて言いたかったことを(歌詞に託してというだけじゃなく、メロディそのものの訴求力で)この曲で表現したんじゃないかな・・・そして、ダニーもこの曲を聴き、自ら歌うことでルークを許したんじゃないかって・・・

FUTURE TRAIN
なんとなくスコットランド民謡みたいなメロディがなつかしさを喚起する曲。お行儀のいいコーラスが微笑ましい。そのわりにギターソロやなんやかやは、遊びが多くてやんちゃな感じ。そのへんのアンバランスさがなかなか新鮮だ。

'TIL THE RIVER RUNS DRY
これよ、これ。このギターの音から始まっちゃうと、THUNDER ファンなら誰でも「でれでれ〜っ」ってなっちゃうんのよねえ。でも、いつもとちょっと違うのはその後の展開がひと筋縄ではいかない凝り具合(と言っても複雑だったり難解だったりは決してしない)だってこと。ダニーの歌い方も、今までのソウルフル一本やりから、さらに次のステップまで登りつめたような気がする。最後のドラムスの入り方もバラードらしくなくて、すてきよ>ハリー

STAND UP
これは、シングル・カットされて先行発売されていたが、正直言ってシングルで聴いていたときはそれほどいいと思わなかった。でも、アルバムのこの場所に入っていると、もうハマりすぎるくらいハマっていて、「この曲なしでは締まらないよ、絶対」と思えてきちゃうから不思議だなあ、アルバムって。ところで、このアルバムのジャケットが007みたいなのは、この曲の雰囲気が007のテーマに感じが似てるから?

PREACHING FROM A CHAIR
これを聴いていると、ステージでのダニーの独特な体の揺らし方を思い出してしまう。それって、ルークが作る曲に、ダニーの生来もつリズム感が自然に反映されてるってことなのかも。この曲では特に、ヴォーカルとギターがハモッてるように感じるのもそのせいかもしれない。ギターがコーラスをつけているように聞こえる。

CASTLES IN THE SAND
きゃあ、こんなにきれいなギターの音で始まるバラードが今まであっただろうか(=^^=)ウットリ。

TOO SCARED TO LIVE
これはまたファンキーな(*^.^*) ! 女性コーラスも入って、ダニーのユーモラスな雰囲気のヴォーカルも楽しげだ。小さなクラブでビールのグラスを片手にこんな曲を聴けたら、もう最高に幸せなんだけど。

BALL AND CHAIN
最初のとこでちょっと笑っちゃうけど、いやいやどうして、実にかっこいい曲。コーラスがきれいに入っている。彼らのライブに行ったことがある人なら知ってることだけど、THUNDER ってすごくコーラスが決まるバンドなのだ。天才的なヴォーカリストを、バンドのみんなが大切にしている、って感じるような、そんなコーラスが入る。ライブではルークが吹く(らしい)ハーモニカが効いている。

IT HAPPENED IN THIS TOWN
また、泣かせる〜ぅ。

LOW LIFE IN HIGH PLACES(LIVE)
このボーナス・トラック、それ自体はいかにも THUNDER らしい素晴らしい出来。ただ、IT HAPPENED IN THIS TOWN と似たタイプの曲を続けて持ってくるというのは、私はあんまり好きな収録順ではなかった。どっちかというと、シングルのB面に入れてほしかったな。

(1)とにかく曲がいい
(2)ダニーのヴォーカルがさらにうまくなった
(3)ベースのミカエル・ホグランドが花丸

以上が、このアルバムの3大特長。

ブリティッシュロックが好きな、そこのあなた! 早く聴かないと、人生を無駄にしちゃうぞ!!!(95/02/07 01:15記)


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