水漏れ騒ぎ

水漏れ騒ぎドキュメント

ん!?なんだ?

上階か隣室か不明だったが,ガタンガタンと大きな物音があった。2〜3分後,非常ベルが鳴った。ベランダ側の窓を開けると白い煙りと焦げ臭いにおい。玄関を開けて外へ出ると,真上の部屋の換気口から黒っぽい煙りが流れ出ているのが見えた。

か,火事だっ!

階段で上の階へ上がり様子を見る。換気口や玄関のドアの隙間から黒い煙りがもくもくと出てくる。男性が呼び鈴を慣らすが応答が無い。玄関のドアを開けると,黒い煙りがもうもうと流れ出てくる。
消火器を持って駆けつけてくる人がいるが,とてもではないけれど中には入れない。この時中には1名いたらしく,煙りを吸って喉をやけどして入院。ガタンガタンと大きな音がしたのは,この人が火を消そうとしていた音だったことを後で知った。

逃げなければ!

隣のマンション建設現場で働いている人たちが駆けつけて来て「誰かいますか?早く逃げてくださーい!」と部屋ごとに声をかけて回っていた。 「子供はもう逃げてまーす」と答える。エアコンやTV,パソコンの電源を落とし,子供たちを1階の駐車場に避難させる。
自分はとりあえずPHSや財布など身の回りの荷物を身につけて外へ避難する。玄関のドアの鍵は閉めずにおいた。下に降りると消防隊が消火を始めるところであった。

うちはだいじょうぶかっ!

消火活動が始まると,火が燃え広がる心配はなさそうで,黒かった煙りがだんだんと白い煙りになっていった。しかし,階下の我が家は水浸しになってしまう,と不安になり,階段の踊り場で様子を見ていると,消防隊員が階下の我が家に飛び込んでいったので,あわてて後に続く。

水が漏れている〜!

玄関を入ってすぐの廊下に青いビニールシートが敷かれ,その真上の天井の照明の隙間から水がジャージャーと流れ落ちている。浴室にあった洗面器を置いてくれていた。すぐにバケツを持ってきて置く。洗面器ではすぐあふれてしまう勢いなのだ。水漏れで被害が広がるのを防ぐため,消防隊員が1名我が家に待機してくれている。
そんなこんなをしていると,奥のリビングルームにもシートを敷いてくれた。天井から水がポタポタとしたたり落ちていた。壁際から水が漏れてくることが多いので,壁際に置いてある電化製品ははずしておいた方が良いと教えられる。あわてて,電話機とTAなどをはずして別の部屋に退避。上階では和室が火元だったらしく,和室に一番多く水をまいたらしい,パソコンの置いてある自宅和室が不安。和室にもシートを敷いてもらう。押入の中の布団にもシート。

漏電はしていないか?

東京電力の係員が来てくれて漏電していないかをチェックしてくれた。漏電は無い,とのことだったが不安なので,水が流れ落ちている廊下の電球とリビングルームの照明をはずしてもらった。
市役所福祉課の人が来て,見舞金を置いていってくれた。水が漏れている中で受領書にサインと印鑑を押す。こんなときにすみません,とずいぶん恐縮されていた。管理人さんと管理会社の担当さんが訪れ,共用部分以外は管理組合で加入している保険対象外であることを教えられた。
天井と壁紙の隙間に水が溜まっているところに,穴を開け,水を流してしまう。壁紙に穴が開いてしまうが,仕方がない。このまま水を溜めている方が良くない。

見学ツアー?

危険な状態は脱したようで,近隣の方や,子供の友人たちが,だいじょうぶですか?と家に見舞いに来てくれる。なんだか興味半分で見に来ているような気もする..

実家に避難

こんな状態では家にいることはできないだろう,と,子供たちだけ車で15分くらいの距離にある実家に預けに行く。電話機をはずしてしまっているので,連絡はPHS。
戻ってきても廊下の水漏れは続いていた。近隣の人たちがバケツやボロ切れを持ってきてくれたので,最も激しく水浸しになっている廊下をボロ切れで拭きながら,茶色い水でいっぱいになったバケツを交換し続ける。
出火してから5〜6時間したら,水漏れが収まってきたので,火元と戸締まりに気を付けて実家に避難。

後始末

翌日自宅に戻ると,水漏れは止まっていた。部屋に入ると焦げ臭い。消火のためにまいた水なので焦げ臭いのだ。消防隊が敷いてくれたビニールシートを片づける。6畳くらいの大きさがあるので畳むのも大変。
切っておいた電源ブレーカを戻してみると,ちゃんと電気がついた。漏電遮断機も作動しないので大丈夫そう。念のため,東京電力に電話してチェックしてもらうように依頼する。電話機を繋ぎ直し,照明器具も元につけ直す。
消防署の人がきて,罹災証明書の申請書を置いていってくれた。消火が済んだら消防隊はとっとと帰ってしまうのかと思ったら,2〜3日の間は様子を見に来てくれることを知った。
昨日の様子を見たら,しばらくは生活できなくなると思ったが,この分なら大丈夫だ。午後,実家に子供たちを引き取りに行く。

後始末は続く

翌々日,罹災証明書の申請書を消防署に提出しに行く。消防署の中に入るのは初めてで,なんだか社会科見学に行く小学生のような気分。

一事が万事塞翁が馬

家族に怪我人は出なかったし,電化製品等(特にパソコン)家財道具には被害は無かったし,翌日からはほぼ普段通り生活できたので,まあ良しとしよう。