送電線の上下に碍子がついており、かなり頑丈に固定されています。 そんなに風が強い場所でもないのですが・・・ ちなみに下の畑は特産:葡萄畑です(葉月さんのコメントより)
普通、鉄塔が送電線を吊す、あるいは、固定する方法として、懸垂碍子や耐張碍子が使われています。懸垂碍子の例としてはこちら、耐張碍子の例としてはこちらをご覧下さい。
で、この写真です。
上から3段の腕金の、最上段と上段、上段と下段、下段とと最下段の先が碍子でつながっています。懸垂碍子なのですが、送電線は上と下の両側から位置決めされているというわけです。
送電線が、碍子でサンドイッチされているのです。
腕金の部分を拡大した写真です。
よく見ると、上側の腕金から伸びる碍子は2連、下側の腕金から伸びる碍子は1連になっています。理由はいうまでもなく、上側から吊り下げる方が力がかかるからです。つまり、下側から伸びている碍子は、思い切り引っ張っているのではなく、ほんの少しの力で添えられているような感じになっているのです(おそらく)。
人間だって同じこと。
持ち上げるのは疲れるけど、ぶら下がるほど力はいらないですよね。
ところで、どうしてこういう構造になっているのでしょう。
プレートは「甲府線」となっていますね。
山梨県甲府市が豪雪地帯かどうか、僕は資料を持っていませんが、雪国では送電線に雪が積もり、その雪が落下するときに、弾みで送電線が上下に振動することがあるそうです。イメージとしては、ギターの弦のように、爪弾くとびよーんとなるみたいな(笑)
最初の写真では、次の鉄塔までの距離がだいぶあるように見えます。ということは、こういう現象が発生すると、その振動の影響が大きくなる筈です。
送電線を碍子でぶら下げているだけだと、振動で碍子を飛び越して腕金に接触してしまうことがありそうですし、送電線同士も接触する可能性があります。そうなると、ショートして停電や機器の故障になってしまいますね。
そこで、腕金の部分で上下方向の動きを抑制しているのでしょう。少なくとも、この鉄塔の前後では振動の影響が少なくなるはずです。もっとも、鉄塔と鉄塔の間では効果が薄れてしまいますが。
(実は、鉄塔と鉄塔の間でも、送電線間の振動による動きを抑制するために、これと似たような構造を取っている場合があります)20020113
葉月さん、ありがとうございました。