労働安全衛生法

発注者から工事を請け負った受注者(元方事業者)が、工事の一部を下請業者に下請けさせ、さらにその業者が下請けさせるいわゆる『重層構造』での労働災害を防ぐため、建設工事では安全衛生管理について独特の体制を要求されます。
労働安全衛生法は、建設工事の労働災害の防止を一つの目的として1972年制定されました

このコーナでは単に労働安全衛生法を記述するのではなく、施行管理受験に対して法令を一読しただけでは理解しにくい安全衛生に対する管理体制に重点を置いて記述しました

 安全衛生に関する管理体制

労働災害の防止は、労働者を雇用する事業者の責任であるが、異なる事業者に雇用される労働者が同一の場所で作業を行う場合、受注業者(元方事業者)にはが下請業者を含めた労働災害防止の体制を整える事が要求される


 1.1社が受注し、2社に下請けさせた場合の管理体制

                   

 2.数社が共同で受注した場合の管理体制

          
  


 用語集(労働安全衛生法より)

 総括安全衛生管理者

職務 常時100人以上の労働者を使用する事業所において労働災害を防止するため、次の職務を行う
@協議組織の設置及び運営
A作業間の連絡調整
B作業場所の巡視
C安全衛生教育の指導及び援助
資格 事業の実施を統括管理するもの(事業所長、工事事務所長等)


 統括安全衛生責任者 

職務 同一場所で元請け・下請併せて50人以上の労働者が混在する事業の特定元方事業者は元請けの業務となる各事項を統括管理するとともに、安全衛生責任者へ連絡する
資格 その場所でその事業の実施を統括管理するもの


 元方安全衛生管理者

職務 統括安全衛生責任者の行う職務のうち、技術的事項の職務を担当する
資格 @大学または高等専門学校で専門課程を修了した後、3年以上建設工事現場で安全衛生の実務経験を有する者(専門課程以外の場合は5年以上)
A高等学校で専門課程を修了した後、5年以上建設工事現場において安全衛生の実務経験を有する者(専門課程以外の場合は8年以上)
B建設工事現場で安全衛生の実務経験を10年以上有する者


 安全衛生責任者

職務 @統括安全衛生責任者との連絡
A統括安全衛生責任者から連絡を受けた事項の関係者への連絡及び実施
B自らの事業所の作業計画と元方事業者の計画との調整
C自らの事業所及び関係請負人の混在作業による労働災害の危険の有無の確認
D下請の安全衛生責任者との連絡調整
資格 上記職務が可能なもの(下請業者の現場責任者等)


 店社安全衛生管理者

職務 @作業現場の巡視(毎月1回以上)
A現場の作業の種類及び作業の実施状況の把握
B現場の協議組織への参加
C現場の作業計画作成の確認
資格 @大学または高等専門学校を卒業した後、3年以上工事現場で安全衛生の実務経験を有する者
A高等学校を卒業した後、5年以上工事現場で安全衛生の実務経験を有する者
B建設工事現場で8年以上安全衛生の実務経験を有する者


 安全管理者

職務 常時50人以上の労働者を使用する事業所において、安全に関する技術的事項を管理する(常時300人以上の場合は専任とする)
資格 @大学または高等専門学校を卒業した後、3年以上工事現場で安全衛生の実務経験を有する者
A高等学校を卒業した後、5年以上工事現場で安全衛生の実務経験を有する者
B建設工事現場で8年以上安全衛生の実務経験を有する者


 衛生管理者

職務 常時50人以上の労働者を使用する事業所において、衛生に関する技術的事項を管理する(常時200人以上の場合は規模に応じて2人以上を専任とする)
資格 医師、歯科医師、国土交通大臣指定者



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