東京五輪の残したレガシーとは

  管理人オピニオン  8/10/2021


 国内のデルタ株流行が自然に収まるにはどの程度の期間がかかるのだろうか。

 これまでの第三波や第四波はどうして感染者数が減少に向かったのだろう。

 しかし第三波も第四波も、そのままほっといたら果てしなくゼロに向かったのだろうか。

 新型コロナは次々と変異株が現れて、新しい流行波を作ってゆく。
 感染力が強い株が新しい波をつくっていく。

 感染しても無症状のままで免疫ができている人も結構多いと思われるが、きちっとした行政的検査はなされてない。少数の人を対象に研究めいた調査はある。そしてちょこちょこっとした論文が書かれている。

 今回五輪という大きなイベントを、デルタ株という感染力が猛烈に強い株が世界的に流行し、東京で感染者が増え始めてきたときに、多くの国民の批判を受けながらも、日本は東京で五輪を開催した。

 開催目的はいろいろといわれたが、一見哲学的に思惟された結果と思われる言葉が並んだが、すべては嘘で、資本主義の下で力を持つ人々が仕組んだイベントであることは、大人の世界で当たり前となっている。
 ま、そういうことはどうでもいい。大人の世界では常識のことなのだから。”復興”だとか、”多様性”だとか、”平和”とか、とってつけたような言葉が並んでいた。日本の大地震からの復興はめざましいと、NHKの美人アナは語ったのだろうか。人間の多様性がやっと認められた世界が来たと、美人アナは語ったのだろうか。そして我々が求めている平和を象徴する五輪が、いま開会します、と叫んだ。
 そのとき、外に集まっている群衆の中ではデルタウイルスがうれしそうに人から人へ渡り歩いていたのだが。これがこの夜の唯一の真実だった。
 天皇の語った言葉はシンプルではあったが、自分の気持ちを誰にもわかるように伝えた、その言葉は誰もが納得したはずだ。

 現在、国内ではデルタ波が猛流行している。先は見えない。添付したグラフをみて各自想像するしかない。竜のように立ち上がってゆく感染者数の数。国内の至る所に、連休や五輪等でコロナに対する緊張感が失せた都会の人々がウイルスを運び、いま、地方では地域に居着いた強力ウイルスが水平感染で広がっている最中だ。

 国と、都道府県、各自治体が感染拡大の責任をとらばければならないが、明確な責任者がさっぱり自分の考えている対策案を国民や住民に語らなければ、国民はいつものように盆踊りを続けるだけだ。
 IOCのバッハ会長は、日本は五輪の歴史に新たなレガシーを残したと、手を振りながら早々と日本を去った。

 レガシー?…、  五輪という日常を忘れ去ることのできるイベントで、凶悪なウイルスを日本国内、いやもしかすると世界中に拡散できたという歴史に残る遺産ということなのだろうか。