ならべてみましたドルクス2種類
-ずぼら飼育の結果-



            

 

上の写真から左のものは約33mm、右の標本は約28mmです。

左側の種はお分かりだと思いますが、ヨーロッパと北アフリカの一部、及び小アジア
などに広く分布しDorcus属の模式種になっている、Dorcus parallelipipedus 
ドルクスパラレリピペドスです。
日本名ではヨーロッパオオクワガタとかコツノオオクワガタ、最近は学名から
パラレリと呼んでいる人も多いようです。大型種の多い東南アジアや日本のDorcus属と
比べてずいぶんと小型で可愛いものです。
この種が大きさを云々言われる事もあまりないとは思うのですが、見かける標本は大きく
ても25mm位のものが殆どです。また累代飼育で最大どの位の大きさにまでなるかもよく知らず、
主な図鑑等に書いてある最大サイズは30mm程度となっているようです。
とにかく今回載せた33mmがどのくらい凄い偶然?なのか、はたまた普通の事なのかは不明ですが、
今までに羽化して大きいと思っていた28mmの個体と比べると5mmの違いはかなり
のもので、その差は歴然です。
以前 coelacanth 氏が英国で採集してきたものの子孫で何代目になるか既に忘れてしまいましたが、
2齢で割り出した幼虫をいつもは入れた事のない450ccの菌糸瓶へ・・・そのままほったら
かしで気付いた時には33mmの成虫になっていたのでした。

次に右の写真ですが、この種がなんであるか即座に同定出来る人は凄い!!
大型Dorcus属の超小型個体はみんな同じ様に見えてしまい、同定が困難な場合もある
ようです。
これは数年前まで大いに話題になっていた、いわゆるオオクワガタの仲間では最大クラス
の大きさになると言われるDorcus grandis グランデスオオクワガタのラオス産雄28mmです。
この種がまだ日本に入って来ていない頃から、Didierの図鑑に載っている目立つ大きな図は
前胸背板のカタチがタイワンオオクワに似ていることや、雌として雄の横に載る個体は
どう見ても雄の小型個体(実際雄でしょう)に見える事など、知る人には何かと話題に
なっていました。
そしてラオスで再発見されるに至り、熱くなった人が続出、現地(産地)の人の生活にまで
影響を及ぼした虫である事は良く知られた話です。
今回こんな小さい個体が出たのも幼虫の割り出しをいつまでもしないずぼらな飼育をした結果
でありますが、最大級個体との大きさの差は驚愕に値します。
以前コカブトムシかと見間違う可愛いカブトムシが羽化し、並べてみると大きなコカブトより小さ
かったと面白可笑しく話す人がいました。事の真実はともかくとしてそんな話を思い出し、
大型種と小型種の逆転サイズを並べて何となく悦に入っているのであります。



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