状 態
|
聖司のホンネ(推定)
|
実際の行動
|
雫
「おじいさん、また来ていいですかー。」
じいさん
「図書館は、左に行った方がいいよー。」
|
あーいい天気だぜ。こういう日は、雫ちゃんとデートしてえな。
しかし、ここんところ雫ちゃんのことばかり考えとるな。それで頭がいっぱいになって、昨夜は眠れんかった位やし。俺としたことが。やっぱ俺も健康的な男の子かな、なんちって。
さあ、今日もバイオリンの練習に励まねば。いつか雫ちゃんに聴かせてやるのだ。
|
聖司、自転車に乗って地球屋へ向かっていた。
|
雫
「きゃー!!」
(聖司の自転車と接触しそうになって驚く。)
|
うわーっ、雫ちゃんだ!! 何でこんな所におんねん。何ちゅう偶然や。びっくり仰天した〜。
しかし、俺に気付きもせんと行っちゃったよ。あんなに急いで、どこへ行くんかいな。
|
聖司
「おじいさん、今の娘…。」
|
じいさん
「おお聖司、いい所に来た。
これを今出ていった女の子に届けておくれ。
図書館へ行くと行っていたから。」
|
でっけー弁当だなこりゃ。さしずめ、雫の親父さんへの届けもんだろう。ちゅーことは、俺のお義父さんは図書館勤めになるってか。カタそうなお義父さんは苦手だな。うまくやっていけるやろか。
おっと、こうしている場合やない。図書館へ急がんと。
げっ、ムーンめ、荷台に乗っていやがる。急ぐときに限って邪魔するとは、何ちゅうえげつない猫や。しばいちゃろか。
いやまてよ、雫ちゃんの目を引く小道具にはいいかもしれん。よっしゃムーン、そのまま乗っとれ。
|
聖司、自転車の荷台に猫を乗せて図書館へ急いだ。
|
聖司、図書館前で雫を発見。
|
お、いたいた。車にも気付かんと跳ね回って危ねえな。何かいいことあったんかいな。それにしても、昨日の学校といい、今日といい、たて続けに雫ちゃんに会えるとはツイてるぜ。このチャンスを生かさずにおこうものか。
|
聖司
「月島〜。月島雫!これお前のだろ。」
|
雫
「あーっ!」
|
雫ちゃん、今日は一段とかわいいな。水平にかぶった麦わら帽子がサイコー。夢に出てきそうだぜ。
しかし、本を忘れ、また弁当を忘れるとは、本当に忘れっぽい娘だな。俺をちゃんと覚えていてくれとるかな。
|
聖司
「忘れっぽいんだな。」
|
雫
「ありがとう。でも、どうして…。」
|
忘れんように、今日は一段とどぎつい「つれない作戦」を見舞って強烈に印象づけちゃらんとな。荷台には猫も乗っとるし、はよ気付きなはれ。
|
聖司
「さて、どうしてでしょう。」
|
雫
「その猫、きみの?」
|
予定通り小道具に乗ってきたぞ。やっぱムーンを連れてきて良かったぜ。でも、ここはわざと話題をずらすのがコツさ。
うりうり、「つれない作戦バージョン2」をくらえっ。
|
聖司
「お前の弁当、ずいぶんでかいいのな。」
|
雫
「違うっ!!」
|
よしよし、熱くなってきたぞ。
ムキになった雫ちゃんもまたかわいー。
ほれ、とどめの一発をかましちゃろう。
|
聖司
「♪コンクリートロード、どこまでも〜」
|
雫
「違うのっ、こらーっ!!」
|
ふっふっふっ、決まったぜ。
|
聖司、意気揚々と去る。
|
その後、地球屋で。
じいさん
「聖司、ありがとよ。
ところで、カントリーロードなんて懐かしい曲を練習しているね。」
|
そろそろ次の作戦を考えているんだよじいさん。「つれない作戦」もこの辺で潮時やさかい。
雫ちゃんは、地球屋に出入りしてるみたいやし、そのうちまた来るに違いない。今度雫ちゃんが地球屋に来たら、中に連れ込んでバイオリンを聴かせてやるのだ。俺の華麗な弦さばきで、雫ちゃんをメロメロにしてくれるのだ。
あとは…。うひょひょ。\(^o^)/
|
聖司
「いや、ちょっと弾きたくなっただけさ。変な思惑なんかないってば。」
|