3月に観た映画


「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」

「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」

ボブ・ディランのNY時代からニューポート・フェスでバンドスタイルへ変化
するまでを描いてます。
ティモシー・シャラメがボブ・ディランを、アルバムジャケットにも出ていた
当時の恋人をエル・ファニングを演じました。ウディ・ガスリーやピート・シ
ーガーなど伝説級の人物が登場します。曲は聞いたことがあるんですが、ジョ
ーン・バエズとかの人間関係を映画で初めて知りました。
あまりボブ・ディランやジョーン・バエズをあまり聴きこんでいなかったので、
違和感を感じませんでしたが、映画「ボヘミアンラプソティ」とかと違い出演
者が歌っていたのが、驚きでした。(多分ギターも本人が弾いているように見
えました)恐らくボブ・ディランのファンだったら厳しかったかも?ちょっと
自分のボブ・ディランのイメージとのズレが気になりましたが、若いころ世間
一般ではこのようなイメージなんだと思いました。そうそう、もしかしてと思
っていたピート・シーガーの奥さん役でガッチャマンでベルク・カッツエをや
ってた初音映莉子さんが出てました。なかなかいい感じで演技されていました。
今回オスカーは、無冠に終わりましたが、とてもよい出来だったと思います。


「ANORA アノーラ」

「ANORA アノーラ」

観る予定なかったんですが、オスカー5冠というので観に行ってみました。
観た印象は「すべりまくりのロシアン・エロコメディ」でした。
R18ということで、冒頭からエロシーン満載でした。観ていてプロ意識のある
「セックスワーカー」という言葉が浮かんでいました。ストーリーは、大昔か
らある金持ちの息子と身分違いの娘との恋愛の話ですが、この作品では「お金」
の割合が大きい感じでした。ヒロインが当初身分相応で行動していたのに、い
つのまにか感情をすり替えていくのは強烈でした。最もまともなイゴール(用
心棒的な役割の男)が迷惑そうでした。
正直言ってオスカーの作品賞ってどうかと思いました。ヒロインのマイキー・
マディソンの熱演しか残りませんでした(大汗)カンヌでもパルムドールを
受賞しているんですが、おじさんはセンスが古いんだと思います。


「ミッキー17」

「ミッキー17」

ポン・ジュノ監督の最新作。
前作「スノーピアサー」に続き、SFものでした。
ギャングに借金して命を狙われたため、4年かけて他の惑星へ移住する移民に
参加した主人公の「仕事」はバイオスキャンにより自己の複製をバイオプリン
ターで作ることができ、人体実験などにより次々に死亡しては複製されるとい
うものでした。そして17番目の複製体は「ミッキー17」と呼ばれていました。
移民先の惑星で王蟲みたいな先住の生物とのかかわりあいとか、移民団のリー
ダーと宗教的な関係の移民たちとかのお話です。
感想としては、前作「スノーピアサー」よりマシになったけど、ポン・ジュノ
にSFは向いていないと思いました。一部少々心理描写や葛藤の描写があったも
のの、メインはバイオレンス・アクションとブラックユーモアでこの人の強み
というか?良さがいまいち発揮できていないと思いました。主演のロバート・
パティンソンは熱演ながらTENETの好演がふいになった感じでした。(大汗)
ヒロインのナオミ・アッキーって以前ホイットニー・ヒューストンをやってた
女優さんでした。移民団のリーダー夫婦が極端なキャラにされてて不憫でした
が妻役のトニ・コレットは「ナイトメア・アリー」や「ヘレディタリー/継承」
の怖い系の女優さんで直ぐにキャラを含めて気が付きました。(爆)
題材的には好きなジャンルでしたが、色々ともっと仕掛けが必要だったと思い
ます。ですので「ポン・ジュノ監督の最新作」とあまり期待して観に行く事は
お薦めできません

2025年4月1日

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