根本博中将は、終戦時に中国の司令官を勤めており、ソ連の侵攻に対して自分の部下
の武装解除を自分の責任でやらずにソ連軍に応戦し、日本人4万人の命を救いました。
樺太でも同じようにソ連と戦った多くの兵士がいました。「8月17日、ソ連軍上陸す
―最果ての要衝」大野 芳著などで知ることができました。それらに比べ満州での日本
人の引き上げは、非常に厳しいものがあったようです。漫画家のちばてつやさんの本
などにも過酷な引き上げの様子が描かれていました。「竹の森遠く」ヨーコ・カワシ
マ・ワトキンズ著などにも朝鮮からの引き揚げの描写があります。本当に北朝鮮での
ソ連軍の悪行は、記録に残すべきだと思います。
戦神・根本博中将の義勇…台湾を死守した大和魂 東アジア黙示録 ...
昨年出版された「この命、義に捧ぐ~台湾を救った陸軍中将根本博」門田 隆将著は、
これまで埋もれていた歴史を明らかにした労作だと思います。上記根本博中将は、終
戦時の蒋介石の日本人に対するフェアな扱いを恩に思い、中国共産党に追い詰められ
た国民党軍を支援する為に密航までして台湾へ渡り、金門島での戦いで大いなる戦果
を上げました。現在から見ると中国と台湾との国境が金門島と中国本土との間にある
のが非常に不思議に見えますが、ここで勢いに乗った中共軍を食い止めた事はその後
の歴史に大きな影響を与えたと思います。歴史にもしは、言っても仕方がないかもし
れませんが、もしこの戦闘でアモイに国民党軍が拘ってこの戦いに敗れ、中共軍の台
湾上陸を許したとしたら、台湾もそのまま中国共産党の支配下になったかもしれませ
ん。台湾の人々は、その事をよく理解しているので、昨年根本博中将の事が明らかに
なったことが、今回の東日本大震災の異常と思える義援金の金額に影響していると個
人的には思っています。
これまで自分が受けてきた歴史教育では、知ることがなかった事実です。このように
国の命令などではなく、自分の意思で戦後海外で戦った軍人は、インドネシアの独立
戦争など少なくありません。大切なのは、どのような気持ちでこの人たちが戦ったの
か?だと思います。
2011年8月1日