<2002年1月1日>
※葛西臨海公園(6:40〜13:10)
初日の出見物を兼ねての探鳥。いつもと異なり、未明から解放された西渚を含め、公園内は見物人でかなりの混雑であった。しかし、残念ながら雲が厚くなり初日の出はかなわず、午前8時頃までにはほとんどの見物人もあきらめて帰路についたようで、普段の状態に戻った。
探鳥は午前7時半頃から開始。到着時は満潮。鳥類園と東渚を探鳥したが、全般的には鳥相に特段の変化はなかった。主なものは次のとおり。
○アメリカヒドリ 1羽(♂1羽。午前9時頃にヒドリガモの群とともに淡水池に入ったが、間もなく定位置の水路方面に飛び去った)
○ホオジロガモ 4羽(1♂3♀タイプ。淡水池に1♀、1♂2♀は旧江戸川河口の京葉線鉄橋付近で採餌していた)
○ミコアイサ 3羽(♂1羽、♀タイプ2羽。♂は午前8時過ぎに鳥類園・東渚間水路から荒川方面に飛び去るのを目撃したのみ。♀タイプは淡水池や水路で見られた。なお、別個体と思われる♂が一時的は淡水池に飛来したとの情報もあった。いずれも頻繁に移動しているようであった)
○ミサゴ 1羽(午前11時頃東渚内の棒杭で休止しているのを見ることができた)
○オオタカ 1羽(若鳥。午前8時過ぎに淡水池北側の木々に休止しているのを見ることができた。その後も淡水池北側のマツに止まったりしていたが、午前10時頃には姿を確認できなくなった)
○チュウヒ 2羽(2羽とも似たタイプの個体。かなり頻繁に東渚のアシ原付近を飛翔しているのを見ることができた。午前7時過ぎには2羽が同時に飛翔しているのを見ることができた)
○ハヤブサ 1羽(成鳥。午前11時頃に東渚周辺から飛び出し、葛西臨海水族園上空から北方向に飛び去るのを見ることができた)
○セイタカシギ 4羽(東渚周辺。干潟出現時には干潟内で採餌。オオタカ出現のせいか鳥類園には飛来しなかった)
○タシギ 2羽(淡水池)
○ズグロカモメ 1羽(成鳥冬羽。午前11時頃に東渚内の干潟で採餌行動を取っているのを見ることができた)
○アカハラ 3羽(鳥類園、ツグミとともにハマヒサカキの実を食べに来ている個体が見られた)
○シロハラ 4羽(鳥類園、ツグミとともにハマヒサカキの実を食べに来ている個体が見られた)
○ジョウビタキ 4羽(1♂3♀タイプ、鳥類園周辺)
○オオジュリン 約8羽(淡水池周辺のアシ原)
○タヒバリ 2羽(鳥類園周辺)
○ウソ 2羽(午後1時過ぎに鳥類園内で見ることができた。亜種アカウソであった。2羽揃って無事に越冬中のようで、これまで同様ハコネウツギの群落を周回しているようである)
※新浦安・市川塩浜沿岸部(13:45〜15:35)
約1ケ月ぶりに訪問して、浦安側から三番瀬を探鳥した。スズガモを中心とする約4000羽の群は護岸から50〜300mくらいのところで休息していたが、特段変わった種類は見られなかった。ホオジロガモ、ウミアイサの♂が目立った。主なものは次のとおり。
○ホオジロガモ 15羽(♂6羽、♀タイプ9羽)
○ウミアイサ 9羽(♂2羽、♀タイプ7羽)
○ジョウビタキ 1羽(♀タイプ、後背地)
○タヒバリ 1羽(後背地)
以上。
<2002年1月2日>
※船橋海浜公園(8:50〜12:00)
本年初めて三番瀬で水鳥を中心に探鳥した。到着時は潮の引き始め。シロチドリ・ハマシギを中心とする1000羽以上のシギ・チドリの越冬群の中に、いろいろな種類を確認することができた。また、カモメ類でもズグロカモメとシロカモメを確認した。カモ類には、特段珍しいものは確認できなかった。主なものは次のとおり。
○ホオジロガモ 11羽(♂4、♀タイプ7羽。船橋港寄りと市川寄り堤防周辺に見られた)
○ウミアイサ 1羽(♀タイプ)
○ミヤコドリ 56羽(到着時は貝殻島近くの堤防上にいたが、干潟がかなり広がった午前11時頃に干潟に飛来した。主に市川寄り干潟に飛来した。なお、干潟で観察できた羽数は52羽であった)
○ダイゼン 129羽(越冬個体群)
○ムナグロ 1羽(ダイゼン群と行動をともにしているようであった)
○ハジロコチドリ 1羽(成鳥冬羽。谷津干潟で確認されている個体と同一と思われる。三番瀬周辺で越冬中と思われる)
○メダイチドリ 3羽(谷津干潟で確認されている個体群と同一と思われる。三番瀬周辺で越冬中と思われる)
○ダイシャクシギ 10羽(到着時は船橋寄り堤防上にいたが、干潟が広がるとともに正面干潟に飛来した。越冬個体群の羽数としては、近年になく多いと思われる)
○コオバシギ 1羽(干潟がかなり広がった午前10時半頃にダイゼン群近くにいるのを見ることができた。数回、ダイゼンに体当たりされたりしていじめられている様子が見られた。昨年11月23日に谷津干潟でコオバシギを確認しているが恐らく同一個体で、三番瀬周辺で越冬しているものと思われる)
○ミユビシギ 112羽(到着時は船橋寄り堤防の手前側にいて、ハマシギと混群を作る形で休息していたが、干潟出現とともに干潟全体に散らばった)
○トウネン 3羽(ハマシギの群れとともに採餌していた。このうち1羽はニシトウネンの可能性が高いと思われる個体であった)
○シロカモメ 1羽(成鳥。船橋港寄り堤防上で見られた。セグロカモメよりも大きく、時折、飛翔したのでパターンを確認することができた)
○ズグロカモメ 2羽(成鳥冬羽と若鳥が各1羽。若鳥は干潟が出現し始めた午前9時50分頃に船橋寄り干潟に現れ、汀線に沿って飛びながら時折急降下して採餌するという独特の採餌行動を繰り返した。しかし20分ほど経過した午前10時10分頃に谷津干潟方向に飛び去った。成鳥は午前11時過ぎに船橋寄り干潟上空を通過して谷津干潟方面に飛び去るのを見たが、午前11時45分頃には、再度、成鳥が市川寄り干潟で採餌行動を取っているのを見ることができた。この個体も正午前には船橋港〜谷津干潟方向に飛び去ったが、同一個体が戻ったものと思われた。もし、別個体であるとすれば成鳥が2羽出現したことになる)
○タヒバリ 3羽(干潟周辺)
※葛西臨海公園(13:30〜15:20<降雨中断14:10〜14:40>)
到着時は潮の満ち始め。昨日、谷津干潟で確認され、本日我々も船橋海浜公園で確認したズグロカモメが葛西臨海公園から移動しているのかどうかを確認する目的で葛西臨海公園を訪問した。しかし、天候が急速に悪化し、午後2時過ぎから雷鳴と降雨があり、午後3時頃には突風を伴なった強風が吹いたりしたことから西渚からの東渚探鳥は行わなず、早めに切り上げた。気象条件が悪かったため充分な観察はできなかったが、ズグロカモメを確認することはできなかった。主なものは次のとおり。
○アメリカヒドリ 1羽(♂1羽。午後3時頃に鳥類園南側の旧江戸川河口近くの水路にいるのを見ることができた)
○ミコアイサ 2羽(♂1羽、♀1羽。♂は午後3時過ぎに淡水池に飛来したのを見ることができた。相変わらず、頻繁に出入りしているようであった)
○ミサゴ 1羽(定位置の東渚沖杭上で食事をしているのを見ることができた)
○チュウヒ 1羽(午後3時頃に東渚のアシ原付近を飛翔しているのを見ることができた。ちょうど同時刻にユリカモメが東渚上空で大群を形成しつつあり、ユリカモメから頻繁にモビングを受けていた)
○セイタカシギ 4羽(久しぶりに淡水池にいるのを見ることができた)
○アカハラ 2羽(鳥類園、公園西側)
○シロハラ 5羽(鳥類園、公園西側)
○ジョウビタキ 1羽(♂1羽。公園西側)
○タヒバリ 2羽(鳥類園周辺)
以上。
<2002年1月5日>
※谷津干潟(7:10〜9:50)
本年初めて谷津干潟で探鳥した。本日は小潮で、到着時は潮が満ち始めて干潟が狭まりつつあるところであった。シギ・チドリの群は約700羽と、やや少なめでダイゼンはほとんど見られなかったが、いくつかの越冬中の比較的珍しいシギ・チドリとズグロカモメを確認することができた。しかしながら潮位の上昇とオオタカの出現で、午前9時前には、ほとんどのシギ・チドリとカモメ類が三番瀬方面に飛び去ってしまった。主なものは次のとおり。
○ヨシガモ 3羽(♂2羽、♀1羽。ヒドリガモ群と行動をともにしていた)
○オオタカ 1羽(若鳥、午前8時50分頃に干潟西側に出現し、その後観察センター上空を帆翔しながら津田沼高校方向に飛び去った)
○ダイゼン 2羽(群の大部分は既に三番瀬方面に飛び去ったか、谷津干潟に入らなかったものと思われる。到着後間もなくこの2羽も見えなくなった)
○ハジロコチドリ 1羽(成鳥冬羽。谷津干潟・三番瀬周辺で越冬中と思われる個体)
○コオバシギ 1羽(冬羽、ハマシギ群中にいて採餌行動を取っていた。谷津干潟・三番瀬周辺で越冬中と思われる個体)
○ズグロカモメ 3羽(成鳥冬羽2羽と若鳥が1羽。いずれも干潟内を飛びながら時折急降下して採餌するという独特の採餌行動を繰り返していたが、午前8時半頃には干潟が狭まったことから、3羽が揃ってユリカモメ群中で休息した。しかし、間もなくオオタカが出現したため、シギ・チドリ類とともに三番瀬方面に飛び出してしまった。谷津干潟・三番瀬周辺には3羽のズグロカモメが飛来していることを確認できた)
※葛西臨海公園(10:40〜14:10<降雨11:20〜12:50>)
到着時は潮の引き始め。葛西臨海公園のズグロカモメが移動しているのかどうかを確認する目的で訪問した。しかし、2日と同様に午前11時過ぎから天候が急速に悪化し、突風を伴なった強風が吹いて雪混じりの雨となったことから、西渚からの東渚探鳥は行なわず、早めに切り上げた。気象条件は悪かったものの、干潟にズグロカモメを確認することはできなかった。主なものは次のとおり。
○アメリカヒドリ 1羽(♂1羽。午後2時頃に渚橋東側の水路で、ヒドリガモ群中にいるのを見ることができた)
○ミコアイサ 2羽(♀タイプのみ、淡水池と汐入池に各1羽)
○チュウヒ 3羽(頻繁に東渚のアシ原付近を飛翔しているのを見ることができた。午前11時頃には3羽が東渚アシ原上空を揃って飛翔した。2羽は正午前後に淡水池にも進入してきた。黒褐色味の強い個体が2羽と頭部の白い個体が1羽であった。東渚でチュウヒを同時に3羽見たのは初めて)
○セイタカシギ 4羽(淡水池)
○タシギ 3羽(汐入池)
○クイナ 1羽(汐入池、低いアシ原から飛び出して短い距離を飛翔してアシ原内に降りた)
○アカハラ 1羽(淡水池周辺)
○シロハラ 1羽(淡水池周辺)
○ジョウビタキ 2羽(鳥類園)
○オオジュリン 2羽(淡水池周辺)
○タヒバリ 2羽(汐入池周辺)
以上。
<2002年1月6日>
※葛西臨海公園(6:50〜13:30)
日の出とともに到着し、探鳥を開始した。到着時は潮の満ち始めで、東渚には干潟が広がっていた。北寄りの季節風が強かったが、西渚の観察ポイントからの東渚チェックも行った。しかし、ズグロカモメを確認することはできなかった。従って、葛西臨海公園で確認されていたズグロカモメ(成鳥については、初認11月17日、終認1月1日午前11時頃)は谷津干潟・三番瀬周辺に移動したものと思われた。
全般的な鳥相には特段の変化はなかったが、遠方ながら、海ガモ類のビロードキンクロとクロガモを確認することができた。主なものは次のとおり。
○アメリカヒドリ 1羽(♂1羽。渚橋周辺のヒドリガモ群中にはおらず、正午過ぎに、他のヒドリガモの小群とともに旧江戸川河口寄りの水路で護岸に付着した海苔を食べているのを見ることができた)
○ビロードキンクロ 4羽(若鳥と思われる小群。東西渚間水路の南端から約100m沖合の海上で見られた。近くにはクロガモの小群がいたが、スズガモの大群とは一定の距離を置いて海上に浮かび、潜水を繰り返したりしていた。飛翔や羽ばたき時に次列風切のみ白色であることは、はっきり確認できた。我々が葛西臨海公園でビロードキンクロを確認したのは初めて)
○クロガモ 4羽(♀と思われる2羽と若鳥と思われる2羽からなる小群。東西渚間水路の南端から約数十m沖合の海上で見られた)
○ホオジロガモ 1羽(♀タイプ。東西渚間水路内で潜水を繰り返していた)
○ミコアイサ 4羽(♂1羽、♀タイプ3羽。♂は正午過ぎに旧江戸川河口の舞浜寄りで♀1羽とペアでいるのを確認したが、一時的に淡水池に飛来したとの情報もあった。他の♀2羽は水路と淡水池で見られた)
○ミサゴ 1羽(昨日は確認できなかったが、本日は正午前に獲物の魚を捕らえて東渚周辺を飛翔し、東渚内の棒杭に休止した後、定位置の沖杭で食事しているのを見ることができた)
○チュウヒ 2羽(又は3羽。日の出直後の午前7時頃に東渚アシ原から2羽が飛び出し、1羽は西渚の芝生上に休止した。その後も比較的頻繁に東渚のアシ原付近を飛翔しているのを見ることができた。午前9時前には別の1羽と思われる個体が淡水池上空を通過し、荒川中流方向へ飛び去るのを見ることができた)
○トビ 1羽(正午頃、東西渚上空をゆっくりと旋回しながら通過した)
○ハヤブサ 1羽(成鳥。午前8時20分頃に東渚上空を旋回しながら上昇し、舞浜方向へ飛び去るのを見ることができた)
○セイタカシギ 4羽(又は6羽。鳥類園ならびに東渚周辺。淡水池にも入ったが、落ち着かないようであった)
○タシギ 8羽(汐入池。擬岩前の干潟で群で採餌している7羽の群を見ることができた)
○アカハラ 4羽(鳥類園周辺)
○シロハラ 5羽(鳥類園周辺。淡水池に水飲みと水浴に飛来した個体も見ることができた)
○ジョウビタキ 3羽(♀タイプのみ。鳥類園周辺)
○オオジュリン 約6羽(淡水池のアシ原)
○ウソ 2羽(♂2羽。正午過ぎに鳥類園内で見ることができた。越冬中の亜種アカウソであった。無事に越冬中のようで、これまで同様ハコネウツギの群落を周回しているようである)
○シメ 1羽(鳥類園周辺)
以上。
<2002年1月13日>