読みきり版北斗の拳ストーリー

フレッシュジャンプ4月号版

舞台は、19XX年。といっても、三国志の時代から1800年ということを考えると、
1980〜2020年の間ぐらいか。
背景を見る限りは、現在より、ちょっと前の時代と考えられる。


霞拳四郎は家(寺?)の庭で、恋人のユキの前で牛を相手に北斗神拳を披露していた。
これは、父親がユキに北斗神拳のことを知ってもらいたくて、拳四郎に披露するように言ったものであるが、
このことは他言無用というならば、別に披露しなくてもいいのでは?


しかし、ユキもユキで北斗神拳を見て
「これが北斗神拳の本当の姿なのね、びっくりしちゃった」
と言うだけで、平然としているし…。

なお、この時の拳四郎は
「俺には必要ないね、こんな拳法」
「へたに使えばたちまち殺人犯さ…」
「俺は普通に生きたいんだよ…ユキと…」
など、普通の北斗の拳を読んだ人間にはカルチャーショックに近い気持ちを感じさせるようなコメントを連発している。



そして、拳四郎はバイクでユキをマンションまで送ることに。
無事に送り届けたあと、帰ろうとする拳四郎は一人の男(剛田)にぶつかった。
ガムをクチャクチャする剛田は、「どけ!小僧〜」と言い、そのままマンションへ。

拳四郎は気にすることもなく、自宅へ帰ることに…。


マンションに入った剛田は、405号室の前に立った。この部屋は、法務大臣である佐々木の部屋である。

剛田はドアノブの手をかけ、回すとドアノブはあっさりと壊れる。
中から様子を見にドアを開けた秘書の鈴木は、いきなり殴られ壁に叩きつけられる。
驚いた佐々木も部屋から飛び出し、「なんだ君たちは!?」と剛田に声をかける。

剛田は、「あんた、ちょっとやりすぎだよ。あんたが、このまま法務大臣だと、
うちの政治家の先生の立場がなくなっちまうんだよ…」と言い、胴体から真っ二つに!!


その一方で、佐々木の部屋の隣にいたユキは、買い物を忘れたので外に出ようとしたところ、
この現場を目撃してしまう…。


同時刻、拳四郎は家に到着する。
父親に「ちょっと、送りにいったわりには、ずいぶん遅かったのう〜」とひやかされる。

そんな時、電話が鳴った。

相手はユキ。
「人殺しを見ちゃった…」
「ものスゴイ大男がなにか空手のようなもので…」
「ど、どうしよう拳ちゃん。わ、わたしこわいわ。いまひとりだから」
と完全に怯えている。
拳四郎が「今からいくから」と言った途端。
ガシャーン!と物音がし、部屋に剛田達が侵入。

そして「キャア〜〜!!」と悲鳴をあげてユキは殺された…。
電話には「クッチャクッチャ」というガムを噛む音だけが聞こえる。

こうして、拳四郎はバイク。父親は4WDでユキのマンションへ向かうことに。
現場には、ユキが血を流して倒れていた。死体となったユキを抱きかかえようとする拳四郎に、拳銃が向けられるが、
父親がそれに気づくと、拳銃は父親に向けられ肩を撃ち抜かれる。
(ところで、鑑識が来る前に死体をさわっていいんでしょうか?)

拳四郎は、拳銃を持った男に近寄る。男は、「うごくんじゃねぇ」と言うが拳四郎は近づくばかり。
拳銃を撃っても、拳四郎は避けてしまい、蹴りを男の頭に入れてKO。


ここで警察が来るが、矢崎率いる警察は拳四郎と父親を殺人現行犯で逮捕するといい、手錠をかける。

拳四郎は抵抗しようとするが、矢崎の棍棒を頭に受け昏倒。



舞台は、警視庁鬼謀署に移る。

牢獄の中で、父親はユキの傷から、剛田が使った拳法が泰山寺拳法であることに気がつく。
そして、牢獄の外には矢崎と剛田が…。

剛田は、拳四郎の顔にガムを吐き、
「フフフ、お前がおれの身代わりかい…。三人も殺しちまったからな〜
死刑はまぬがれんな、虫ケラの運命は残酷なもんよ」
と他人事のように、拳四郎を罵倒する。

拳四郎は、怒りをあらわにするも、「剛田さんにふれるんじゃねー」
と矢崎の棍棒攻撃を食らう。

さらに、矢崎は
「一人二人死んだからって、がたがた騒ぐんじゃねえ!!
てめえら大衆なんざ、掃いて捨てるほどおるんじゃい!」
と叫びながら狂ったかのように鉄格子を棍棒で打ち据え、

「調子に乗るんじゃねえぞー、
てめえらに権利なんざいらねえんだ」
と息を切らしながら話し続ける

見かねた剛田は、矢崎に署長室で一杯やろうといい、去っていく・・・。


拳四郎は、「こ、これが警察か。これが」
と悔しさを強く感じると、鉄格子をこじ開けて署長室に突入する。


まずは矢崎が棒術で攻撃してくるが、あっさりと拳を顔に受け、さらに気舎という秘孔を突かれてしまう。
「さっき、お前何か言っていたな、もう一回言ってみろよコラ」と拳四郎が言うと、
矢崎は、「た、たすけ」と言い出すので、「ざあけんな〜っ!と顔面に拳が飛ぶ。
そして、無数の拳を身体に受けさせられ、矢崎は死亡。

今度は、剛田が拳四郎に襲いかかる。ユキを殺した熊爪両断拳で攻撃してくるが、顔面を足蹴にされかわされる。
そして、繰り出した拳を手で受けると、剛田の両手を五指烈弾で破壊する。

窮地に追いやられた剛田は、モヒカンに隠していた刃物で拳四郎を倒そうとするが、あっさりかわされる.
怒りに燃える拳四郎の服は破れ、奥義北斗双龍破を胸に受け絶命。

進退窮まった署長は、「わしはあいつらに脅されてし…仕方無く」と机にしまってある銃に目をやりながら言う。
拳四郎は、
「もう仇は討ったし、あんたまで始末するのはやめようと思うんだ。
どうだい、俺はこのまま振り返らずにここを出るけど、
後ろから拳銃で撃ったりしないって誓えるかい?」
と、最初から署長が拳銃を使うことを確信した言い方で交渉する。

署長は「そ、そりゃ、君当たり前だよ。指名手配もさせないようにしようじゃないか」と返事をする。

が、最初から信用していない拳四郎は「じゃ、約束だぜ」と言って秘孔を突いてから、後ろを向く。

当然ながら、署長は拳銃を撃とうとするが、
拳四郎に「あんた、もう死んでるよ」と軽く言われてしまい。
頭から破裂して死亡。



これにて、拳四郎は「世の中には死ぬほど悪い奴らが多すぎる」
ということを確信するのであった…。

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