折り返しコメント

単行本の最大の魅力とも言うべき、カバーの折り返し部分のコメント。
4巻のコメントはかなりキてます。

第1巻

めずらしく早朝、起きて熱海の十国峠を編集長のN氏とタクシーで登りました。
頂上近くになると、富士山もきれいに見えてます。
手に隆先生の好きだった、お酒と缶ピースを持って、墓前に立つ。
今回影武者徳川家康・第二部を描くにあたって、主人公を島左近に替えたり、
原作の小説と違った趣になりそうなこと等、御報告とお許しを得ることを兼ねて、
手を合わせ祈りました。すると、雲が流れて陽がさしてきました



第2巻

この作品の脚本を書いて下さっている二橋先生は、隆先生とはかなり長い付き合いをなされたそうです。
映画のプロデューサーであり、最近では小説もお書きになるという多才な方です。
お歳も私より30歳は上なので、隆先生亡き今、作品のことも人生のことも、
何かと教えていただくことが多く感謝にたえません。
先生の手のひらの中でSAKONを勝手気ままに描けることに近頃、
喜びを感じております。



第3巻

やっと三巻目であります。月に三十ページ前後と、のろのろとかなりスローペースで描き進んでいきますので、
一年間に『SAKON』は二冊ということになります。
ほぼ、一年半で、三巻。このペースで原作に沿いながら、
プラス、漫画に向いたエピソードを挿入しつつ描いていきますと、
あと何年かかるかわかりませんが、クーラーのきいた部屋で、
季節の移り変わりを横目にジンワリと描いてゆこうと思います。



第4巻

一九九九年になり、いきなり初夢が核爆弾投下で、
最後に家族にあうこともできぬまま、一人白い光にのみこまれてしまう、というものでした。
目が醒めると息がハァーハァーあがっていました。考えてみると無理もない。
私たちは子供の頃から、この年のことはTVや本で頭に植えつけられてますから。
まぁ、自分も描いてましたしね。
そういえば、いつの頃からか祈りの習慣ができたのは、
自分の力ではどうにもならない、何か別の力を感じるからです。
ちなみに宗教団体には入っておりませんので悪しからず。


第5巻

99年7の月、香港の出版社のお招きでサイン会に行ってきたのですが、
香港の人気漫画家は自ら出版社を立ち上げ、
自分の劇画を量産し出版できる分業化システムをつくって成功を収めておられることに驚きました。
香港の漫画家は実業家でもあり、社会的ステイタスも高いんですね。
いろんな意味で刺激を受けましたし、また考えることも多くなりました。
この場をかりて香港のみなさんにお礼申し上げます。


第6巻

SAKONはこの六巻で終わりです。原作の小説の流れに沿いながら、
私本人としては、最後まで仕上げないといけない…。
この事は、数年前に「影武者徳川家康」が連載途中で終了した時から思っていた事です。
隆先生に申し訳ないなぁ、そしてここまで付き合って頂いた読者の皆様に対して、
すまないという気持ちで一杯です。
脚本の二橋先生と相談し、自分なりに納得いくところで、まとめてみましたので、ご覧下さい。

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