●2000年9月30日●

 メインマシンのNw150のHDDのバックアップを行う。  最初はファイル単位でのバックアップを試みたのだが、データ量の多さから時間がかかるばかりなので中止をし、Windows標準のバックアップツールでバックアップする事にした。費やした時間は1Gあたり一時間程度。途中、ファイルサイズが2Gを越えてしまいバックアップファイル作成に失敗する事などもあったが、何だかんだでバックアップ終了。  外付けHDDを購入したからこそできた、久しぶりのフルバックアップであった。  また、別の話題として、私の趣味のひとつであるプライズ物収集でまた収穫があった。  ホビーショップで永井豪コレクションというガシャポンEXの新作が二つほど残っていたのを見つけたので早速購入してきたのだ。  出たのは原作版デビルマンとマジンカイザー。マジンカイザーはともかく、デビルマンの方は原作の雰囲気をそこなわずに立体として完成しているというなかなかの逸品であった。満足満足。

●2000年9月29日●

 珍しく会社の話題。
 3カ月の試用期間満了に伴い、正社員に昇格する。給与も少し上がった。
 来年には株式公開を予定しているらしいので、頑張ってストックオプションを行使できる様になろう。ああ、なんて優等生的な日記(爆)

●2000年9月28日●

 どうせPCを買うのならば友人のKが勤めている店で買っても良いと思ったりもするが、問題は価格である。
 富士通の公式サイトですら既に23万9000円の価格がついているし、他のオンラインショップの価格を見ても22万9000円くらいの価格はざらである。
 となれば、大手量販店でもこれくらいの価格をつけてくるのは必定であろう。ポイントが5%分つくとすれば実質価格は21万円台といっても良い。更に現金払い(財政的にこれは無理だが)ならば現在ビッグカメラやヨドバシカメラがキャンペーン中なので10%分ポイントがつく事になり実質価格は20万円台となってしまう。
 そうなると、Kの店で買うにはそれと同程度以下の価格をつけてもらわなくてはならないが、果たしてそれができるのかどうか……。

●2000年9月27日●

 相変わらずこれは、というものが見当たらず、結局、求める条件を変える事にした。
 場繋ぎとはいえ、ノートは高いものであるから、後継機を買った後も別の価値を持って使い続ける事ができるものが良い。そうなるとやはり携帯ノートに目が向く。
 これもなかなか良いのが見当たらなかったのだが、ひとつ気になる機械があったので、インタネで価格を調べてみた所、昨日、その機械の新型が発表された事が分かった。
 その新型は、調べていた機械の気になっていた部分をパワーアップした上に新機能も追加され、更に魅力的な機械になっていた。価格の方もニュースページの予想価格ですら20万円台前半なので、量販店での価格は更に下がる可能性がある。デザインも私好みのものだったので、私が求める要求はすべて満たした事になる。
 ただ、メーカーのニュースリリースによると発売日が10月20日なのですぐに手に入らないのが残念な所。インプレスの記事では9月29日発売となっていたが、これはおそらく間違いであろう。
 ちなみに私が購入を検討しているノートPCの機種名はFMV-BIBLO-MF555DというB5ファイルサイズのノートで、B5ファイルサイズながらDVD-ROMを内蔵し、通常のコネクタの他に光デジタル出力やS端子、imode携帯電話との通信ポートなども備えているというなかなかに色々できそうな機種である。更に富士通の機械らしくバッテリーの持ちも良く、標準バッテリーで2時間半持つ(カタログ値)というのも嬉しい。後はキーボードが使いやすいかどうかであるが。

●2000年9月26日●

 いざパソコンを買おうかと思って、ベストPCなどを読んでいるとやはりというべきか色々と悩まされる。
 価格性能比を考えるとデスクトップにかなり見劣りがするノートであるが、それでも私が今使っている機械よりははるかに性能が上になる事になる。となれば、作業環境もそちらに移したくなるのが人情というものであろう。
 そうなるとやはり14.1インチ液晶はやはり欲しいとか、CPUはセレロンよりペンティアム3が良いとか欲が出てくる。ついでならDVDも見れる機械にしたいし、けど予算はあまりかけられない……そうして絞っていくと機能的にはSOTECのe-noteが浮上してきた。
 しかし、このノート私の感覚からするとデザインがひどく野暮ったく、とても買う気にはなれない。しかもバッテリー駆動時間は短いし、なによりSOTECなので初期不良や何かが非常に心配である。ただでも家電の初期不良率8割以上を誇る私のこと、敢えて火中の見目悪い栗を拾う事もあるまいとあっさり候補から外す事にした。
 だが、そうするとこれは、というものがまるで見当たらない。どれもこれも帯に短したすきに長しである。Nw150を買った時のように惚れ込める要素のあるノートPCはないものか……

●2000年9月25日●

 TのPCの設定とかをしていたせいか、自分でも新しいPCが欲しくなってきた。
 さすがにMMX150MHz駆動のNw150ではきつくなって来たという理由もあるが。とはいえ、部屋の環境などもあるし、デスクトップはまだ待ちたい所。ディスプレイを液晶ペンタブレットにしたVAIO辺りは将来的には欲しいのだが。
 という事で、本格的な代替わり機は貯金をしてからとして、場繋ぎとしてのノートでも買おうかと思っている。あれもこれもと欲張るとどうにもならないので用途を限定して機種の検討をしないと。

●2000年9月24日●

 滞っているHPの更新を行う。
 朝の内に各htmlファイルの細かな修正点を直したり、ゲームブックに愛を込めてのモバギで打った文章を手直ししたりする。
 昼前にはその作業も終了したので、さっさとファイルをFTPに上げてしまう。
 続いて、カードイラストなどの作業をしようかと思ったのだが、何となく気も乗らないし、昨日放り出してきたTの家のTAの接続が気になったので電話を入れてみる。
 あいにくTは外出中との事。仕方がないので22日に買ってきたIO-DATAのiconnectドライブ(専用ケーブルの交換でPCカードでもUSBでもIEEEでも接続できるようになるというドライブ。PCカードドライブに関しては、私のNw150にも正式に対応しているので購入を決定した)HDVA-20Gにゲームソフトなどをインストールして行く。HDBENCHでの計測で、9821内蔵のドライブの倍の書き込み速度があると出ていただけあってインストールはなかなかに早い。
 そうこうしているとTから連絡が入った。面倒なので、設定は来週で良いという。
 それならばと思い、教官のHPで連載予定のマンガでも描くかと用意をし始めると、またTから連絡が入る。先程来週でいいといったが、時計を見直してみたらまだ3時台なので来てくれないかという。正直、気はそがれていたが、言い出したのはこちらであるし、設定に向かう事にする。
 この日の設定はうまくいった。昨日にインストールしたドライバを完全に削除し、1ステップ毎にマニュアルを見て設定した所うまく行ったのだ。やはり、スクルドみたいな事(マニュアルって分からなくなった時に見るものでしょ)はいけないという事だ(^_^;)
 これでTAが認識されたとはいえ、完全に問題が解決したわけではない。何故か、TAとPC本体をUSBで接続していると電源のonoff時にフリーズするという現象が起きているのだ。立ち上げ時にCOMPAQの文字が出たまま止まっている所を見るとBIOS関係らしいのだが、BIOSの設定にもそれらしい部分はなし悩む所である。
 まあ、幸いにも本体前面にもUSBポートがあるので、インタネに接続するときだけ繋げば良いといえばそうなのだが。どうせ他人の機械だし(オ
 その後はTの要望を聞いて手に入れておいた鬼畜なシミュレーションゲームをインストールしてやってから家に戻った。
 結局、この日は芹香&綾香のカードを仕上げた以外は絵の作業はしなかった……。

●2000年9月23日●

 友人Tからクレジットカードが届いたので会いたいという連絡が入った。
 といっても、別に買い物に出かけるわけではない。先日Tが購入したパソコンをインターネットに接続する設定をするのだ。
 ついでなので友人Fを誘い、昼食後に設定をする事になる。
 値段は少し高いが、雰囲気の良さからTと多用している欧風レストラン「メゾン・ド・ヴァン」で昼食を取った後、あちらこちらを回ってTの家に着いたのは2時半を回る頃であった。ちなみに手間賃という意味もあってか、昼食代はTが持ってくれた。珍しい事もあるものだ。
 設定など軽く済むだろうと思っていた私は、昨日のゲームショーのチラシやゲームなどを持っていっていたのだが、これが見込み違い。まるでうまく設定ができない。
 問題となっているのはTAをUSB経由で本体に接続する部分、何度ドライバをインストールしてもTAを認識してくれないのだ。
 結局、時間だけが刻々と流れていき、時間もなくなってきたので、この日は本体内蔵のモデムを利用して接続できるようにするに留めた。取り敢えず、プロバイダとの契約は済ませたので目的の一部は達成できた事であるし……。

●2000年9月22日●

 平日には話題がないと以前この日記に書いたことがあるが、今日は珍しく話題がある。
 幕張メッセで開かれた東京ゲームショーに行ってきたのだ。
 午前中に今日中に片付けなければならない仕事を片付けて昼前には会社を出る。予定では2時くらいに会場に到着するつもりであったが、会場に到着したのは2時20分くらいであった。途中、食事を取ったり、東京駅で迷ったりしている(京葉線まで540mって何?(笑))内についつい時間を過してしまったのだ。
 取引先との関係で会場内にいる先輩に電話連絡を入れ、迎えに出来てもらい出展社出入り口から入場をする。先輩(女性)の話では、例年と比べると規模が小さく、パソコンや携帯電話が目立っているとの事。やはりセガの不参加は大きかったのだろうか。
 会場内に入ってまず見たのはカプコン。ジャスティス学園の新作やCAPCOMvsSNK等が展示されていた。ジャスティス学園の方はいじらなかったが、CAPCOM〜の方は通信対戦を試してみた。そこそこレスポンスも良く、普段との違和感を感じずにプレイが出来た。遅いという噂も聞いていたが、それはやはり通信速度の問題なのであろう。なお、対戦成績は一勝一敗であった。
 その後はぐるりと各ブースを見てまわる。会場に着いたのが遅かった為か、体験版の類はまるで見掛けなかった。バンダイブースでもらったワンダースワンビニール袋に溜まるのはチラシばかりである。
 バンダイブースと言えば、今回はここが一番目立っていた感じであった。
 やはり新ハード登場直前ということで、気合が入っていたのか、ワンダースワンカラーを模した大型ディスプレイの前の特設ステージでダンサー達がカンカン踊りをしていたりした。その横のスクリーンではガンダムやヤマトのデモをしており、丁度そこいらの世代である私はふらふらとそちらに引き寄せられたりした(笑)
 そうこうしているとゲーマーズブースで不意に声を掛けられた。
 声のした方向を見てみると、前の会社の同僚のKさんとSさんである。
 この二人とは良くイベントで鉢合わせをするのだが、まさかこんな所でも会う事になるとは思っても見なかった。何しろ、この日は業者日で、彼らは現在無職(フリーター)のはずだったからである。まあ、駅前に何人もダフ屋が出ていたので、いてもおかしくないのは確かであったが。
 取り敢えず、折角なので挨拶でもと思ったのだが、あいにく、迷路上になっているブースの仕切りごしでの出会いであった為、どこかで行き違ったのか、二人と合流は出来ず、私は再び一人で見学を再開する事にした。
 物販コーナーを一回りし、おまけつき(デドアラとか久遠の絆とかの下敷きなど)でドリキャスマガジンを買ってきた私は、別の方向から会場中央へと向かう事にした。  そうして見ると、行きには気づかなかったワンダースワンカラーの体験コーナーなるものがあったので覗いてみる事にする。
 目玉はやはりファイナルファンタジーらしい。音の方は会場の騒音の為に聞えなかったが、絵の方はなかなか綺麗であった。綺麗さだけならSFCと同程度くらいは行っているかもしれない。ちょっと期待していたガンダムは、アムロの視点でのアドベンチャーとの事で少し期待外れであった。絵は綺麗だったが……。
 それに対してウィザードリーの1は期待通りの感じ。ガンダムと比べると多くを望んでいない事もあって非常に良く見える。絵の綺麗さは勿論、ゲーム自体もさくさく動いて楽しい。取り敢えず、これとプリメのためにワンダースワンカラーFFセット一万円弱を買っても良いかと思う。そうなると今のモノクロ版があまる事になるのだが、まあこれは欲しがる人間がいないでもないだろうから気にする事でもないだろう。
 エポックブースではスタンドアローンの体感卓球ゲームなるものをプレイする。元卓球クラブ(小学生の頃の話(笑))の意地を見せ、コンパニオンの女性に勝利をする。専用のラケットを振るタイミングだけを見ている為か、変化球とかが掛けられないのが残念。出来自体はパーティーゲームとしては合格であろう。値段も専用ラケット二本と本体で5980円と結構リーズナブルである。
 何か読み返してみるとひたすら遊んでいるだけのようだが、実際にはそうではなく、仕事もしていた。今回はimode向けゲームの調査が主な目的であったため、各社のブースを覗いてimode向けコンテンツがないかをチェックし、あるようなら試しプレイをしたり、パンフレットを貰ったりしていたのだ。
 幸いにも、imode向けゲームはDOCOMOのブースでほぼ網羅されていたので、後半はそこで色々な機種で色々なゲームを試してみる事にする。
 機種としては一番使い易かったのは、最新型の折り畳み型カラー液晶タイプのもので、画面も大きく、操作性も良い。携帯否定派の私が少し欲しくなったくらいであるから、かなりの人気機種なのであろう。
 DOCOMOブースで試しプレイをしている内に、閉会時間の5時が近づいてきたので、取引先のブースに向かう。ふと見ると、絵のクオリティといい、動きといい、まるでSFCのB級格闘ゲームみたいなものがあったので、何だろうと思ったらタツノコファイトであった。まあ、キャラ物だしこんなものか。
 その後はもう引き上げる事にし、通行証を返却して直帰で引き上げた。

●2000年9月17日●

 この日もイベント。
 池袋のサンシャインシティで開かれたサンシャインクリエイション9にサークル参加したのだ。
 待ち合わせ場所には普段通り少し早めに着く様にする。
 しばらく待つと、サークル代表の教官が姿を見せた。ほぼ帝国通りである。ちなみにぬえさんは当然のごとく遅刻(笑)
 この日の配置場所は、入り口からすぐの所で、目につきやすいなかなか良い位置であった。こちらからしても会場後の混乱が良く見えて面白かった。しかし、結果としては頒布物の出た数はいま一つ。まあ、新作が急ごしらえのコピー誌だけでは仕方のない所か。
 思うにオリカも最近は製品版に近い物よりも見栄えのするものの方が受けている気がする。だからといって制作方針を変える気は毛頭ないので、どうにもならないが。
 カードといえば、青空は今ひとつカードを作る気にさせるものではなかった。いっそ、歴代のコンピュータゲームヒロイン(ヒーロー)のカードを作ってみようかとも思ったりする。リリア、ネイ辺りは既にあるので、フィーナとか、カイとか、ワルキューレとか、一世を風靡したキャラだけ集めてもネタにはなりそうである。
 昼頃に以前の会社の同僚が顔を出したので、一緒に食事に行きよもやま話をする。今時の若者に関して、何故ああも簡単に凶悪事件を起こすのか、などと語りあう。その間に昨日会った友さんが尋ねてきたらしいが、私が戻った時には既に帰った後であった。間の悪い話である。
 イベントが終了すると、いつものように飲み会。
 CAPCOMvsSNKの話や風俗の話などで盛り上がる。一見、まるで違う話題のようだが、実はどちらもアダルトな話題であった。

●2000年9月16日●

 この日はパソ通の友人の友さんを、家の近所のプライズ物屋に案内する約束である。 しかし、天候はあいにくの雨。朝方から雷がごろごろ鳴っての土砂降りである。どちらかの普段の心掛けが悪いのかもしれない(笑)
 折悪く、友さんが最寄り駅についたのは、両親が買い物に出て車を使えない時であった。やむなく、歩きで迎えに行く事となる。
 外は相変わらずの雨。幸いにもいつもの友人Tと連絡が取れた為、MSセレクション16をするのと同時にプライズ物のチェックをする事とする。Tは自分の車を持っているのでこういう時には非常に役に立つ。
 私の戦果としては、MSセレクション16とナデシコ劇場版2を取敢えずコンプリート。ナデシコに関しては色違いバージョンがある様だが、それに関しては特に好きなキャラのものでもない事から無視する。TはMSセレクション16のΖだけが揃っていないようだが、こちらにもあまりがなく、またの機会を待つ事になりそうだ。
 その後、Tと別れた私と友さんは私の家でリーフファイトTCGやCAPCOMvsSNKなどをプレイして楽しく過した。

●2000年9月15日●

 AIRをプレイする気が起こらない。
 これはONE、Kanonといったヒットした泣かせ系のアドヴェンチャーゲームを作ってきたメーカーの最新作なのだか、どうも引き付けられるものが感じられないのだ。
 同工異曲というか、また同じパターンの焼き直しではないかという不安もあるが、周りの人の評価をみる限り、良作にとどまる程度の出来という気もするからである。
 そもそもKanonにしても、傑作という評価を聞くと疑問を感じざるをえない事が多い。
 キャラクターの絵に関しては、決してうまいとは言えないレベルだし、シナリオにしてもすぐに先が見えてしまう。
 唯一見えづらいのは舞シナリオであるが、これはシナリオ自体が全体的に説明不足で、しかもその説明不足をそのままで終らせているという、ある意味、卑怯なシナリオである。更にこの作者の場合、それまでのゲームでもまともに説明ができていないという「前科」がある事から、意図して説明不足にしたのではなく、単に実力不足で説明しきれなかっただけという感じが強い。
 売りの泣きに関しても、涙もろい質で、良い話を見聞きするとすぐに涙腺がゆるんでしまう私すら泣かせる事ができないレベルである。このレベルなら山本周五郎の作品にはごろごろしている。
 唯一評価できるのは、会話の妙なテンポの面白さであろうか。日常的な会話の面白さとはどこか感覚がずれているのだが、理屈でいったらおかしな点の多々存在するKanonの世界にはぴたりはまっている感じである。
 結局の所、Kanonは二流のキャラデザと、B級のシナリオを一流の背景と一流の音楽がサポートする事によって良い作品としたというものなのであろう(少なくとも私にとっては)。
 とはいえ、完全な作品よりも、不完全な作品の方が魅力を持つ事というのも確かにあり、Kanonというゲームはそれ故に人気を得たのかもしれない。少なくとも同人の人間にとってはそうであろう。不完全故にそれをベースとした創作の隙があるのだから。
 私がAIRをプレイする気になれないのは、そういった不完全さがなくなっているのではという懸念にもある。完成度が上がった為に、ONEよりもKanonがつまらなかったのと同様、AIRはKanonよりつまらないのでは、と思うのである。

●2000年9月10日●

 この日は私の出身高校である埼玉県立川越高校の文化祭、「くすのき祭」の日であった。
 このくすのき祭、川越近辺の高校の文化祭としてはかなり知名度が高い文化祭で、川越の街のあちらこちらにポスターが貼られ、二日間の開催期間の間は東武バスが学校まで臨時の直通便を出すほどである。
 勿論、見物客もかなり多く、特に女子学生の比率が多い(ように思える)のが特徴である。単に男子校というものが女子学生には珍しいだけかもしれないが(笑)
 私は物理部のOB会の初代OBの一人である(尤も、在学中は航空部所属で、物理部には遊びに行っていただけだが)事もあり、できる限りくすのき祭には顔を出すようにしている。であるからして、当然の事、今年も顔を出す事にした。
 本川越の駅を出ると、すぐにくすのき祭実行委員会のはっぴを着た現役の川高生の姿が見える。駅から川越高校までの道案内をしているのだ。
 普段は歩いて二十分かかる道を通って高校まで行く私であったが、直通バスに興味を持ったため、バスを使ってみる事にする。あいにく乗ったのは直通バスではなかったため、一番街という停留所で下車し、川越市役所の前から、時の鐘の前を経る形で高校へと向かう。
 例年の如く、門班が夏休み中かけて建造したと思しき、手の込んだ木製の門をくぐって校内に入ると、そこは学校の象徴である枝振りも堂々としたくすのきのある中庭である。中庭には運動部の出店が出ており、呼び込みの声もかまびすしい。
 昔と比べて中庭が手狭にみえるのは、新体育館兼図書館のためだ。数年前に改築されたこの建物は校舎よりも大きく、中庭を部分的に削っているのだ。
 くすのきをぐるりとまわり、校舎の脇をぬけると通用門に出る。ここで目についたのは急ごしらえらしい噴水であった。なんでも門班に対抗して大型の建造物を作る特殊工作班(笑)という班が新設されたそうで、その噴水はその班の初作品であるとの事。
 部室棟に向かう途中、プール脇で人の壁に阻まれた。
 私の現役時代から始まり、現在ではくすのき祭の名物の一つとなっている水泳部の男子シンクロナイズドの見物客である。最初は冗談から始まったと聞くこの企画も、年々、演技内容に磨きを掛け、今ではかなり見応えのある集団演技となっている。
 それは昨年ニュースステーションに取り上げられた事や、邦画のヒット作、シャルウイダンスを作った監督が、この話を元に映画を作ろうとしている事からも明らかである。
 映画のすじは廃部寸前の弱小水泳部がシンクロを始めた事によって蘇るといった内容らしい。勿論、そんな事実はない(笑)
 その絡みで学校を撮影に使わせて欲しいという申し入れがあったそうだが、私立ならいざいらず公立校の事、当然の如く却下されたという。
 水泳部見物の群集を抜けて、部室棟にたどり着いた私であったが、物理部室には誰もいなかった。かつて所属していた航空部は、今では幽霊部員の巣窟と化し、部室も応援団に横領されたという。作業場の中の個人乗りホバークラフトや工具類も図書館改築の折に作業場が倉庫として用いられた事から行方不明になったという。私が現役であればそのような事にはしなかったのだが……。
 ともあれ、無人の部室棟にいても仕方がないので、物理部の展示を見るべく物理実験室へと向かう。入り口の来訪者ノートを書いていると、受付の現役生からOBかと聞かれる。そうだと答え、他にOBは来ていないかと聞いてみると、最新に近いOBのOがいるという。OB会のMLでは名前を目にしているものの、実際のOの外見については記憶にない為、ぶらぶらと展示を見物しながら相手が声を掛けてくるのを待つ事にした。
 この手はうまく行き、無事にOと合流した私はしばらく展示物の解説をしてもらった後、現役生からの部室が開いたという報せを受けて再度部室へと向かった。
 部室に着くと中から「うちの会社はガンダムだけだから……」という声が聞えてきた。しゃべっていたのは後輩Sの知り合いだという青年で、F&Cでグラフィッカーをしていた事があり、現在はバンダイの関連会社に勤めているらしい(ついでにコミケスタッフでもあるらしい)人物であった。
 経歴からすると私に近い経歴を持つこの御仁、何かというと「うちの会社は……」「○○(局所的な有名人)と飲み会で会って……」と自分の実力に関係のない所で自慢話をするのが見苦しかった。それに加えて、クリエイターの類にありがちな、自分を特別だと思っている様子が鼻につくとあってはもうどうしようもない。これは、かくいう私自身、程度の差こそをあれ似たような事をしてきているため、余計目に付いたのだと思えるが、それを見苦しい、恥ずかしいと思う内に直さなくては、と痛感させられた。
 それはともかく、部室も開いた事であるし、と家から持ってきたDCをセットアップする。対戦ゲーム好きな人間がいたら対戦しようと、CAPCOMvsSNKを持ってきておいたのだ。隠しキャラに関してはこの日に備えてインタネでセーブデータを探しておいたので全てのキャラが揃っている。
 あいにくセットアップ直後は対戦相手がいなかったものの、同期の友人N達十数人とステーキのどんで昼食を食べて帰ってきた時にはパッドを手にしている後輩の姿が見えた。丁度良しと乱入をしてみると相手は比較的親しい後輩のKであった。
 Kを含む数人と対戦を楽しんでいる内に、同期のOやMも顔を出し、馴染みの面々が揃い出した。その頃には日も暮れ出し、くすのき祭も終盤に近づいた。
 となると始まるのは、恒例のマクドナルド戦記である。
 戦記、などと大仰に言っているが、実際には大した事はない(少なくともこちらには)。現役生とOBの人数分の夕食をマクドナルドで買ってくるというだけの話だ。
 とはいえ、OB会も既に十四代を数えている。全員が集まっているわけではないとは言え、現役生と合わせるとその総数はかなりのものである。今回はチーズバーガー、クラブサンドマック、オレンジジュースを各60個注文するという事になった。
 大変なのは店の側である。注文の品を揃えるまでにかかった時間は一時間以上、途中、ドリンクの蓋が足りなくなって店長が他の支店に貰いに行くという一幕もあったらしい。
 これだけの量ともなると配るのも大変である。
 あたかも配給のように若い順から列を作らせ、一人一人に渡していく。当然、初代である私は最後の方である。尤も、チーズが苦手な私はどちらのメニューも欲しいものではなかった為、それは家への土産として氷のほとんど溶けた薄いオレンジジュースを飲みながら皆のパクつく様子を見ていた。
 来年になれば、初代OBが入学してきた時にはこの世に存在しなかった新入生が入って来るという声が聞こえてくる。そういう風に言われると、まるでじじいになったようではないかと苦笑を漏らさずにはいられないが、私も含めた同期の人間や少し下の後輩は、最近無理が利かなくなったとか話しているのだから笑い事でもないかもしれない(笑)
 なお、今回はOBの数が多かったため、OB一人辺りの割り前は2000円で済んだ。
 その後は車で来たOB達が、電車のダイヤの厳しい後輩や、帰る方向が同じ後輩達を車に乗せて解散する事になった。
 私もまた、一期下の後輩のKのワゴンRで家まで送ってもらう事にした。

●2000年9月9日●

 同人の原稿書きに追われた一日であった。
 やりたい事、やらねばならない事が多すぎる……。

●2000年9月7日●

 会社からの帰りがけ、高田馬場駅の構内で新刊割引販売の出店を見掛ける。
 この手の出店で扱われる商品は、正規の書店や出版社の不良在庫と決まっていて、大抵の場合大した事のない本しかないのだが、この時はちょっと目に止まる本があった。
 昔風の野球帽をかぶった少年のイラストが背表紙に描かれた本。
 私くらいの年代の人間には懐かしい、学研のひみつシリーズである。
 裏表紙の値段の欄を見ると、消費税込みの値段が印刷されていた。予想外に後年まで発売されていたようだ。
 思い出深い「恐竜のひみつ」「宇宙のひみつ」などがあれば買った所であるが、あいにく思い入れのないものか、昔読んでつまらなかったものしかなかったので購入は控えた。

●2000年9月5日●

 以前からこの日記にも書いていた「CAPCOMvsSNK」のDC版を購入する。
 本当の発売日は6日なのだが、会社の近所の鄙びたゲームソフトを扱っている雑貨屋でフライング販売されているのを見つけたのだ。あの手の店ならフライングするだろうという予想通りであった。
 しばらくは隠しキャラを出すのに忙しくなるだろう……。

●2000年9月3日●

 この日は久しぶりにTに会った。
 本当はFも交えて久しぶりにTRPGでもと言う話だったのだが、FはパソコンのHDDを飛ばしたとかで、環境の再構築が忙しいらしく今回は来れなかった。
 余談ではあるが、私のノートも最近調子がおかしいので、一度環境を再構築しなくては、と思ってはいる。――いるのだが、時間がなくて放り出しっぱなしである。取敢えず、週末に回復不能なデータ(自分の描いた絵など)のバックアップを取ろうとは思っているが。
 ともあれ、Tは暇そうだったので昼食を共にし、その後、プライズ物探しに出かける。
 今回はナデシコ劇場版を見つけたのが収穫。しかし、お目当ての一つである、ブラックサレナは透明の物しか出なかった。しかも二個。いらないから彩色版と換えてくれと言いたい気分であった。まあ、ナデシコの場合、キャラの方が人気がありそうなので、メカであるブラックサレナはその内に(比較的安く)手に入る事であろう。

●2000年9月2日●

 朝、まだ明けきらぬ内に目が覚める。
 昨晩は片付けねばならない事があったため、一時くらいまで起きていたのにこうも早く目が覚めるとは、人の身体とは面白いものである。
 目が覚めてしまっては仕方がないので、旅行に出掛けた両親の代わりに庭木に水をやる事にする。ホースから出る水を受けた、桃の木に吊るされた植木鉢で何かが動いた。
 それは一匹の蟷螂であった。蟷螂の斧の名の通り、そいつは釜を振り上げてこちらを牽制する。その様子がなんとも滑稽で、微笑ましく見える。
 家での用事を片付けると、昨晩の内に用意しておいた荷物を抱えて都営新宿線の船掘駅へと向かう。この日は、船掘駅前の江戸川区総合区民ホールにて、しばらく前から親しくしていただいている竜騎士07さん主催のオリカ使用可LFTCG大会「オリカフェスタ」があるのだ。昨晩の、片付けねばならない用事とは、その為のデッキ調整であったのだ。
 船掘りに向かう途中、乗換駅の新宿でソフマップに寄っていたりしたため、会場に着いたのは開会五分前、予想以上に小綺麗で、到底公共施設とは思えない(何しろ、展望タワーまで付いている)区民ホールをゆっくり見物する事もできなかった。
 受付では、竜騎士07さんと矢野芳典さんにお会いする。竜騎士07さんとは先週お会いしたばかりであるが、矢野さんと直接お会いするのは一年ぶりである。
 名札と、参加賞(実に豪華なもの!)と大会の要項などを綴じこんだクリアファイルを受け取ると、早速会場である和室1に入る。  会場をざっと見回していると、手を挙げてこちらに挨拶をしている人がいた。
 金髪の、いかにも現代風な好青年は、夏コミの時にお会いした三咲さんである。やはり、知り合いの近くが良いという気持ちもあり、彼のいる机に腰を落ち着ける。
 私の席の隣に座っていたのは、意外や意外、女性であった。YURA ASAKIさんというハンドルネームのその女性は、やはりオリカの製作者であるmu-suさんの連れだそうで、わざわざ新潟から来られたのだそうだ。
 私は女性のLFTCGプレイヤーというものを見た事がなかったので(友達の女友達でマルチ萌え〜とか言っているのはいるが)、その事を話した所、ゆらさんも見た事がないとの事。ちなみにゆらさんも(友達の女友達同様)マルチ萌えだそうで、自分をモデルとしたオリカにはマルチ萌えという特殊能力(フィールド内に何体でもマルチを出せる)がついていた。脱帽(笑) 初めて見た女性リーフファイターという事で、このゆらさんとも対戦してみたいとは思ったが、巡り合わせが悪く結局対戦できなかった。なお、会場内にはもう一人女性プレイヤーがおり、珍しい事もあるものだと思わされた。
 mu-suさんはと言えば、会場直前までカードの切り出しを行われていた。私同様、皆さん結構どたばたしているらしい(笑)
 程なくして、大会が始まった。
 竜騎士07さんの、結婚詐欺師もかくやという(笑)巧みな話術による開会の挨拶の後、大会は始まった。
 システムは一対戦の時間を無制限するフリー対戦方式。一戦目はお互い自分のデッキを用い、二戦目はデッキを交換する(製品版のカードのみ使用したデッキの持ち主は交換を断る事も可能)という形で、この事により強すぎるオリカを使用して勝ち抜く事を防止しているとの事。
 まず最初に行われたのは、知り合い同志で固まる事を避ける為の、一回戦の組み合わせの抽選。これは大き目のトランプを各対戦スペースに一枚づつ配置し、個人個人に配ったトランプと同じ数のスペースに移動する事によって行われた。私の座っていたスペースの番号は「J」。面白い偶然もあるもので、私と、私の向かい側に座っていた三咲さんはお互いに「J」を引き、その場を動く事なく一回戦目を行う事ができた。
 しかし、ツイていたのはその時だけで、最終的な結果としては私は2勝9敗。ぼろ負けである(笑) まあ、わざとバラエティにあふれた「楽しめる」デッキにしたとはいえ、一般デッキ相手にも結構な率で負けているという事は、カードとしてのバランスが取れているという事でこれはこれで良い事かもしれない。
 対戦中のエピソードとしては、ブンドルで漫画勝負をした事とか、オリカ掲示板に「恥ずかしくて使えないかも」と書いたhoshinaさんのカードをデッキ交換により使う事になった事、隣の対戦スペースでドラえもんの長編映画、のび太の魔界大決戦が行われていた(mu-suさんのドラえもんデッキ対ルミラ(吸血鬼)、千鶴(鬼)、ユンナ(堕天使)を前衛とした浩之という対戦)事(笑)などが特に記憶に残った。
 17時半の大会閉会後には、オリカ普及委員会の発足会議と称した親睦会(?)があった。この会議に参加した人達のそれぞれのオリカに対する思いを聞くのはなかなかに楽しい事であった。
 用事のある方達は大会終了後、早々に帰られてしまったため、大会中に対戦する機会のあったK2さん以外のオリカ製作者の方達(ninoさん、あいしひさんなど)には挨拶もできぬままで、これは少々心残りであった。
 夕食は区民ホール近くのデニーズで取る事になった。
 一緒のテーブルについたのは、薬袋陣さんとhoshinaさん、それに偶然にも私の出身大学、出身学科の後輩にあたる であった。
 しかし、彼らのパソコン事始めの会話を聞いていると、自分がつくづく歳を取ったような気にさせられる。何しろ、他の三人が「鬼畜王ランスが初めて〜」とか、「パソコンブームに乗った父親のパソコンを使って〜」といっているのに対し、私は「FM-7でテープ版のサザンクロスをプレイしたのが初めて」なのだから(笑)
 食事が終わると時間ももう遅くなっていた為、竜騎士07さん達のグループと別れ、NECO東京支部の人達と新宿まで帰る事にする。途中、矢野さんや名古屋から来られたサークル、ジャガーノート代表のどっぷさんと昔のアニメの話で盛り上がったのは、先の夕食の反動であろうか(爆)
 その後、ちょっとした話をオリカ普及委員会のRYUさんや柏木浩之さんとしたが、内容に関しては先方にも色々と事情もあるようなので伏せておく事にする。

●2000年9月1日●

 仕事中、私宛に電話がかかって来た。
 転送の知らせを受けるなり、ああ、あれだな、と思う。
 開発職という仕事柄、会社に私宛の電話がかかってくる事は少ない。かかってくるとなれば自然、私事になってくる。
 今回は、NTTから。
 8月7日より私の住んでいる狭山市も対象区域となったIP接続サービス「フレッツアイ」の工事日の連絡であった。申し込みが殺到している為、二十日程度連絡までかかると聞いていたが、見事にその通りであった。工事日は9月14日との事。
 これで電話代を気にせずに掲示板などへの書き込みができるというものだ。
 後は回線品質がどの程度なのか、だが。

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