セルジオ・デ・メロへのインタビュー(2000年5月8日)


Solidarity Without Border
Interview With Timor administrator Selgio Vieira de Mello 
/ by Pedro Fonseca
2000年5月8日、ディリにて。

※最近、CNRTのシャナナやレアンドロ・イザック氏からUNTAETに対す
※る批判的な話が出ています。また、地方担当官が批判の手紙とともに辞任した
※りしており、UNTAET内部の汚職や官僚主義、東チモール人への差別主義
※などは、事実として存在するようです。ただし、一方で、UNTAETで実際
※に活動している人の側からの意見も全体を理解するのに重要と思われますので、
※デメロ代表の最近(といっても少し古いのですが)のインタビューをここに訳
※出します。


UNTAET代表のセルジオ・デ・メロは東ティモールの再建に時間がかかっているこ
とは認めているが、主要な再建計画は数カ月以内に始まるであろうと明言してい
る。治安に関してはディリよりもリオ・デ・ジャネイロのほうが危険だとしてい
る。しかし、「私も失望してる」とも。

Q;暫定統治が始まってほぼ半年、経ちましたが、これまでうまくいっているこ
とと、うまくいっていないことは。
A;まず、良い点から申しましょう。それは対話です。私たちはCNRT、特にシャ
ナナ・グスマン氏と素晴しい関係が持てていると思います。これまでの所、意見
の不一致も不調和もありません。意志決定に関して言えば、国家評議委員会も非
常にうまく機能しています。既に新しい法治国家を建設する礎として17の規定
(条約)を採用しました。まだ、具体的な結果は出ていませんが、再建計画の基
礎となる準備作業はすべて順調に行われてきました。
プロセスが非常にゆっくりだと皆さん、不平を言いますが、あいにく構成国によ
ってつくられた規定に従って国際機関は機能しています。私たちはある程度、そ
のルールに従わなければなりません。

Q;あまりうまくいっていない面はなんでしょう。
A;現在、行われている初期段階の行政についても述べたいと思います。すなわ
ち、司法、警察、文民委員会、暫定健康管理、教育、中央税機関、支払いに関す
る機関などです。

Q;これらはすべて適切に行われていますか。
A;初期の段階としては行われています。リストをあげましょうか?長いですよ。

Q;失望している点についても述べられましたが。
A;私が述べたことがその通りだったこと、すなわち時間がかかっているという
点です。ティモールの人たちは落胆し、イライラしているでしょうが、私も同じ
です。私たちは可能な限り、来る日も来る日も、計画が早く実行されるようあら
ゆることを手懸けてきました。同意事項の実施、計画の遂行、世界銀行やアジア
開発銀行の計画実行など、これらのことに時間が時間がかかっていることが、私
の最も大きな失望です。

Q;暴力行為には失望していますか。
A;治安に関してはいろいろありました。それほど多い訳ではありませんが。私
たちはあまり脚色しすぎないようにしなければなりません。状況は驚くほどのも
のではありません。ディリも田舎も平和です。例えば、リオ・デ・ジャネイロよ
りもここのほうが安全です。ディリ地区ではポルトガル警察隊が到着してから状
況は非常に改善されたことを述べたいと思います。ポルトガル隊に支えられ、鮮
やかで、優秀なプロとしての役割を果たしていて、彼等は大変、献身的です。

Q;段階的事件が集中していたのであって、それは広がりは見せていないと思わ
れてますか?
A;そう思います。

Q;復興は非常に遅いようですが、建設や雇用の点で著しい飛躍が見られるのい
つ頃になるでしょう。
A;いくつかの飛躍があるでしょう。
ひとつは小・中規模の企業建設計画です。そのプロジェクトの、個人で事業を始
めたいと思っているティモール人に貸付を行うというものです。BMUが既に10
00万米ドル規模の融資を受けたことが報告されています。この額は基金から利
用できる額の二倍にあたります。これは良い兆候です。ティモール人が小・中規
模の事業をすることに興味を持っていることを示しています。重要なことです。
常々、申しているように失業はUNTAETや短期的(1〜2年)な再建計画で解決さ
れることはないでしょう。そうではなく、失業に対抗する私的部門の企業が発展
するということにかかっています。

Q;もし、申請書が基金の額の倍になるとすれば、申請者の半分が借入ができな
いことになりませんか。
A;計画の半分は貸付を受け取れないでしょう。しかし、世界銀行の同僚が語っ
たことによれば、最初の500ドルを使い切ったらすぐ、残りを請求できるとい
うことでした。最初の要求が断わられても、後の段階で承認されるだろうという
ことでした。

Q;建設計画についてはどうでしょう。
A;第二に重要な飛躍は基盤整備計画です。すなわち、道路、電気、水道、そし
て私たちはディリの港を広げようとしています。第三は保健に関することです。
教育機構の再建と再設備がこれに続くでしょう。
アジア開発銀行の財政支援でこれらの計画は実行される一方で、6月に始まる予
定の公共施設の建築計画に関する私たちの提案した再建と再設備が行われる予定
です。

Q;なぜ、すべてがこの時期なのでしょう。
A;ティモールの人々はひとつの計画は系統立てて行わなければならないこと
を、私たちが説明している時に理解しなければならないし、実際、理解している
と思います。次にその計画が承認されなければなりません。そしてそれから入札
という段階に入ります。入札は全国的でありかつ、国際的でなければなりませ
ん。一定の額を越えると国際的なものになります。不幸なことに、これらの手続
きはすべて長い時間がかかります。しかし、これらのことは耐えていかなければ
ならない規則なのです。

Q; それでは今年、多くの事業が着手されるのでしょうか。
A;もちろんです。整備されつつある農業計画ですが、これは非常に将来性のあ
る計画のひとつです。

Q;ティモールは初期段階で自立できるでしょうか。
A;できるでしょう。研究によればティモールは農業生産において、中間的時点
で自立できるとしています。管理も徐々にティモール化していくでしょう。

Q;ティモール人が皆、質問したいことがあります。それは行政部門で国連スタ
ッフと働くティモール人が何故、まだ、補充されないのかということです。
A;説明します。公共事業委員会が計画を今、作成しています。最も重要な所が
給与体系です。このテーマについては今週、提案が行われます。一旦、給与体系
が承認されれば、新しいティモール人公務員の補充に入るでしょう。2000年
には7000人、2001年と2002年には5000から7000人が補充さ
れるでしょう。その後、ティモール人が中心となった新しい行政ができるでしょ
う。

Q;ティモールのエリートたち、すなわちリーダーたちはこの物差しでどこに入
るでしょう。
A;全部で5段階かりますが、7000人の大半は第一、第二、第三に属するで
しょう。あなたの質問は最初のふたつに関係あります。

Q;指導力ということでしょうか。
A;リーダーシップとは申しません。上級公務員と言った方が言いと思います。
何人かは既に採用されています。公共機関で聞いていただければ、何人かのティ
モール人が私たちの機関の意志決定や監督に携わっているのがわかると思いま
す。

Q;その行政はどのように進展するでしょうか。
A;私たちの行政とティモール人による行政に区別はありません。それはダイナ
ミックな過程で、暫定行政は徐々にティモール人の行政になって行くでしょう。
一ヵ月前、私はディリの公共行政のそれぞれの部門にティモール人の代表を採用
すると発表しました。また、13の地域の地方行政代表者、全員、東ティモール
人を置くとも発表しました。さらに、地域協議機関もつくるつもりです。これも
行われつつあります。そこでは国家協議会(これは縮小を望んでいるものです
が)の時よりもティモール市民社会の代表であることをはっきり表明することが
可能になるでしょう。

Q;現在、外国で暮らしているティモール人の帰国を期待していますか。
A;期待しています。しかし、私たちはまた現実的でなければなりません。外国
に暮らしているティモール人はより高度な教育資格を持ち、良い仕事に就き、良
い給与をもらっています。ですから、ティモールは彼等の協力と奉仕と連帯と
を、たとえ1年でも2年でも必要としているのだと、説得できるかどうかわから
ないのです。

Q;ここでポルトガル人と話していると・・・兵士であれ、警官であれ、市民で
あれ・・・一部のオーストラリア人やその他の外国人の傲慢さについて不平を聞
きます。UNTAETはこのことを知っているのでしょうか。もし、知っているならど
うやってやめさせているのですか。
A;私はそのようなことは耳にしたことがないと申し上げなければなりません。
UNTAET内部では国籍による差別ありません。私たちの信条ははっきりしていま
す。それは民間であろうと、軍であろうと、あらゆる国籍の人々が尊敬されなけ
ればならないということです。

Q;ポルトガルと東ティモール人とのとくべつな関係が移行の成功に貢献してい
ますか。
A;していると思います。ポルトガルの大統領、総理大臣、国会議員の訪問か
ら、あらゆるレベルにおいてポルトガルとティモールの間の歴史的、文化的関係
によって、私たちはおおいに恩恵を受けました。インドネシアは民兵を解散させ
なければなりません。脅迫や故意のデマは難民が西ティモールを去ることを妨げ
ています。

Q;難民の帰還が遅れていますが、どのような努力がなされているのですか。
A;かなりの努力はされています。この問題には多くの側面があります。ひとつ
は政治的側面です。私たちは併合派の人々と何度か接触しました。シャナナや
CNRTのリーダーたちは定期的に独立派のリーダーと接触してきました。私は1
月、バウカウの民兵のリーダージュアニコに会いました。ここで数日を過ごすよ
うに彼を招待しました。彼はやって来ました。訪問は成功しました。この種の訪
問が繰り返されることを私たちは望んでいます。そうすれば彼等との関係は改善
されます。

 ※注:ジョアニコ・ベロはバウカウの古くからある民兵、チーム・サカのメン
 ※バーで、サカはアイタラクやベリメラプティのような新設民兵組織よりも穏
 ※和だった。バウカウが最も安全な地域だった理由の一つとも言われている。
 ※分析コーナー(保管庫)の「バウカウ99年11月」、及び99年11月1
 ※7日ニュースも参照して下さい。

Q;何故、彼等が西ティモールにいる難民を統制しているのですか。
A;私たちは民兵に影響を受け、間違った情報を与えられている人々の関係を改
善したいと思っています。彼等正しい決断ができるように呼びかけています。つ
まりそれは帰還することです。
彼等が和解と国の再建に積極的に参加するよう呼びかけています。国家協議委員
会はまだ、ポストが空いています。かつてはそれはFPDKのものでしたが、今は
UNTAS(併合派)のためのものです。ドミンゴ・ソアレスにポストはまだ埋ってい
ないと伝えました。

Q;その答えはどのようなものでしたか。
A;その答えはまだ、もらっていません。しかし、別の問題もあります。相手を
騙す、偽りの情報と脅迫です。民兵は未だアタンブアで活動し、難民にテロ行為
を行っています。私たちはクーパンへ移動する、できれば島からインドネシアの
他の島に出て行って欲しいと要求しています。この点は現在、何らかの手段が講
じれていると思います。少なくともそれはシャナクリ将軍が私たちに約束したこ
とです。

Q;難民の中には帰りたいが、恐ろしくてできないと言われている人たちもいま
すが。
A;それは重要な点です。アタンブアやクーパンにいる多くの人々はインドネシ
アの行政機関で働いていた役人たちでした。国軍もいますし、警官もいます。し
かし、大多数は単なる公務員や民間人でした。彼等に関しては、犯罪を犯した
り、血で手を汚したりしていなければ何の問題もありません。犯罪を犯したり、
血で手を汚していれば帰国後、裁判にかけられるでしょう。それ以外は大歓迎で
す。たいした罪を犯してなければ、つまり殺人をしていない人なら歓迎です。

Q;それでは罪を犯していない市民が帰国を恐れるのは何故ですか。
A;インドネシアの行政機関で公共の仕事をしていた公務員の人たちは次のよう
な保証がなければ帰国することを嫌がっています。それはジャカルタ政府当局
が、ポルトガルがかつての公務員に行ったようなこと・・・例えば年金の支払
い、行政に就いていた機関に対する保証、インドネシア銀行に預金口座を開くこ
と・・・を保証するというものです。

Q;ジャカルタにはそうする用意がありますか。
A;ワヒド大統領は私たちにそうすると確約して来ました。最初は私が彼と一緒
にジャカルタにいたとき、二度目は彼が2月にここに来たとき、三度目はこの三
月ジャカルタで。しかし、大統領の確約を関係大臣に実行させるのは非常に困難
です。

Q;このようなことで多くの人々が帰国できるでしょうか。
A;できるでしょう。そのうえ、彼等は行政経験をもった人々であるという利点
があります。経験があるということはここで必要とされていることです。3月1
85人はクーパンから戻りました。それは非常に整然と行われました。私たちは
ファリンティルと話し合いました。彼等はアイレウにいました。彼等は家族と一
緒に、全員で450人に平和が戻ってきました。
彼等は順調です。これは私たちが軍や警察で働いていた人たちに悪意を持ってい
ないという証拠です。ファリンティルは国連の規約でしかるべく位置づけるべき
です。武装抵抗勢力の独立した治安部隊の初期段階を制定すべきです。

Q;過去25年間、ティモールの人々の闘いを支持してきた人なら誰でも。アイ
レウに行ってファリンティルの落胆を見たら、憤りを感じるでしょう。このよう
な人々が治安部隊の一部になれるようにな解決を見い出すことがどうして困難な
のでしょうか。
A;なぜならこの種の武力、すなわち解放勢力が解決を見い出すことはいつも難
しいのです。これは植民地主義後、あるいは闘争後の状況で平和の建設計画には
つきものの弱点のひとつなのです。
これは普遍的困難です。シエラレオネと比較するつもりはありませんが、どこに
もあることです。シエラレオネは、前の武装勢力の解散の問題を正しく処理する
方法を私たちは知らなかったのです。

Q;ファリンティルにとっての解決を見い出すことは難しいでしょうか。
A;3月中旬、私たちはシャナナ,ラモス・ホルタそしてタウル・マタン・ルア
クと東ティモールの防衛について話し合いました。その中でファリンティルの将
来について話し合いました。当然のことながらファリンティルの司令部は部分解
決に興味は持っていません。包括的な計画を望んでいます。すなわちある年齢の
人々の退職、昨年、採用された人々の解散です。しかし、彼等が望んでいるの
は、ファリンティルが果たした過去の役割と原則を、私たちが認識しているとい
う保証を彼等に与えることだと、私は理解しています。それは昨年の様々な残念
な出来事の戒めだったのです。そして私たちは彼等には未来の役割はあるという
意見で一致したのです。

 ※ここで、インドネシア及びそれを支持し続けてきた有力諸国に媚びを売り、
 ※昨年5月5合意で、侵略者インドネシアに治安維持を任せ、それによって、
 ※インドネシアの「内戦」宣伝に従ってファリンティルとインドネシア軍の手
 ※先の民兵との「和解」等を演出してきた枠組み全体があからさまに出鱈目で
 ※あったことが露呈しています。デメロのように、少なくとも現地で働く人は
 ※ファリンティルが、米英日欧豪に支えられたインドネシアによる虐殺や人権
 ※侵害、不法占領と闘ってきた正規の民族解放軍であることを実質的に認めざ
 ※るを得ないのでしょう。

Q;どのような役割ですか。
A;それは当然、新しい東ティモールの治安部隊をつくるという役割です。問題
はUNTAETを設立した国連安全保障理事会の決議がその問題に言及していないこと
です。軍の問題もファリンティルについても言及していません。ファリンティル
に関してどうしたらよいのか問われてません。私たちは方法を探してします。ま
づは彼等と一緒に方法を探しています。そうした上で彼等は上記のような保証が
与えられるでしょう。部隊の大きさ、形態、信条などのような実際的な詳細は後
の問題としておくとして。

Q;UNTAETは人間を長い間、ぶらぶらした状態のままにしておくことは危険をは
らむと考えているのではないでしょうか。
A;そのとおりです。しかし、私たち自身では決定できないということをはっき
り申し上げなければなりません。安保理から与えられた命令権を持っています
が、私には権限がありません。ニューヨークの合意を得なければならないので
す、すなわち、安全保障理事会事務総長と理事会からの合意をえなければならな
いのです。

※訳:札幌翻訳チーム 6月4日。感謝感謝です。