千と千尋の神隠し

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この夏一番のヒット作。
　都会から引っ越してきたらしい少女、千尋が家族とともに不思議なトンネルにさしかかる・・・。
　よくできている。正直、もののけ姫に失望していただけに、宮崎駿がこれほどの余力を残していたのかと驚くばかり。ネバーエンディングストーリーや、つげ義春の「ねじ式」、水木しげるの妖怪ものや、宮沢賢治、本人の前作「トトロ」・「もののけ姫」など、さまざまな妖怪・ファンタジーの世界がどん欲に取り込まれ、楽しい娯楽大作に仕上がっている。テーマも簡潔で、説教臭かった前作から、ジブリ本来のアニメの楽しさを存分に伝えてくれる作品へと、完全復活している。
　ＣＧアニメや狸合戦以降のリアルなアニメへの挑戦は、今回もまだまだ未成熟な感は否めないが、想像力を大いにかき立てる優れた構想力に宮崎監督の面目躍如と言いたい。