丸帆亭 萬釣報 #16  page2   99.12/20 更新                   
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緊急特集!明治から手つかずの聖域を守れ!
この地域をいかに誰も知らないか!、それが問題の第一歩ですね。
まず護岸に一般の人が出入りできる為の運動を 起すべきではないで
しょうか。
主に関西ですが。 よく”入浜権”の訴訟などが話題になります。

本来、日本国民は国内のどこの水ぎわにも、立ち入れる権利がある
はずなのです。それを、治安上の問題や事故防止の問題に
すり替えて、一企業が占有したり、港湾局の独断で立ち入り禁止に
したりする誤ちを、是正する事が最も必要なのです。
現在ではわずかに数十軒の船宿のハゼ釣りの為の乗合船と、テンプラ船と呼ばれる、
貸し切りで宴会とハゼ釣りをする為の船しか、この水域では見られないと言う事実が、
何らかの権利関係で成り立っているのかすら、現時点では調査認識不足なのですが、
(釣船の料金は¥8.000〜、)
その船の利用者と隣接の企業の従業員と、金網フェンスを乗り越えて入っている
釣り人だけでは、反対運動に発展するなんて事は、まず期待できません。
逆に、一般の方々、ファミリーやカップルが自由に立ち入れる護岸があれば、
そしてあの広大な水面を眺める事ができれば、ハゼ云々以前に、
皆、この水面を埋立てする事がいかに無意味で、損失の大きい事か、判るはずだと
思うのですが。
せめて工事着工以前に、都民である我々一般人が、自由に立入れる水辺を、この水域の
一部にでも構築し
、都民が判断できるだけの材料を提示するのが、
都政として当然の責務なはずです。私としては、まず、それを提言したいのです。

この水域の特殊性は、”つり人”の記事によりますと、ひとつに、その護岸や中洲が
とても古い事に起因している様で、特にお台場側の石垣護岸などは、東京港最古の
明治期のものだそうです。文化的価値云々ではなく、
長い時間の間に、自然の浄化能力をも持ちえる濾過機能のある護岸に成っているとの事、
それは、岸間際まで繁った木々の落ち葉や、隙間の多い石垣の効果だと思うのですが、
確かにお台場地区を含めて、他の東京港の運河や水路で覗く水面より水質はかなり綺麗で、
冬場などは、まるで東京ではないような錯覚さえ憶えるほどです。

多くの区民、都民、そして日本中の人に知って貰わなければ!

隅田川の流下水の直接の影響が少ない水域と言う事で、
しかも、深さも最深で5〜6mと言う偶然が重なって、
酸欠に成りにくい環境が実現している訳ですが、これは正に
偶然の福音なのです。それに加えてこの10年位は、人の立入る可能性も少なかった訳ですから、たった一つの臨海部のサンクチュアリとして、成立したと言う事なのです。
偶然とは言え、これは何ものにも替えがたい財産だと思うのは、私だけなので
しょうか?。
加えて、有明側からでも、豊洲側から見ても、誰もが対岸の公園か何かだと思い込むような、緑に満ちあふれた中洲の、生態系は?。
いったいいつ頃から、人の手が入っていないのでしょう?。
残念な事に、具体的な幅さえ、わからないのですが、10メートルを越える
木々
が何本も繁っているのは確かですし、
船以外で上陸は出来ませんから、多分、動植物の宝庫になっているはずです。
本来なら、その分野の研究者が、必ず研究対象とするべき場所であるはずと
思います。

東京都心に住んでいると、自分の住環境を自治体に任せておいては
絶対に酷い目にあう、と毎日の様に思い知る事が多いのですが、
人間の思い上がりも、ほどほどにして欲しいと言いたいのです。
何処かの馬鹿な政治家の様に、「生き物など絶滅したら、養殖すれば良い。」とか、
「何処かに疑似環境を作れば自然は帰ってくる。」とか、
もういい加減に、産業中心の発想は、止めて欲しいのです。
自然は人間と相対するモノだと言う発想では、地球に未来など無いとつくづく思うのです。


`99.12/8 第一回目のHPアップ、校了とします。
あまりに問題は大きく、事実関係や法的根拠、色々と調べなくては、たわ言で終りそうです。
腰をすえて、勢い込む事なく、ぼつぼつと、更新したい問題と考えております。