● (No.322) RS-21 CW テレメトリ フォーマット (2002年 4月20日)
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2002年4月18日付けで、 "RS-21 テレメトリ デコード フォーマット" という
(RS-21 Telemetry decode format) 記事が、MAREX-NA の WF1F/Miles Mann 氏
により広報されました。それを元に先日、JF6BCC/今石氏は 過去の数値を使っ
て、そのテレメトリを解析していました。その元になる解読式の全文をここに
紹介します。過去のデータを蓄積している方は、これを参考に分析をしてみて
下さい。
MAREX-NA
RS-21 マイクロサット衛星からの CW テレメトリ
項目 範囲 解読式 項目の意味
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RS21 コールサイン
UBS N=100...150 U=N/10 [V] 搭載ボード電圧
IBS N= 10...250 I=N/100 [A] 搭載ボード電流
USUN N= 0...156 U=N/10 [V] 太陽電池出力充電電圧
ISUN N= 0...255 I=N/100 [A] 太陽電池出力充電電流
ITXA N= 0...170 I=N/100 [A] 435MHz送信機消費電流
PTXA N= 0... 70 P=N/10 [W] 435MHz送信機出力
TTXA N= 50...150 T=N-78 [C] 435MHz送信機温度
ITXB N= 0...150 I=N/100 [A] 145MHz送信機消費電流
PTXB N= 0... 70 P=N/10 [W] 145MHz送信機出力
TTXB N= 50...150 T=N-78 [C] 145MHz送信機温度
TFLV N= 30...180 T=N-78 [C] 衛星上面温度
TFLN N= 30...180 T=N-78 [C] 衛星底面温度
TPPA N= 50...150 T=N-78 [C] 搭載Aボード温度
TPPB N= 50...150 T=N-78 [C] 搭載Bボード温度
MTX N= 0...255 送信モード表 管理情報
MRX N= 0...255 受信モード表 管理情報
RS21 コールサイン
更新日時 2002年4月
copy (2002) MAREX-NA
http://www.marex-na.org/fileshtml/rs21sat.html
《JF6BCC 今石氏のメール》
Date: Sat, 20 Apr 2002 09:39:46 +0900
From: Yoshihiro Imaishi JF6BCC [imaishi@syd.odn.ne.jp]
To: jamsat-bb@jamsat.or.jp
Subject: [jamsat-bb:11414] Re: RS-21 Telemetry
At 2002/04/20 01:36:37 大谷 芳充 wrote:
> >TTXB132 - 145MHz送信機の温度 54℃
> >TFLV118 - 衛星上面の温度 40℃ (食中にしては熱くないか?)
> >TFLN143 - 衛星底面の温度 65℃
> >TPPA136 - 搭載Aボードの温度 58℃
> >TPPB135 - 搭載Bボードの温度 57℃
> >TTXA136 - 435MHz送信機の温度 58℃
> (中略)
> それとも、RS-21 Telemetry decode format自体の換算式に間違いがあるって
> ことはないでしょうか? 例えば温度を示す値(T)が、仮に正しい値だとして、
> もし、それを摂氏でなく華氏表示だと考えれば、17℃内外の数値となります。
ロシアの衛星なら、華氏より摂氏を使うのが自然なはずですが、確かに華氏
表示だとすると、
54°F => 12°C
40°F => 4°C
65°F => 18°C
...ですから、ありえそうな数値になります (^^;)。 ひょっとしたら、温度
センサが米国製で出力が華氏モードなのかも。で、公開されたデータは、それ
が発覚する前の設計書で、摂氏のままだったのかも。
# 温度センサの出力値が 0〜255 だとすると、華氏ならば -61℃〜80℃、摂氏
# なら -78℃〜177℃ の測定レンジです。衛星に搭載することを考えた場合、
# 華氏だと 80℃ 以上は測れないことになってしまいますから、摂氏にすべき
# でしょう。で、それで設計して作ってみたんだけど肝心のセンサが華氏出力
# だったので、やむなく、とか (^^;)。
> しかし、送信電力に関しては、これまで受信した数値は0以外には無かった
> ことからすると、やっぱり何か変ですよね・・。 (^^;
送信電力を検出する機構に異常があるのでしょうね、きっと。11.8V で UHF
送信機が 80mA 食っていて、FET などによる高効率の送信アンプが終段に使わ
れていて効率 70% が得られたと仮定すれば、送信出力は 0.66W ですから。
ところで、何で「華氏」なんでしょう?。「摂氏」はセルシウス氏が由来な
ので 日本語で「摂氏」と当てるのは自然なのですが、「華氏」の方は ファー
レンハイト氏が由来、発音が違いますよね。 もっとも、華と言う文字は 中国
では「ファ」だったような気がしますので、それが元かな?。
おっと off topic で失礼 (^^;)。
では。
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Yoshihiro Imaishi 今石良寛 - 福岡県北九州市
JF6BCC/KH2GR
mailto:jf6bcc@jarl.com
http://plaza16.mbn.or.jp/~palau/
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《WF1F / Miles Mann 氏への質問メール》
Date: Sat, 20 Apr 2002 13:37:53 +0900
From: Mineo Wakita [ei7m-wkt@asahi-net.or.jp]
To: wf1f@attbi.com
CC: amsat-bb@amsat.org
Subject: [amsat-bb:57685] Re: RS-21 CW decodeing codes posted
Hello Miles,
Thank you for your message about "RS-21 CW format".
I have one question.
TTXB132 --> 54
TFLV118 --> 40
TFLN143 --> 65
Which is the unit of this temperature either [Celsius] or
[Fahrenheit] ?
54 [C], or 54 [F] = 12 [C] ?
40 [C], or 40 [F] = 4 [C] ?
65 [C], or 65 [F] = 18 [C] ?
《WF1F / Miles Mann 氏からの回答メール》
Date: Sat, 20 Apr 2002 07:35:56 -0400
From: Miles [wf1f@attbi.com]
To: Mineo Wakita [ei7m-wkt@asahi-net.or.jp]
Subject: Re: RS-21 CW decodeing codes posted
all in centagrade or celsius
Mineo Wakita wrote:
>
> Hello Miles,
>
> Thank you for your message about "RS-21 CW format".
> I have one question.
>
> TTXB132 --> 54
> TFLV118 --> 40
> TFLN143 --> 65
>
> Which is the unit of this temperature either [Celsius] or
> [Fahrenheit] ?
>
> 54 [C], or 54 [F] = 12 [C] ?
> 40 [C], or 40 [F] = 4 [C] ?
> 65 [C], or 65 [F] = 18 [C] ?
RS-21 の温度表示について、上記のように AMSAT-NA の WF1F/Miles Mann氏に
直接、問い合わせてみました。 数値の持つ信頼性、および 大谷・今石両氏の
ご指摘の摂氏/華氏モードの疑問点はまだ残っていますが、とりあえず 単位に
ついては、Celsius (摂氏) である、という答えを得ました。
《温度の単位》
温度の単位について、少し調べてみました。
国際度量衡委員会, ITS-90, The International Temperature Scale of 1990
in 理科年表 [国立天文台編, (株)丸善]
単位名 単位 備考
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熱力学温度 Kelvin [K] 1 Kelvin は水の三重点の熱力学温度
の 1/273.16
国際単位系(SI) の基本単位の一つ.
摂氏度 Celsius [C] C = K−273.15
華氏度 Fahrenheit [F] F = 1.8*C+32
(例) 0 [K] = -273.15 [C] = -459.67 [F]
300 [K] = 26.85 [C] = 80.33 [F]
0 [C] = 32 [F] = 273.15 [K]
100 [C] = 212 [F] = 373.15 [K]
0 [F] = -17.78 [C] = 255.37 [K]
100 [F] = 37.78 [C] = 310.93 [K]
また、off topic で恐縮ですが...日本語大辞典(講談社)で調べてみました。
華氏.......ドイツ人 Fahrenheit, Gabriel Daniel 氏 (1686〜1736) の
中国音訳『華倫海』による。水の氷点を 32度、沸点を 212度
として、その間を 180等分したもの。 記号 [F]
摂氏.......スウェーデン人 Celsius, Anders 氏 (1701〜1744) の
中国音訳『摂爾修』による。1気圧のもとで、水の氷点を 0度、
沸点を 100度として、その間を 100等分したもの。 記号 [C]
絶対温度...イギリス人 Kelvin, Thomson William 氏 (1824〜1907) に
よる。 記号 [K]
この数値換算の部分は、上記の ITS-90 (国際度量衡委員会) in 理科年表
[国立天文台編, (株)丸善] による換算式と、当然ながら合致しています。
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