AO-16を PB で受信する #1
● (EISEI.35) AO-16 を PB で受信する #1 (1994年 5月28日)
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PACSAT衛星AO-16からのデータを、IBM系(DOS/V)の機種を用い
て、「PB.EXE」を使用して受信してみましょう。 本編(33)では、PC98機でこの
PB.EXE を立ち上げるために、かなり面倒な操作を事前にしましたが、IBM系機種
で動作させることは、以下のようにして簡単に出来ます。
本編(32)で述べたように、まず、PBの最新版「PB920430.ZIP」を用意し、さらに
「PKUNZIP.EXE」を用いて、『PKUNZIP PB920430.ZIP(リターン)』と入力すると、
「PB.EXE」や、その他必要な「PB.CFG」などが解凍されます。DOS/V版のVz
エディタなどを用いて、次のように「PB.CFG」を編集しておきます。
[PB.CFG]
mycall je9pel
myaddr je9pel
bdcstcall pacsat-11
port 2
speed 1200
automode 1
pbpath c:\pb_pg\ao16
graball 1
logbbframes 1
kisstnc 0
txd 500
port のデフォルトは com1 ですが、一般にマウスが com1 に設定されますので、
ここでは port 2 にしておくと良いでしょう。speed は、衛星の公称speedの倍に
設定しておくと良い(例えば、1200bpsなら2400、9600bpsなら19200)のですが、
今回は 1200 のままにしておきました。automode 1 は、ディレクトリの自動転送
の要求なのですが、これはデフォルトにもなっているので、記載しなくても大丈夫
です。
graball 1 は、衛星からのすべてのフレームを受信して保存する意味です。
logbbframes 1 は、すべてのブロードキャストプロトコルのデータを、KISS ログ
(*.KSS)に保存する意味です。また、kisstnc 0 は、TNCを KISSモードに設定
する意味です。他の CONFIGURATION は、一緒に解凍される「PBNEW.TXT」に詳しく
解説されていますので、それを参照して下さい。
ところで、衛星AO-16は日本の衛星FO-20と同様に1200bpsの場合、アップ
リンクはマンチェスターコード化されたFM波で送信し、ダウンリンクはPSK波
で受信する決まりになっています。
まず、本編(10)の手順と同様に、自動的にアンテナが衛星AO-16を追尾するよ
うに諸設定を済ませておきます。次に、地上で通常使用している DXTERM.EXE など
の一般の通信ソフトを用いて、たとえばタスコのTNC(TNC-241)に対しては、
次のようにコマンドを送っておきます。
「MODE JAS」、「AFC ON」、「FU ON」
これで取りあえず、uplink:(マンチェスター)FMモード、downlink:USBモード、
自動周波数制御、全二重通信方式が設定されます。この後、DOS/V機を英語
モードにして「PB.EXE」を立ち上げると、衛星AO-16の受信準備が完了します。
無線機のアップリンク周波数は、145.900/920/940/960MHz の4つの FM波を選択で
きますが、通常は衛星のディレクトリ要求の推奨周波数になっている 145.960MHz
にセットします。 ダウンリンク周波数は、raised cosine 周波数の 437.051MHz
(PSK)を基準にドップラー偏移を考慮し、初期周波数として 437.055MHz 付近にセ
ットして待機します。アップリンク周波数は FM波ですので、周波数は終始このま
までも大丈夫ですが、ダウンリンク周波数は PSK波ですので、無線機のAFC機能を
動作させることにより、自動的に +5KHz 〜 -5KHz ほど変化していきます。
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