白紅山 大型種なので、なかなか開花サイズに達してくれませんが、咲けば属中で最も大輪の艶やかな桃紫花。刺色もあいまって、炎熱に枯れるモハヴェ沙漠にあって目を射る鮮烈さです。 Sclerocactus polyancistrus SB1773 (San Bernardino Co, CA) Biggest, and the most spiny species among the genus, also having the largest flower. |
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白虹ブセッキィ 白虹の亜種とされますが、アリゾナの極く限られた地域にのみ稀産する大変綺麗なスクレロ。国内での栽培開花例は少ないと思われますが、白虹にはない、清楚な白花を咲かせてくれました。精緻な麦色の刺もとても美しい。 Sclerocactus whipplei ssp. busekii SB1086 (Coconino Co, AZ) Very rare Sclero with neat white flower, known from only one locality in Arizona. |
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彩虹山(ユタ北部産) ユタ中北部の川原で、小型でスレンダーなパルビを見つけました。荒々しさからは遠く、長い刺が女性的な個体でした。そのときの種からの実生苗です。球体に相応しい、淡い紫色の花を咲かせました。濃ピンクの柱頭がチャームポイントです Sclerocactus glaucus KY0213 (Grand Co, UT) Slender form parv. from northern Utah with paler purple flower. |
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デスパイニィ 径15cmほどに育った群生株の開花です。実根ですが、元は接ぎ木苗をカットして発根させたもの。野生にはない園芸ならではの美しさではありますが、毎年この株が開花するたび、美しさに感嘆したものです。しかし、もともとが単頭で小型の植物ですからムリがあったのでしょうか、根おろしして、5年あまりで昇天しました。 Pediocactus despainii SB989 (Emory Co, UT) Huge clustering plant with own root, grown from cutting. |
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グラウカス(鈎刺タイプ) 育てやすく、小径でも花がよく咲くスクレロです。刺は強くありませんが、青味さす肌色に淡い桃色の花がとても映えます。写真ではわかりにくいのですが、これは鈎刺を持つ特異なコロニーの株で、一見パルビにも見えますが、花は典型的なグラウカスのようです。 Sclerocactus glaucus KY0201(Mesa Co, COL) Their pretty pink flower stand out on bluish body. This plant has untypical hooked spine. |
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天狼 黄〜薄桃色の上品な花。花弁の外側にフリンジ状の毛がある点が、グループ中で特異な種ですが、これはエスコバリア属の北極丸などとよく似た特徴です。なかなか咲いてくれないうえに花数が少なく、咲いても晴れの日の正午前後に短時間しか全開しません。そのかわり数日間、開花し続けるようです。 Pediocactus sileri SB473 (Mohave Co, AZ) The most prominent cactus for challenging grower, difficult to cultivate, hard to flower. |
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黒虹山ブライネィ(シュレセリ) 黒白の長く絡み合う刺、蝋細工のような質感の桃色の花。比較的丈夫で小径でよく開花することなど、園芸植物として最も優れたスクレロカクタスだと思います。刺や花色にはバラエティがあり、実生すると顔違いも楽しみな植物です。 Sclerocactus blainei (=schleseri ) SB1015 (Lincoln Co, Nv) The most suitable species for first experience of "difficult cacti".They are relatively easy to grow, easy to bloom. |
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ライティアエ 小型の稀品。花は極めて特異なもので、サボテンには珍しく強い芳香があります。花色は基本が白で、薄黄色、桃色もありますが、いずれも花糸(雄蕊の軸)が真っ赤に染まるため際だって美しい。特定の昆虫を惹きつけるための仕様なのかも知れません。パルビと月想曲の中間的な種と考えられており、植物体の特徴はとらえどころがないのですが、花の特徴は明らかです。 Sclerocactus wrightiae KY9853(Emery Co, UT) Elegant white flower with characteristic red filament, giving off a sweet fragrance. |
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ナイエンシス まだ国内では普及が進んでいませんが、白紅山を女性的にしたような小型種で、紅白の鈎刺が美しく、桃色の花もとても可憐です。ネヴァダ・ナイ郡の自生地周辺は全米最僻地とさえ云える地域で、核実験が行われるほど荒涼とした不毛の沙漠。灰色の岩山と平原、ほかに目につく植物もない無尽の荒野にひっそり生育しています。 Sclerocactus nyensis DJF707.7 (Nye Co, NV) They live in an out-of-the-way place near by US Nevada Test Site. |
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斑鳩 太く長い刺を持つコロニーの標本。5cmを越える素晴らしい長刺も見られますが、自生地で同じ場所に育つイネ科植物に擬態するためのもの。植物体は殆ど地中に没し、露出している刺束は雑草にしか見えません。栽培も容易、花つきも良いですが、成長は遅い。径2cmに育つまで5、6年かかります。 Pediocactus peeblesianus ssp. fickeisenii SB903 (Coconino Co, AZ) Robust spine form with cream yellow flower from Houserock Valley, AZ. |
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クロベリアエ・ヘイリィ 特異な濃い紫紅色の花を咲かせるスクレロ(写真では十分出ていないのですが…)。彩虹山か白虹か、あるいは別種なのか、意見の分かれる植物です。ガッシリした低い球体、短く強い刺、そしてこの花。育てやすく、栽培植物としても魅力的です。 Sclerocactus.parviflorus ssp. cloveriae "heilii" KY9701(Rio Arriba Co, NM) Small Sclero with conspicuous deep magenta flower. Good for cultivation. |
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月華玉(白花) まるで花束のように群開する見事な白花に、毎年、目を奪われます。これで14輪ありました。月華玉には色々なタイプの刺、花色がありますが、これはネヴァダ東部の山地で樹林帯に生育するタイプ。雪の積もる軽井沢みたいな場所に生えている特異なサボテンです。刺のボサボサしたマミラリアみたいな植物体は、一見すると地味ですが、いっそ山草の類だと思って向き合うと、深い雅味を伝えてくれます。 Pediocactus simpsonii RP20 (White Pine Co, NV) Mountain form living under the woods at high elevation, showing their bunch of flowers every spring. |
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